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紛い物
人生の教科書を貰わずに
無意識にゆっくり大人に変化していった
見た目だけは一丁前でも
相変わらず中身は不純な子供でしかない俺だ
立派に生きれるカタログがあったのなら
たとえ全財産を出しても
喉から手が出るほど欲しいのに
たとえ腎臓一つ売っても
1ページも目にする事は出来ない
「きっと最後は笑える」だなんて
偉人の無責任で投げやりな言葉は
きっと誰かを励ますためだけに作らせたモノで
最初に泣いて産まれたなら
最後も泣いて朽ちていくだろう
未来は誰にも俺にも解りやしないのだから
近くに散らばる紙の破片を
ただ無作為に集めて繋げて
柄もない、文字すらもない
後悔の継ぎ接ぎだらけな
俺だけの教科書で人生と対峙していくんだ




