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自転車の旅の楽しみ

作者: 一色強兵

自ブログ用記事の転載です。

今月から自転車に対する規制が厳しくなるそうだ。

私は実は自転車ファンである。ロードバイクでのツーリングをするのが好きだ。とはいえ、年も年だし、もはやスピードやらタイムやらで一喜一憂したりはしていない。クルマのいない、信号もない、細い田舎道をポタリングするという楽しみ方である。

もっともそうは言っても中身は結構ハードである。

日本は山国なので、必ず坂道はある。特に私のようにクルマのいない、信号もない田舎道を走ろうとすれば、必然的に海沿いの道から遠く離れた山の中をさまよわざるをえなくなるからだ。


長く急な上り坂を自転車でのろのろと這い上がる、なんてのはまさに苦痛の代名詞みたいなものだが、これが何故か馴れてくると結構ヤミツキになるというか、ハマるのである。

今度はこの坂を制覇しよう、みたいな、まあ、登山の一種みたいなものだろうか。


なので、電動アシスト自転車なんてものは邪道以外なにものでもないので、文字通りの年寄りの冷や水を垂らしながら、ツーリングに出ている時間の大部分を登り坂で喘いでいるのである。

同じ場所でも下りの方はそれこそ一瞬で終わるからね。ほとんどの時間は登りの時間になるのだ。


クルマで走るのとは違い、自転車で走ると道路に対しての気づきがたくさんある。


今、多くの場所では、新たに建設されたクルマにとって快適な新道と、昔から使われてきた街道の名残のような旧道があるわけだが、自転車で走るなら、ほとんどの場合、旧道の方が面白い。


新道は、目的地との間を直線的に結んでいるから距離や時間を短縮できる効果を優先して設計してあることがほとんどだ。しかも想定しているのは自動車である。自動車にとっては登り坂が多少急であってもほとんど関係無い。

なので、下手に新道を自転車で走っていると、気が遠くなるほどの長い直線の急坂を延々とペダルで這い上がざるをえなくなる。しかもたいていは、その横をクルマがビュンビュン追い越していき、心安まることがない。


一方、江戸時代以前から使われていたような旧道は、歩く人と牛馬に引かれた荷車を想定しているから、くねくねと曲がりくねりながらも、できるだけ勾配が穏やかになるように道が作られている。

道自体もクルマ一台がすれ違うのがやっとみたいな幅だから地元以外の人がクルマで乗り入れてくることもない。つまり自転車にとっては多少のアップダウンとくねくねがあるにしても、とても快適なのである。ついでに言えば、たいてい絵になりそうな風景があって、野生動物を身近に感じられる場面に出会える。

自転車は走行音も小さいので、意図せずに野生動物と出会うことが多いのだ。ヘビとか、何度も引きそうになったし。


もっともこんな楽しみ方ができるようになったのは実はつい最近のことだ。

サイクルコンピューター、略してサイコンというものを自転車につけているのだが、これにはクルマにもあるようなナビ機能を持ったものがある。うちのにもついている。

事前に登録していた道を実際に走りながらガイドしてくれる便利なものだが、この走るコースを決めるに当たり、以前はグーグルマップでコースを決めていた。のだが。

最近とあるネットの投稿から知った、Komootというドイツの会社が運営している、自転車に特化したマップに切り換えたのである。


わざわざ、自転車専用を謳うだけあって、Komootのカバーしている自転車が通れる道の情報は詳しく、田んぼの中のあぜ道までカバーしているのだ。

今までなら地元の人しか知らないような道までナビ対象にしているわけだから、今まで何の感慨も無く通り過ぎていたところで、未知の発見ができるようになったわけで、今はこの面白さにハマっているわけだ。

ついでに言えば、Komootの道路の勾配に関する情報も充実していて、コース設定時に、この道は体力的に無理とか、そういう判断ができるのもありがたい。


しまなみ海道のように世界にも珍しい多島海を渡る連続した海上橋を渡るというのも、面白いと言えば面白いが、(国際海峡に橋をかける場合、海面から60m上に橋を通さなきゃいけないということで、普通の橋よりずっと怖い)クルマの旅と出会えるものがそれほど変わらないのはイマイチだと思うんだよね。


道路整備を行う行政の担当者は、もう少し自転車の旅の魅力というのを勉強した方がいいと思われ。

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