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されど服  作者: 高見香里奈
74/78

74 亮と服

【亮と服】


 これは一目惚れというものなのか。

 俺はその日、ピンクのスカートを履いていた女の子に一目惚れをした。多分新しく入社した子なんだろう。ヤング婦人服売り場のブランドの従業員は大体は顔見知りだ。

 数日後、どうやらあの子はMarrisaの子だということがわかった。ストックルームや従業員休憩室で度々目にするようになった。女性ブランドの営業の俺は女性だらけの職場でたまに肩身がせまい時がある。そのせいか、隣店のOL向けブランドの、俺と同じ営業担当の香田君とは、仕事帰りによく飲みに行ったり、話をしたりして仲が良い。飲みに行った時もお互いのブランドの最近の客の動向なんかも話したりして、軽い情報交換も行っている。

 そんな香田君には彼女がいる。女性向けフォーマルブランドのHEVENの従業員の女の子だ。同じ百貨店で働いてる二人は百貨店内で会っても、お互いそっけなく振る舞っているらしい。まだ内緒にしておきたいのだそうだ。

 そんな香田君に一目惚れしたピンクのスカートを履いていた女の子の話をした。

「ピンクのスカートの子……。あぁ、Marrisa

の新しい子かな」

 香田君が言った。やはり鮮やかなピンクのスカートはフロア内で目立っていて、印象に残るようだ。

「あの子、多分ミナと同期でミナと仲良いみたいだよ」

「えっ? 紹介して欲しい!」

 まじかよ。声をかけるかどうか悩んでいたが、こんな近くに共通の知り合いがいたなんて、俺ついてるな。

 セール時期になり、店舗に行くことが多くなった。店舗スタッフのフォローをしたり、現場の商品の推移や状況を把握する。女性だらけのこの職場は女性特有の揉め事や、派閥があったりする。全く無いところ稀にあるが、ここは店長と副店長の仲が悪く、ぴりぴりと空気が悪い時がある。店長から副店長の愚痴を聞き、別の日には副店長から店長の愚痴を聞く。まじで勘弁してくれって思う時がある。

 ブランドとして数字を取らなければならないし、俺は店長の話にも副店長の話にも相槌を打ち、店のバランスを保つ。セール時期にヘルプで入った別店舗のスタッフが、なぜか俺との距離が近い気がする。気のせいかもしれないが。

 商品を確認しに、ストックルームのドアを開けようとしたら、内側に人がいたらしく、ぶつかりそうになった。

 あっ、あのピンクのスカートの子だ。今日はピンクじゃなくてデニムスカートなんだな。

 職業柄女性のファッションを確認する癖がついてしまっている。かわいかった。

 香田君には俺にあのピンクのスカートの女の子、有紗ちゃんを紹介する日程をミナちゃんと調整してもらっている。楽しみだ。あの子に会えてテンションが上がった。



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