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されど服  作者: 高見香里奈
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「見たよ! テレビ。恭子めっちゃ可愛くなってたけど、何があったの?」

 美容院で撮影したものがオンエアされると、そんな電話やメールが何十件もきた。

 ずっと連絡をとっていなかったら友人や知り合いからも連絡がきて驚いたし、正直嬉しかった。可愛くなっていたなんて言われて。

 これも彩菜や有紗ちゃんのおかげだ。

 有紗ちゃんは私に新しい自分になれるきっかけをくれた。すごいな、有紗ちゃんの影響力。

 そんなことを考えながら、Marrisaでで購入した、チュチュスカートとTシャツに着替え、美容院で買ったオイルを髪に馴染ませた。


 私は初めて来たファッションブランドのイベントにそわそわしていた。彩菜がパーティーの招待状を持っていたので、私は同行者としてパーティーに参加することができのだ。

 お洒落をするようになったら、心理的に積極的に変化するのか、出かけることが多くなった。

 ライブシアターのこの会場は千人ほどのキャパシティだ。

「もうちょっとでファッションショーが始まるみたい」

 舞台からランウェイがT字に伸びている。

 ここからモデルさんが出てくるのだ。

 照明が暗くなり、ショー開始のアナウンスが流れた。このショーは席がなく、全員スタンディングだ。音楽が切り替わり、ショーが始まった。

 舞台には『Marrisa』FWコレクションと大きな文字で表示され、美しいモデルがこちらに向かって歩いてくる。パープルのツイードのワンピースにブラックのショートブーツを履いている。スポットライトが当たり、モデルは瞬間、ポージングをとる。

 どう? かっこいいでしょ。素敵でしょ。

 無言なのにこんな声が聞こえてきそうだ。

 代わる代わるモデルがウォーキングをし、その度に会場内はかわいいーという声が上がる。

 素敵な服がモデル達によって披露され、それは一つの芸術のような感覚を覚えた。

 ただの布では無いのだ。服は見て楽しめる、感動すら覚える。なんて素敵なのだろう。うっとりと服とモデルを眺める。ゲストの女性ファッション雑誌の人気モデル達が登場し、会場の盛り上がりはピークに達した。

「かわいかったー!」

 興奮した声で彩菜に言った。

 周りの女の子達も私と同じように興奮していて、会場全体がきらきらと輝いているような錯覚に陥る。ファッションのパワーってすごいんだな。

「この後アフターパーティーがあるから行こ。友達が関係者だから呼んでくれたんだー」

 アフターパーティーは会場近くのクラブで開催された。

 DJが洒落たアップテンポの曲を流し、音楽に合わせてフロアにいる人々は身体を揺らす。

 華やかな服に身を包んだ男女が多く、今日モデルとして出演していた子もちらほら見かける。トイレに行く途中、聞き覚えのある声がした。

「ちょっとだけ、飲もうよ、ねっ?」

「帰るんでー」

 そんなやり取りが聞こえ、その声の方に視線を向けると、雄一が女の子に声をかけていた。

 私は驚いて一瞬立ち止まった。

 そんな私に雄一が気がつき、びっくりした表情で私を見た。

「恭子……?」


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