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されど服  作者: 高見香里奈
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 数分後、吉岡千花から返信が来た。

【こんばんは。メッセージをありがとう。素敵なグリーンのワンピースがお似合いだった涼子さんですね。楽しい夜でしたね。

明日由香ちゃんと朝食を食べるのでご都合良ければご一緒にどうかしら? 吉岡千花】

 涼子はすぐに了承の返事を送る。パーティーで見た美しい花を思い出す。その夜涼子は気持ちが昂ぶり、なかなか寝付けなかった。

 こんなことは今までなかった。

 吉岡千花との朝食の場所はロイヤルハワイアンホテルだった。ピンク色が素敵なホテル。

 由香と二人で店に入ると、テラス席には先に到着していた吉岡千花が座っていた。三人はこの店の名物であるパンケーキをオーダーする。

 昨日のパーティーの楽しい思い出話を終え、ひと段落すると、フラワーコーディネートという仕事について涼子は吉岡千花に質問をする。吉岡千花は誇らしい笑顔を浮かべて自身の仕事について涼子に話しをしてくれた。

 フラワーアーティストになるにはフラワーショップやその関連会社に就職し、そこから独立するのが一般的で、吉岡千花も新卒でフラワーショップに就職し、七年後に独立したのだという。自分の母親も花が好きで常に家に花が飾られていた環境だったそうだ。十代の頃はアメリカやフランスのインテリアブックが好きでよく読んでいた。それらの洋書には必ず美しい洒落た雰囲気のフラワーコーデがされていて、それに感動し、いつか自分で独立してそんな世界観を作りたい、それを夢見て吉岡千花は目標に向かって突き進み、今ようやく十代だった少女の夢が現実となっているのだ。

 吉岡千花のアシスタントはできないかとダメ元で涼子は伝えたが、もうアシスタントはいるので今はとくに募集していないそうだ。

 アシスタントになるのもフラワーショップ等で修行をつんでからというのがアシスタントの応募資格となるらしい。

 早朝五時には花の仕入れに市場に行き、その後、店を開店し、店の管理や花の装飾、百貨店等のイベントがあれば百貨店閉店時間から花の装飾作業をするそうだ。

 華やかな仕事に見えるけど実際はね、意外と体力勝負なの。白い歯を見せて悪戯っぽく笑った。太陽の日差しに照らされた吉岡千花は眩しく輝いているようにさえ涼子には見えた。

 帰りの飛行機の中で涼子は思いを巡らす。

 帰国後、涼子はネットでフラワーショップやその関連会社を検索し、直感で良いと感じたところに片っ端からメールと電話で募集がないか問い合わせた。現在募集はしていません、の回答が大半だったが、三件の会社からは履歴書持参で面接という運びとなった。涼子はパソコンを開き、今まで転職活動に使用していた履歴書の志望動機の欄の文章を削除する。新たにキーボードを叩き、文字を入力していく。書き始めたら止まらない。涼子には自身のフラワーアーティストへの目標やビジョンが浮かんでいた。結婚式やパーティの花を創作している自身の姿。


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