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されど服  作者: 高見香里奈
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 店によって、ディスプレイが全然違う。コンサバな雰囲気や、ギャルっぽい雰囲気の店。

 ショーウィンドーの服は履歴書みたいだなと涼子は思う。店にはいるまでにその履歴書を見ながら、店に入るかどうか客は判断するのだ。

 ピンクのフレアスカートが素敵にディスプレイされているお店が見えた。

 『Marrisa』と壁に書かれている。涼子はセンスの良さそうなその店に入ることにした。

 入店し、店を見渡したが、買い物が久しぶりで、何をどう見たら良いのかわからない。

 視線の先にポニーテールをした店員と思われる女性がいたので、声をかける。

 女性店員はきらきらと目を輝かせ笑顔を浮かべた。フレアスカートがとても似合っている。この女性のセンスに間違いはなさそう。

 その店員の服装をちらりと見ながら涼子はそう判断を下した。


 パーティーで着るワンピースを探していると涼子が女性店員に伝えると、その店員は丁寧にパーティーのシチュエーションを細かく訪ねた。友人の軽い誕生日パーティがハワイであり、着心地の良い服が希望ということを追加で伝える。数分後、店員は二着のワンピースを両手に持って涼子に見せた。

 胸元の辺りがレースになっている黒のミニワンピースとグリーンのロングワンピース。

 店員のチョイスが意外だった。グリーンのワンピースだ。

 グリーンなんてあまり着たことがない。似合わないのではないかと不安を感じつつ、まぁ、着てみるかと思い直す。

「両方着てみていいですかー?」

 涼子は案内されたフィッティングルームに入る。

 室内の鏡に映る自分の姿を見た。髪はぼさぼさで、なんだかぱっとしない。無性にせつなくなり、そそくさと黒のワンピースに着替え、試着室の外に出た。

 ワンピースはサイズもぴったりで良い感じだった。ルーム内で見た時は、ライトが暗くて気がつかなかったが、胸元のレースが細かくて美しい。お似合いです、女性店員は言った。

 グリーンのワンピースは多分似合わないから、これにしようかな、と思いながら恭子はフィッティングルームに戻り、服を脱ぐ。

 着替えている工程って、脱皮して新しい物に変化する過程みたいだな、とぼんやり思った。まぁ、これも着てみるかとグリーンのワンピースに袖を通す。

 フィッティングルーム内の鏡を見るが、証明が暗いため自分に合っているのか判断がつかない。

 フィッティングルームのドアを開け、外にでる。涼子は外の明るい証明に照らされた。

「とても素敵です!」

 涼子に向かって、女性店員が弾んだ声で言った。

 涼子は全身を鏡を見た。こんなに鮮やかなグリーンの服が自分に似合うんだ、新たな発見に涼子は驚く。ロングワンピースという形も初めて着た。ロング丈もお似合いになられるかと思います、と試着するまえに、店員が言っていた。なるほど、と納得がいく。

涼子の肌の色と体型に絶妙にマッチしていたので、涼子はこのワンピースを購入することに決めた。グリーンでしかもロング丈。挑戦したことのない服。黒のワンピースにしようと思っていたが、おもいきって着てみて良かった。

 会計を終え、女性店員から紙袋を受け取る。

 いいものが買えた。この店員さんに聞いて良かった。満足感を得てありがとう、と店員に伝え、涼子は店を後にした。


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