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されど服  作者: 高見香里奈
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 予算までわずかだったなぁ、自分の店内での動きはベストだったのだろうかと思いながら店頭商品を畳んで整えていると、小走りで女性が入店してきた。

「あっ」

 二時間前に接客した、デニムパンツとプリントTシャツを試着した女性だった。

 女性は何個か紙袋を持ち、他の店でも買い物をしていたようだ。

「さっき試着したデニムとTシャツいただけますか? 来るの遅くなっちゃった」

 閉店の音楽が百貨店内に鳴り、私はエレベーターの入り口までお客様をお見送りして店に戻った。

「北川さん! 予算達成したよ!さっきの北川さんの売上でプラス一万五千円だったから五千円多く予算達成!」

 店長が言った、

 北川さんラストにきめてくれたねーと吉野さん。

 パチパチと店長と吉野さん笑顔で手を叩く。

「嬉しいです!」私も笑って手を叩いた。長い間チームで試合をし、決勝の勝負に勝ったようなそんな充実した気持ちとチームの一体感を感じた。


 私は初めて一つのマネキンのディスプレイを任されたので、何を着せようかと思い悩んでいた。今までは店長や副店長の吉野さんから指示されたコーディネートをマネキンに着せていたけど、今日は自分でコーディネートを決めるということだった。

 なんだかとても嬉しい。最初はマネキンの服を着替えさせるのが慣れなくて、マネキンの腕をはずすのにも時間がかかっていたけど、今はもう手慣れたものだ。

 あれでもない、これでもない、と迷った末、ピンクのフレアスカートにブラウスのコーデを着せることにした。

 店のマネキンは二体あり、一つはカジュアル、もう一つはコンサバか、ラグジュアリーな雰囲気の洋服を着せるというMarrisaの決まりがある。百貨店という場所柄、路面店に比べて、コンサバやラグジュアリーな雰囲気の服がよく売れる。

 華やかな雰囲気を演出するために、ベビーピンクのフレアスカートにボタンにラインストーンがあしらわれているホワイトのシャツを着せ、隣マネキンが着ているデニムにチュニックといった服装と雰囲気が合っているかバランスを見るために店の外からそれらを眺めた。なんだか展示した自分の作品のようだ。


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