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されど服  作者: 高見香里奈
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 女性ははっとした表情になり、観念した様子で鞄から服を取り出し、男性に渡し、話をしている。店長はそれに気がつき、その男性の元に行き話しを終えて店に戻ってきた。数分後、その女性は百貨店の社員と、その男性に連れられ、どこかに行ってしまった。私は店長に店内で自分が見た一部始終を話した。

 客が引いた時間に、店長はスタッフを集めて店で万引きがあったことを伝えた。女性を連れて行った男性は私服警官だったそうだ。

 普段も百貨店内を見回っている。セール期間は人も増えるため、こういう万引き犯や不審者が多くなる傾向があるようで、今回たまたま挙動が不審な女性がいたため、店の外で様子を伺っていたそうだ。テレビで観ていた万引き犯の特集を思い出した。

 しばらくすると、百貨店内のアナウンスが流れた。

「お客様のお呼び出しをいたします。黒川様お連れ様がカウンターでお待ちです」

 このアナウンスは実は万引き犯がでたという、従業員に知らせるアナウンスである。客にはわからないように隠語としてアナウンスされるのだ。

 店内は何事もなかったようにいつもの状態に戻った。

 閉店時間になり、店長と吉野さんは本社への売上報告や日報の記載、数字の計算等の閉店処理をし、谷口さんはディスプレイや店内商品を整え、私は店内の掃除をしていた。掃除をしていると、鏡は手の型がたくさんつき、床はほこりがたくさん発生していて、普段の倍以上に掃除を入念にしなくてはならなかった。来店の多さに汚れは比例するのだろう。

 掃除を終え、ストック分を補充するためにストックルームに向かった。ストックルームの入り口で背の高い男性と目があった。

「お疲れ様です」

 男性が私に言った。

「お疲れ様です」

 そう言って、軽く会釈し、通りすぎた。

 セール初日にドアのところでぶつかりそうになった男性だ。かっこよかった。営業の人だろうか。

 ストックルームにつき、商品をピックアップしていく。初日はあんなにぱんぱんだった棚が、商品が売れて少なくなっていっている。

 セールの勢い、恐るべし。明日倉庫から補充がくるようなので、そのスペースも開けておく必要がある。整理を終え、店に戻った。


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