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されど服  作者: 高見香里奈
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 気がついたら眠っていた。

 昨日投げ捨てたワンピースが視界にはいった。あんな物、見たくもない。もう、服なんてどうでもいい。

 パジャマを脱ぎクローゼットを開いた。

普段であれば、次の日に着る服を前日に用意する。でも、今はそんな気分に全くなれず、クローゼットの隅で畳まれていた、黒のすすけたロンTと黒のスエットパンツをを適当に選び出し着替えた。

 もうなんでもいいや。

 一日家でごろごろする。今日は買い物に行く予定だったが、そんな気分にはもうなれない。服のことは考えたくない。

 昨日の嫌な情景が浮かび上がる。頭の中で上映されるまるで嫌な映画。

 ふと甘い物が食べたくなりコンビニにでかけることにした。

 コンビニの店内のスイーツコーナーに向かうとティラミスが売っていたので手に取った。

あとは……。

 他に買う物無かったかな?

 店内を見回していると、無意識に目が吸い寄せられていた。大好きなファッション雑誌『VIA』に。

 気がつくと私は『VIA』を手にしていた。

『マリンな夏がやってきた!』

 そんなコピーが印字されグラビアには、大好きなモデルのMAYUMIちゃんが美しい青空と海を背景にボーダートップスとブルーデニムのコーデでかっこよくポージングをとっている。

 わっかわいい。このトップス。わっ! このサンダルかわいい。フットネイルも塗らなきゃ。

 そろそろカゴバックだよね。

あぁ、かわいい。楽しい。わくわくする。

 私は無意識に笑っていた。


 家に着くなり、私は購入した雑誌を机に広げページをめくった。

 手が止まらない。ぺらりぺらり。

 掲載されている様々なファッションが私の頭にデーターとして蓄積されていく。

この感覚。あぁ、本当に楽しい。好き。

 どうしてこんなに私はファッションが好きなんだろう。

 やっぱりファッションが大好き。

 昨日落ち込んでいた気持ちはどこかに飛んでいってしまったようだ。それに、昨日の出来事は良い失敗だったと思おう。ベージュのドレスには気をつける。フォーマルな場所では事前に誰かに服装を見てもらう。

 お客様に提案する時も気を遣ってお見立てできる。

 早速私はクローゼットから、ブルーデニムとボーダーのトップスを出し着替えた。

 玄関のシューズボックスに向かいこのコーデに合うシューズを探す。

 赤のサンダルがあった。

 それを履いて玄関にある姿見の鏡を見る。

すごく良い感じだ。これを着ておでかけしたい。

 気がつくと、コーデが上手くいった時にいつも感じる高揚感を抱いていた。

 服でこんなに気分が良くなるものなんだ。

ただの布なのに。不思議だ。


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