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されど服  作者: 高見香里奈
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初めての

 すぅっと小さくし呼吸をし、降りて足を進めた。

 突然店長が立ち止まり、左手にある両開きの扉を開いて奥に進んだ。私も急いで扉を開く。

「わっ」

 開いた瞬間思わず声がでた。

 そこはいつも買い物で訪れる時に見る風景だった。売り場とつながっているのだ。暗かった通路とは対照的にライトがぱっとるく四方八方に点灯されている。さっきまでいた場所とはまるで違う空間。

 店舗ごとに設置されている鏡の表面は、磨きあげられ、畳んで整列された服、等間隔に掛けられている服が整然と客を待ち受けている。


 ここは天空で、さっきの従業員通路は下界といったところか。

 きょろきょろと周りを見渡しながら店長に続く。見慣れたロゴマークが印字されているプレートが見えた。

Marissa(マリッサ)

「おはようー」

 店長は店内に入り、パソコンを触っている女性に声をかけた。

「おはようございます。今日からの? 初めまして。副店長の吉野です」

 ボブヘアの目が大きい女性が言った。

「はじめまして、北岡有紗です。よろしくお願いいたします」

 緊張しながら会釈をする。

「じゃ、今日は百貨店の面接をを受けてもらうのと、ざっと私がブランドについて説明するね」

「面接があるんですか」

「うん。百貨店のフロア担当の面接。大丈夫。普通にしてたら受かるよ」

 普通ってなんだ? 大丈夫か私。そんなことを思いながら店長の言われるままに説明を受ける。

 ちらりと店長の着ている服を見る。かわいいトップスだ。肩がフリルになっていて華やかだ。

 これは新作なんだろうか。私も同じ服が欲しい。さっき吉野さんが履いていたワンピースもレースがサイドについていてかわいかったし。あぁ、気持ちが高ぶる。胸がきゅんとなった。



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