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されど服  作者: 高見香里奈
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「この子、私に買ってもらえる時だけついてくるのよ」

 母親が冗談っぽく、嬉しそうに言った。

「えへへ。ママありがと」

 女の子はそう言って

「今からどこかおでかけですか」

「今日は探してたコートも見つかったから、後はご飯を食べに行くって感じ」

 普段、母親とは離れて暮らしてるそうだが、今日はコートを買ってもらえるとの約束で

(ただし、母親の好みの服でないとだめらしい)久しぶりに会ったようだ。

「ワンピース、とてもお似合いでしたので是非着てくださいね」

 私はワンピースとトレンチコートを一番大きいショップ袋にいれながら答えた。

「私が気に入っちゃったわ。そのワンピース。私ももう少し若かったら着ているわ」

 母親が笑いながら言った。

 出口に案内し、女の子に袋を渡した。

「あー楽しかった。かわいい服多いわね、ここ」母親が弾んだ声でいった。

「私もここのお洋服好き。また来ようママ」

 そう言って女の子は袋を受け取った。

「ありがとうございます」

「ありがとう」


 女の子と母親は何かを楽しそうにしゃべりながら店を後にした。

 私はその後ろ姿が見えなくなるまで見送り、一礼して店内に戻った。

 心がぽかぽかと温かくなった気がした。

「北岡さん、やるじゃん。

 ハンガーを片付けていたら、店長が私に声をかけた。

 そういえば、さっき買ってくれた親子にワンピースを提案できたのは、

谷口さんがロープレで教えてくれたからだ。

 それが無かったら、コーディネートを思いつかなかっただろう。

 それに、ワンピースの色違いを母親から聞かれた時もすぐに返答できた。

 恐るべし、ロープレ効果。勉強になるなぁ。ロープレ。確かに。咄嗟にコーデを提案できるのがプロなのだ。

 しかもその人に似合うものを。必要としているものを。洞察力が必要だ。探偵のように。

 私も店長や、吉野さん等のように、プロに成りたい。


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