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1  学ぼう

 素晴らしい結婚式を見届けて、私達はヴァヴィンチョへ帰る貴族向けの特別列車に乗っていました。

本当に幸せそうな二人でした。

「ファカタ、凄く綺麗だったわね」私はウィリアムに言いました。


ファカタは、とても美しい街で、歴史も大切にしながら発展していました。

「ああ、ヴァヴィンチョも素晴らしいけれど、古い町並みを生かして新しい建物も洗練された印象だったね」ウィリアムも同意しました。


ヴァヴィンチョはとても発展した巨大都市になっていますが、ファカタはコンパクトな都市でずっと洗練されていると感じられました。

二人は、この数年間王都とヴァヴィンチョを往復しながら、会社の事街の事防災の事と走り回って来た今までを振り返っていました。


「火災が恐くて、防災の道路などを決めたけれど、話をしているうちにもドンドン開発されてしまいましたものね」私が苦笑気味にウィリアムに話しました。

 防災の為に、道幅を考えて上下水道を埋めて、発電所を作ってなんていう事を、決まらないうちに、あっちは男爵が開発をし、こっちは伯爵が開発をしてと言う感じで、ヴァヴィンチョの集落のあった森は切り開かれ、山は崩されて谷は埋められて、王家や領主様も開発に乗り出してきて、私達も土地が無くならないうちにと工場を作ってビルが乱立して、数年で巨大な都市になったヴァヴィンチョ。

今まではこの巨大都市が生まれた事を私は誇りに思っていました。

「ファカタはいつから開発を始めたんだろうな」

「サリアさんがファカタに行ってかららしいわ」

 でも私はファカタの街を見て、こんなに綺麗な街として開発する事が可能だったのかと衝撃を受けました。

サリア夫人が、美しい森の中の家から久しぶりに外に出てみたら、ごみごみとした街に変っていて少なくない

ショックを受けていた事が今となっては理解できる気がしました。


「という事は、街自体はあまり変わっていないのかも知れないな、もっと昔からオシャレな街だったんだよ」

「そうかも知れないわね、ヴァヴィンチョもいつか再開発して綺麗に作り直せたらいいわね。サリア夫人は道路も作り直したらしいわ」

「サリア夫人は相当に魔法の力があるんだね。」

 

それにファカタでは真空管や歯車を使った大きな機械ではなく、トランジスタを使ったコンパクトな機械が流通していました。このままでは、私達の会社も落ちぶれてしまうそんな危機を感じました。

「ファカタの電子機器は小さかったね。」

「私の居た日本の機械もあれくらい小さかったの、想像だけれど、多分辺境伯は日本人の生まれ変わりよ」

 聖女の力で皆を治療しながら、ファカタの街を周りました、ヴァヴィンチョが昭和の日本的なのに対してファカタは近代の日本を感じさせました。

もともとファカタの街は外国との交流が盛んで、おしゃれだった事もあるのでしょうが、それにしても私もウィリアムも街の綺麗さには心打たれるものがありました。

今はまだスマホやコンピューターはないけれど多分すぐにコンピューターも出て来ると思えました。


レオナルド先生と、お弟子さん、関連会社の皆さんが頑張ってくれていますが、

この世界の科学技術が、日本に追いついてしまったら将来は私の知識が無くても発展し続けるようにしていかないとですから、学校ももっと普及させたいし、私がいなくても全てが回るようにしなくてはいけない、そう感じたのです。


そして私もサリア夫人に負けない位に魔法で、科学をサポートしなくてはと思いました。

サリア夫人は、魔法は感覚で覚えたと言って、魔法のやり方は教えてもらえなかったので、やっぱり私はファイーストに行って魔力の使い方を再度勉強しなくてはと思いました。

ウィリアムも寂しそうな表情をしながら、カオリの思いを尊重するよと言ってくれました。


今の私は、治療などの魔法はサリア夫人以上に強いですが、例えば火を起こしても精々ガラスを溶かす位、水も精々学校のプールを満杯にするくらいの量しか生み出せていません。

多分サリア夫人は、近代科学に必要な物質を生み出していると思うのです。

私は、そんな魔法は知らないのです。

ファカタではトランジスタを作り出しているので、そう遠くない未来にはICを生み出しコンピューターもスマホも生み出すでしょう。


ファカタの会社と繋がりを増やして協力体制を作るか、私がもっと魔法を学んで、お互いに切磋琢磨していくか、どうなっても良いようには魔法を勉強しないと行けないねと、ウィリアムとも確認し合いました。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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