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7  ひと肌脱ぎましょう

ひととおりランスでの話を話したところで、先生が言いました。

「提案なんだけどね。もちろんファイースト国の魔導士さんに召喚して貰うのが確実なんだろうけどさ、他の国の人達だし4人のパワーを使わないといけないしで、あなたの事を召喚してくれない可能性があるかも知れないじゃない。 それでね、思ったのよ。私の小説の中に出てた人でサリア夫人ご存知かしら?」


私は、頷きながら言いました。

「そういえばサリア夫人って小説の中では、王族の人でしたよね。けれどランスの国の中ではお会いした事はもちろんお噂も耳にした事がありませんでした。」

と答えると

「それはね、サリア夫人は王室から出てしまっていて、オリーの家のすぐ近くに住んでいるからよ。彼女は特殊な力を持っていてね、その力をみんなに知られたくなかったから、変わり者のように振る舞って王族の中から抜け出してしまったの、という設定なんだけど、小説の中でもちょこっとオリーと会話をしたくらいで、全然活躍してなかったじゃない、そこで彼女の設定はこの際変えてしまって、彼女は歴代稀なる魔力の持ち主という事にしちゃいましょう、普通4人以上で召喚を行うのに、サリア夫人だけは一人の力で召喚が出来るっていうのどう?」


私は驚いて、「それってチートっていう奴ですよね。と言いますか、先生の作品がおかしくなってしまわないでしょうか?」

と聞くと先生は、ふっと笑ったような表情を浮かべて言いました。

「あら、だってもう既にオリーの居る舞台は山の中の村じゃなくて、国で二番目の大都会になってしまったのよ。私の気が付かないうちに世界は変わってたんだもの、私が変えても大筋は変わらないわよ、ファイースト国の魔導士さんのお返事を聞いて駄目だったらやっちゃいましょ」

そう言って、私のパソコンを見ました。


「そうですね、ではファイースト国の魔導士さんに聞いてみますね。」

私はノートパソコンを自分に向けて、打ち込み始めました。


カチャカチャ

「翌朝、ファイースト国の魔導士さん達でひそかに会合が開かれました。そして再度召喚の儀式を行う事になりました。」

ここまで打って

パソコンを先生に見えるように向け直し、言いました。

「それでは投稿します」

カチッ、マウスのボタンを押したけれど。。。


「エラー 異常なデータが送られました、再度編集画面を出して編集し直してください。」


「えっ」私は思わず声を出してしまいました。

「やっぱりね 相手が返事をし易いように書いてみた方が良いかも知れないわね、打たせて頂けるかしら」先生は言いました。私が頷くと、先生はそのままタイプを始めました。


「翌日、ファイースト国の魔導士さん達は、会合を開きました。そして私に分かるように黒板に返事を書いてくれました。」


先生は「これでどう? 投稿するわよ」と言いました。 私が頷くと投稿されました。


今度はちゃんとちゃんと画面が変わりました。

スクロールして返答の所まで来ると


~返答を書いてくれました。

召喚する条件があります貴女がファイースト国で暮らしこの国の聖女として活動をして頂かなければなりません、ランスで今までの様に暮らしたいという事であれば、ランスの魔導士に依頼して頂くのがよろしいかと思われますが、ファイースト国以外ではほぼ魔法は使えないでしょうし、私達の出した召喚のエネルギーはランスの神官が解除されたと聞いています。

ランスにも魔導士がいらっしゃるのか探してみてください、神官の方々で魔力を扱う事が出来るのでしたら、神官の方でも良いです。召喚の儀は極秘の儀式ですが、特別にその魔導士さんにお伝えいたします。


私と先生は「そっか」「やっぱり」とつぶやくように言いました。


「やっぱり先生のおっしゃったとおりでした。」

私は少し涙ぐみながら、返事をしました。


「じゃぁ、あなたのパソコン貸して下さる? 今書いちゃうから」

先生が言いました。

「では、パソコンのパスワードも教えます、私が消えてしまったら連絡取りようが無くなるでしょうし」

と言ってIDパスワードなどをメモして先生にお渡ししました。

そして、先生にパソコンを渡す前に、もう一度みんなに向けてメッセージを書きました。


カチャカチャ

ウィリアムの心に声が届きました。

「ダーリン聞こえますか? カオリです、このあとそちらの世界に召喚して頂く事になりました。あなたにやっと会えます待っていてくれてありがとう」


えみりの心に声が届きました。

「お母さんです、 おうちに戻りますね。えみりの事大好きだからね、ずっと一緒に居たいです。待っててね。」


丈二の心に声が届きました。

「お母さんですよ お母さん帰るからね、丈二大好きよ 待っててね」


ナターリアの心に声が届きました・・・アイシャの心に…

こうしてみんなに今から戻る旨連絡を入れました。

その様子を見て先生は、「本当に向こうで暮らしていたのね。」とつぶやきました。


投稿が終わると、どうやら向こうの国では私を迎え入れるために、大騒ぎになっているようです。


私は家の鍵のコピーも先生に渡して、「あ・・・車どうしよう。」

先生が「ん~、このパソコンとかと一緒に預かっておくわ。でも何年か経って維持出来なくなったら処分するからね」

と言ってくれたので、お願いする事にしました。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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