表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/101

4  ウィリアムへこたれないで

家に到着してうがいをしてから、部屋に戻るとパソコンを動かして自分の小説を開いて確認をして見た。けれど、あれから話は進んでいなかった。

一旦顔を洗って部屋着に着替えると、ホットココアを作って来た。


一息入れてから、レインドロップ先生へメッセージを送ってみました、昼間に自分がやろうとしていた事の報告と第三者的目線での答えを期待して。


「レインドロップ先生、お世話になります。本日の報告をさせてください。

私の小説ですが、最後に私が日本へ飛ばされるシーンを削除しようとするとエラーが出て削除できなかったのです。

 なので娘へのメッセージを追記して投稿すると、私の記述した後に、「神様が私を日本へ飛ばした」と言う娘からの返答が加筆されていました。

この方法で、向こうの世界の人達と連絡を取る事が出来そうです。

私があちらの国へ移動した方法は、ファイースト国の魔導士さんの召喚術なので、ファイーストの魔導士さんに問いかける文章を追記して、ランス国へ召喚して貰えないか聞いてみようと思ったのですが、

この方法に問題が無いかなど、先生のご意見を聞かせて頂ければと考えています。お手数をお掛けしますが、ご教示いただけますでしょうか」


メッセージを送り、パソコンを停止させてから、物音のしない部屋で聖女として人の治療や土地の改良の為に祈りを捧げた日々を思い出していた。

向こうへ戻るにも長期戦になるかも知れないから、今夜もしっかりとお風呂で暖まって早めに寝る事にした。


翌朝会社へ欠勤の連絡を入れながら、いっその事あの会社は退社してしまおうかなと思った。

でも向こうの世界に移るまでに時間が掛かる可能性は否定できない、しかしあの会社に在籍してたら自宅でパソコンに向かう時間は作れない。退社して就業時間が決まっている仕事に替えるか、希望時間を言えるパートタイムの仕事にするか、いずれにしてもパソコンに向かう時間を作って早く向こうの世界に戻らないと。


娘に連絡をつける方法は分かったので、ウィリアムにも同じ方法で連絡を入れる事にした。

サイトに接続してパスワードを入れて、自分の小説を開いて編集のボタンを押して最後の行までスクロールして行くと。

あら? 話が増えているわ。

私がいなくなった事に気が付いたウィリアムが、私が日本に行ってしまった事を聞いて、えみりを叩いちゃった。いや確かに、えみりも取り返しのつかない事をしたんだけど、叩いちゃったら情操教育に良くないし、いやこれはまずいわ、えみりの心の傷になったら困る。私は居なくなったけれど、ここからあなたたちの事は見えているのだからねって、書いて送る事にしましょう。


カチャカチャカチャ

私はウィリアムの心へ呼びかけました


「あなた分かりますか?カオリです無事に生きています、今は日本にいますが、そちらに戻る方法を探しています、えみりは私が日本に帰りたがっていると勘違いしていました、今は間違いだったことを知っているので、これ以上あの子を責めないでください。ジョージは大人しくしているようですが、私も断片ながらそちらの事が分かるので、とにかく落ち着いて普段通り、楽しい我が家でいてください。

愛してます あなたのカオリより」


次にえみりの心に呼びかけました

「えみり、お母さんです。お父さんがあなたを叩いてしまったみたいだけれど、これ以上叩かない様に伝えました。あなたも神様へのお願いをする時には、どんな結果になるのか良く考えてからにして頂戴ね。お母さんは日本からランスに戻る方法を探しています。丈二とも仲良く過ごしてね。大好きよ」


そして丈二の心に呼びかけました。「ジョージ、お母さんです、今日は一人でパンケーキを食べたみたいですね。おかあさんも頑張ってそちらに戻りますから、お父さんたちのいう事を聞いていい子にしていてくださいね。大好きよ。」

書き終えると、見直しもしないでそのまま投稿しました。


カチャカチャ、ターン


無事に投稿が完了したので、読み返しました。

まるで文通みたい、そんな風に思いました。


ウィリアムは、不思議な事が起きたかのように部屋の中を見回しています。

「カオリどこなんだ?また不思議な技術で僕を試しているのか?お願いだから君の美しい顔を見せてくれ、君の顔を見ないと僕はどうかしてしまいそうなんだ、レオナルド先生もアイシャさんもナターリアさんも心配しているんだぞ、返事をしてくれないと、僕がおかしくなりそうだよ、頼むから姿を現してくれ」

ウィリアムは叫ぶように言うと顔を覆ってその場にしゃがみ込んでしまいました。


そこで、小説は終わっていましたので、直ぐにウィリアムに返信をする事にしました。

カチャカチャ


私はウィリアムの心へ呼びかけます「私は日本にある自分の家に戻っています。自宅に置いてあるパソコンと言う機械のなかにある小説に書きこむとあなたへ伝わるようです。どうにかして、そっちに戻る方法を探しているので、あなたも子供たちをしっかりと見守ってくださいね、よろしくお願いします。愛してます。」

カチャカチャターン

私は書きこむとすぐに投稿をした後に、投稿された内容を読み返した。


ウィリアムは天井を見上げて「分かったよカオリ愛しているよ、ずっと待っているから、なるべく早く戻って来てくれ」そう答えると、寂し気に部屋を出て行きました。

なるべく早くあっちの世界に戻らないと、ウィリアムが寂しくなり過ぎたら離婚されちゃうかも知れない、急に結婚当初ウィリアムが愛情を感じられなくなったら直ぐに離婚するって言っていたのを思い出していました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
https://ncode.syosetu.com/n7281hz
こちらも、よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ