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レオナルド先生が不治の病

アイシャさんが出て行くと、レオナルド先生が小さくため息をつかれました。


今まで、ずっと笑顔でアイシャさんの話を聞いていたから、貴族の生活の事か何かで気分を悪くされたのかしら?

と思い、レオナルド先生を見ると、なんとなく顔が赤いです。


「先生、大丈夫ですか?」

私が聞くと


「えっ、いえ 大丈夫です、何でもありません」

と先生は少々お疲れなのか、なにか焦られています。


うーん、さてはアイシャさんかな?

そう思って、話を振ってみました。

「アイシャさん素敵ですよね」


レオナルド先生は顔をぱっと明るくして

「本当に素晴らしいお方です、美しく可愛らしく知的でいて、仕草の一つ一つが全て計算されたつくしたまるで人形のような気品あふれたお方ですね、女神さまと言えるでしょうか」

言い淀むことなく、スラスラとレオナルド先生の口から言葉が出てきましたよ。


「あ・・・いえ、あの・・・カオリさんが美しくないとかそういう訳じゃないですよ、女性の前で女性を褒めるのって気を使います」


レオナルド先生は慌てて言い繕っています

完全にアレですね。

ウィリアムも、レオナルド先生の様子がなんだか可笑しくって笑い出しました。


「それだけ素敵だと思えるなんて素晴らしいじゃないか、俺もカオリの事は世界一素敵で可愛らしいと思っているぞ」


「カオリさんは聖女様ですからね。」レオナルドが、笑顔で言います。


あ・・・また二人で私をからかおうとしてるかも知れない。

話をアイシャさんに振り直さないと


「女神さまに例えられるアイシャ様の方が素敵ですよ、それにほら、こちらは中身は平民です、アイシャ様は生まれからずっと貴族様ですから、本当だったら手の届かない所にいらっしゃる方ですわ」


レオナルド先生は嬉しさで一杯になったようで

「本当にアイシャさんは最高です、ああずっとアイシャさんを見ていたいです」


なんて事を話しているうちに

レオナルド先生は、一人でアイシャさんを称える歌を歌い始めました。


いやぁ レオナルド先生の歌声は素敵でした。

しかし・・・元の歌を知らないです、そう言えばこちらの世界の娯楽とか全然知らなかったりするなぁ

今度教えてもらおう


そんな事を思いながら、そういえば工場の方はどうなってるだろう、裁判が終わってからまだ工場の方に何も指示を出していない事に気が付いた。


「あの、そう言えば工場の方はどうしましょう、ここに居たら指示も出せないです」

私が言うと

ウィリアムが「私だけでも先に戻らせてもらうか」

と言います。


するとドアがノックされて、マルコム・ヴィヴィンティヨ様がいらっしゃいました。

「先ほどはエスコートすると言いながら、結局こちらへ来ることが出来ず申し訳ありませんでした。」

そう言うと、マルコム・ヴィヴィンティヨ様は、裁判の時の資料をテーブルの上に置きました。


「先ずは裁判の勝訴おめでとうございます、工場の方との連絡は私に伝えていただければ、必要に応じて早馬を出しますのでご安心ください。」


ウィリアムが言います。

「工員の中に今回の裁判の原因となった人物がいると思うので、全員を解雇して再雇用するか、それとも一人一人面接をして関わった人物を特定するか、考えているのですが」


マルコム・ヴィヴィンティヨ様は言います。

「実は既に特定いたしました。オリバーという名前で雇われていましたが、ウィンビー・コッコスという男とアリスの名前で雇われていたエマ・ビーンズの二人です、彼らは今警察の方で拘留しております」


なぜ、マルコムさんがそんな事をしてくださったのでしょうか、疑問に思い

「どうして、お調べくださったのでしょうか?」

と聞くと


「既に貴女様は、国王様と同じ身分でいらっしゃられます、よって貴女様に不利益をもたらそうとする人物は国に対して不利益をもたらそうとする人物と同様に扱われます」

マルコムさんは真顔でお答えくださいました。


「明日皆様にも参加していただく会議でお話いたしますが、これからはカオリ様の発言や行動、発案された物事は、全て国の意思と同格の扱いとなりますので、皆様の工場などは国がしっかりとサポートさせて頂きますし、貴族教育はウィリアム様とレオナルド様にも受けて頂きますのでよろしくお願いいたします」


ひぇ~私が王様と同格って、そう言う事なんだ。。。

えっ、とするとレオナルド先生も貴族の扱いになったら、もしかしてアイシャさんともお付き合いできるかも


そう思ったので、聞いてみました。

「あの、ウィリアムやレオナルド先生も貴族になるのでしょうか?」


「そうですね、お三方でかなりの功績をあげていらっしゃるので、準男爵あるいは男爵位では無いかと思いますが、貴族にはなると思います」


3人は顔を見合わせました。

「アイシャさんお付き合いしている人いるんですか?」と私が聞くと


マルコムさんは笑顔になって

「そう言ったお話は聞いておりませんね」と答えてくださいました。


レオナルド先生は、とても嬉しそうな顔をしていました。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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