王子様が・・・
すみません、投稿が遅くなってしまいました。
なんか、右手と右足が一緒に動いてしまう程に緊張しています
何度も、手足の振りを直しながら、歩いていたら、アイシャさんが吹き出しそうになっていました。
だって・・・本当に緊張してるんだもん、許してくださいませ
「カオリ様、そんなに緊張なさらないでください」 と アイシャさんが言います。
「でも・・・王様とお会いするんでしょ、私・・・その・・・マナーとか全然知らないんですよ」
私は、緊張をほぐそうと、歩きながら腕をストレッチしていて、その状態のまま返事をしました。
「そうですねぇ、ではそのうち、習う事になると思いますよ。」
アイシャさんが事も無げに言ってくれました。
「えっ、マナー習うんですか?っていう事は、これから先、偉い人達と何度も顔を合わすって事ですか?」
ひぇ~ 遠慮したいです。。。
かなりひきつった声だったと思うけど
これは、この先大変そうです。
「大丈夫です、私なんか3歳の頃から教育されていましたよ、カオリ様はお幾つか存じませんけれど、体で覚えさせられる子供よりも頭で覚えられるので、上達は早いはずですよ」
そんな会話をしながら、アイシャさんと一緒に、謁見の間にやってきました。
「カオリ様のご到着です」
アイシャさんが、声を掛けると、大きな扉が開きました。
「それでは、カオリ様ウィリアム様レオナルド様お進みください」
アイシャさんは、そう言われると、数歩後ろへ下がってしまいました。
ああ、旅立ちなのね。。。アイシャ教官ありがとうございました。
気を取り直して、3人で一緒に部屋に入ります。
うわぁ、って思わず声を出しちゃいそうな、荘厳な雰囲気に溢れたお部屋です
絨毯がふわっふわです。一歩歩くと、じわっと沈みます。
かなり乱暴に歩いても音なんか立たなそうです。
すごーい、高級ホテル以上だわぁ、心の中は、行った事も泊まった事も無い超高級ホテルのロビーです。
刺繡の一杯入った高そうな絨毯、そして綺麗な赤いカーテンは全ての壁に掛かっていて、
窓は締め切られています。
あのカーテン、生地も厚そうだし、きっとめちゃくちゃ高いんだろうなぁ
きっとここでの会話は外に漏れちゃ行けないんでしょう。
事前の案内通り、ウィリアムとレオナルド先生は、絨毯の色がわずかに変わるところで止まって、平民の礼をした後、左右に分かれて、膝を折ってしゃがみました。
私は、そのまま前へ進まされて、段の手前にまで来てしまいました。
映画館のスクリーンから後ろの席に向かって進んできたような感じかなぁ
うぉお、なんか凄い圧迫感を感じます。
両脇には10人、なんとなくふんぞり返った感じの男の人達が座ってる、多分偉い人達なんだろうなぁ、あ 裁判所に来た人 セカンドゥス・アレキサンダー・バボーンさんだったっけ
やっぱり偉い人だったんだ。
両脇にいる人たちからは暖かい目線の人半分、冷めた目の人半分って感じですが
結構凝視されています。
緊張が高まります。
そりゃ、さっきも説明されたけど、平民だったのにいきなり王様と同じ身分になっちゃったんだもんね。
どんな人なのかじっくりと見たいですよね、でも視線が痛いです。
私、そんな貴族向けの特別な教育受けて無いですから
私の緊張を分かってくださったのか、セカンドゥス・アレキサンダー・バボーンさんが
「良くいらっしゃいました、緊張なさらなくて大丈夫ですよ、リラックスして上にお進みください」と言ってくださいました。
なおも前に進んで、一段上がるんだけど、ちゃんと上がりやすいように階段が付いてた。
裾を踏まない様に、持ち上げてそろそろと段を上がります
階段を10段上がって、まずは1段目に上りました、
一段目・・・ん? んんん?
そこに座っているのは、あの・・・マムシヴェルズ伯爵? ん~伯爵より2割ほど美形補正掛かってる?
違う人だよねぇ。
まさかの伯爵が、王様のすぐ下にいる訳ないよね。。。
兄弟風の、微妙にマムシヴェルズ伯爵をイケメンに補正した感じの二人を見て
裁判で嫌な思いをした感情が湧き上がってしまいました。
絶対に違う人だよって
そう思うけど、内心冷や汗が出てきている。
じーっと見つめてしまったせいで、細身の方の男性に質問をされてしまった。
「なにかありましたか?」
心拍が一気に急上昇したのが分かる。 いや、気絶しそう
まさか、マムシヴェルズ伯爵かと思ったなんて、言ったら失礼すぎる
「いえ、どこかでお会いしたかなと思いまして」
どう? 切り抜けられたかしら?
「どうでしょうか、初めてお会いすると思いますよ
どうぞ、私の事はお気にせずに、上までお上がりください」
話が終わったので、ホッとしました。 心拍正常、血圧正常 頑張れ私
そうだよ、王様の下にいるんだし多分王子様たちだよ、
さぁ、上がりましょう。




