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ちょこっとだけ再会でした。

投稿が遅くなってすみませんでした。

私達の席の正面に、裁判官の席が有って、その左後ろにある扉が少しだけ開いていて、

小さく手を振っている旦那様がいました。

皆が気が付いているのに、私だけ気が付いてなかったから、ちょっと寂しそうな表情をしていました。


なんか、旦那様も良い服を着せてもらっています。

たぶん侯爵様が用意してくださったんだろうな、ありがとうございます。


まだ裁判始まっていないのに、既になんか勝利したって気分になってしまっています。

いやいやまだだからって、自分に突っ込みを入れていないと、顔がにやけていそうです。


旦那様は私が気が付いたので満足したのか、笑顔になった後はまた部屋に戻って扉は閉じてしまいました。

まぁ切り札って言われているんだし、伯爵達に気付かれてしまうと良くないかも知れないしね。


アルの隣に座っていた、ニコル・カイト・アンドウさんが

「ついに力を発揮されたとお聞きしましたよ」

と言って来ました。


私は、「えっと・・・あの・・・ なんていうか、治療魔法を行おうって思ってなかったのに、急に力が湧いて出てきたって言うか、その、自分の意志で治した訳じゃなかったんです」

と、素直に言いました。


直ぐにニコル・カイト・アンドウさんは、言いました。

「ははは、最初はそんなものだと思いますよ、 私達だって、子供の頃に突然力が使えて、驚いたってそんな感じですから、これから徐々に慣れていかれると良いと思います。日々練習なさってください」


レオナルド先生が「それにしても、凄かったです、既に事切れていたのは確認していたのに、まさか

その直後、元気に飛び跳ねる姿を見る事になるとは思いませんでした。医者いらずになってしまいますね」

と言いました。


「いえ、お医者様は居てくださらないと、みんなが困ります」


そんな会話をしていたら突然、見知らぬ男性とマルコム・ヴィヴィンティヨさんが私達の所へ来ました。

「カオリ様、お久しぶりです、凄い力を使われたと、王城の方まで報告が来ましたよ」


見知らぬ男性が続けて話をされました。

「初めまして、私は王の補佐をしております、セカンドゥス・アレキサンダー・バボーンと申します。

この裁判の後、是非王城へお越し頂きたいと存じます。

ドナルド・マルポンポン侯爵もよろしいでしょうか」

と言われました。

領主様は、一度私の顔を見て、仕方ないと言った表情で、首を縦に振られました。

そりゃ、王城への呼び出しを断るわけにはいかないですもんね。


セカンドゥス・アレキサンダー・バボーン氏は

「お忙しいところ恐縮ですがお待ちしております」

と言うと、マルコム・ヴィヴィンティヨ伯爵と一緒に、離れて行かれました。


領主様はヨッシー氏に「カオリ様の用意を」と一言だけ指示されて、ヨッシー氏も出て行かれました。


さっきの人、セカンドゥスって言ってたなぁ、日本でいう一郎・二郎・三郎的な、名前の二郎だから

プリムス(一郎)さんもいるのかな

この時頭の中に、恐ろしい物語が呼び起されました。


日本でラノベを毎日読んでいた頃

<<幼少期に聖女の能力を認められてから、牢屋に幽閉されて、何年も飲み水は泥水とか一日一食とか、お風呂にも入れて貰えなくて、毎日国の豊穣を祈らされて、奇跡の力が無くなったら、国境付近に棄てられるっていう設定の聖女物語>>を何話も読んだんだった。


いやはや、そう言う設定の聖女の話多かったよねぇ・・・

貴族出身の聖女を活躍させるために、平民出身の主人公は追放されたりするんだよね。

そのあと、素敵な旦那様に買われたり拾われたりして大活躍するんだけど・・・

っていうか、私は既に旦那様いるし


お城に連れて行かれたらどうなっちゃうんだろう。。。

まさか、幽閉されて、奇跡の力を国の為に使いなさいって・・・

お腹の子はどうなっちゃうんだろう・・・

ああ、またまたまだ起こってもいない未来に、不安と恐怖を抱いてしまいました。


でもね、ちらっと見てみると領主様も結構悩んでるっぽい表情なんですよ。

不安になりますよね。


って、私が不安そうな表情になっている事に気が付いたのか、

領主様が「あははははは、カオリさん不安にならなくて良いです。 私は侯爵という立場なので王様に呼ばれたら、やる事があったりするのです。 その事を考えていただけですから心配しないでください、カオリさんは平民なので、何も知らなくて当然ですし、その辺の事はお城の中で指示して貰えると思いますから何も心配いりませんよ。」

と笑顔で言ってくれた。

そっか、またまた心配性っていうか、良い事まで悪い事にしてしまう癖が出て来てしまったのかも

この世界に来て、素敵な人たちと出会って、私は前向きに変わったはず

だから、もう悪い事を考えるのはやめよう

そう決めて、小さくガッツポーズを決めたら


扉が開いて、傍聴席に人が戻り始めた時にヨッシーさんも戻ってきました。

さぁ、いよいよですね。


マムシヴェルズ伯爵の方を見ると、先ほどまで居たセカンドゥス氏に何か言われて顔を真っ赤にして怒っている様子でした。

そのままマムシヴェルズ伯爵を見る事も無くセカンドゥス・アレキサンダー・バボーン氏は部屋を出て行かれました。


何を言われたんだろう・・・

いよいよ、裁判・・・ですね。


毎日読んでくださって、本当にありがとうございます。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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