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伯爵の失態

 予想外の事が起きたせいで、ワンピースが血で汚れてしまったし化粧も崩れてしまったので、

メイドさんに促されて、領主様の馬車に乗せて貰い、裁判所まで向かいました。


 領主様は笑顔で、「素晴らしい能力をお持ちですな」と言ってその後はずっと笑顔で私を見ていました。

じっくりとみられると、思い切り恥ずかしいです。


 レオナルド先生が、信じられない物を見たと言う表情で、

「どうして、あの子供は脈が止まっていました、つまり・・・ 神の国へ旅立った筈だったのに

あの酷い怪我が、一瞬で治ってしまった、子供の方は服に染みた血すら消えてしまったのに、カオリさんの服には血が残っているのか、不思議な事ばかりです」

と言いました。


 確かに私にも何がどうなってるんだか、全然わかりません。


 裁判所に着くと、皆が降りてから馬車の中でドレスに着替えさせていただきました。

メイドさん準備周到すぎです。


 お腹大きいのに、良くサイズが有ったわぁと思いましたが、私が知らないだけで、ちゃんと用意しておいてくださっていたそうです。

侯爵家の皆様、本当に凄すぎです。


 時間ギリギリで、部屋に入り着座すると直ぐに、裁判官の人と、警官数人が入って来ました。

「そろそろ開廷の時間なのだが、その前に警察の方か確認しておきたい事があるそうだ」

と裁判官の人が言うと

「先ほど、ここから1キロ程離れた所で、馬車が子供を撥ねて、救護せずに立ち去ったと言う目撃情報が寄せられている」


マムシヴェルズ伯爵が大きな良く通る声で答えた

「公爵家の馬車の前に、平民の子供が飛び出したと聞いている、問題はなかろう」


 直ぐに警官が言い返す


「公爵家の馬車であろうが、無かろうが、事故を起こせば、救護義務が発生するし、届け出も行われていない」

「届け出は、御者が行うべきものだろう、実際に時間が無かったのだし、本日中に届ければ良いのではないか?」

「そのような勝手な解釈をされては、困りますな、御者と一緒に取り調べに来ていただきましょうか」

警官数人がマムシヴェルズ伯爵の周りに集まった。


「まて、これから裁判が行われるのだ、裁判が終わってからでも十分間に合う話だろう、それになぜ私が行かねばならないのだ」

マムシヴェルズ伯爵の顔が、怒りで赤くなっている。


「困ったものですなぁ、あなたの指示で馬車がけが人を置き去りにしたと言う目撃情報が集まっているのですぞ、さぁ警察署までご同行願えますかな」


「裁判長、この無礼な警官たちを制止してください、このままでは神聖な裁判所が・・・痛たたたた」

マムシヴェルズ伯爵の腕を警官が掴んだ


「マムシヴェルズ伯爵、裁判はもちろん大切ですが、貴族であっても事故を起こした時には救護義務が発生します。それは公爵様であっても同様ですが、伯爵が、それを知らない訳はあるまい、ましてや公爵の馬車に乗ってここへ向かっている時点で、公爵として当たり前に法律はご存知であるはずですがね」

裁判長はそう言うと、隣の警察官に言った。


「確かに裁判もあるので、 隣の控室で取り調べをして貰った良いでしょうか」


「それではそのようにしましょう」 警官は答えた


「1時間あれば良いでしょうか?」 裁判官は再び質問をした


「そうですね、公判中は逃げる事も出来ないでしょうから、もし時間が足りなければ裁判が終わってからじっくりと聞く事にします」 警官が答えると


「では・・・


 えー、それでは裁判の開始を1時間半ずらします

開廷は10時半から、一旦休憩にします」


そう言うと、裁判官は部屋から出て行ってしまった。

私達は、廊下のベンチに行くか悩みましたが、結局ここの席で1時間半待つことにしました。

アルが言いました「先日は、全くこちらは手も足も出せない状況でしたが、今日は何やら風向きが違いそうですね。 気を緩めずにしっかりと反論して行きましょう」


そう言うと皆で、最終確認を行った。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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