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続 ある伯爵のつぶやき

この二つだけでも、腰を抜かすほどの大成果なのにも関わらず、

なんと、この工場では、浄化槽、水洗便所、上水道を作っていると言う。


人間の糞便を、目に見えない生物に食べさせて、綺麗な水を作ろうと言う発想は、一体どこから出てきたのか

、そんな発想を出来る人物は一体どんな人物なのか一度じっくりと話をして見たいものだと思った。


もう少し調査を続けてもらうと、なんとこの工場で生産される製品の発想は全て、この工場のある集落に住んでいる平民の女が考えたものだと言うのだ。


”平民・女” この二つの単語を聞いて、私は勝ったと思った。

そう、私は子供の頃から、欲しいと思ったものは必ず手に入れてきた、公爵家嫡男なのだ


直ぐに学生時代からの友人で現在は弁護活動をしているドデーモ・スティール男爵に連絡を入れて、伯爵家ではなく、街中の喫茶店で待ち合わせをした。

受け取った資料を見ながら、ドデーモ・スティールと話をしていると、これ特許を取って自分の物にしてしまおうと提案された。


特許は先に取ったもの勝ち、特に相手は平民なので、特許を盾に工場で生産されるものを手に入れる事が出来ると言う。

運が向いてきたと感じた。

特に浄化槽とやらは、既に疫病の減少という成果を上げているものだ、

王家の一員の自分が、浄化槽の権利を持つとなれば、公爵どころか、王族の中でも地位が上がる事だろう。


早速特許の取得の為に、資料を基に特許の申請を行った。

特許局の職員たちにはもちろんの事、その家族たちにも贈り物を渡して迅速に特許の取得に動いて貰った。


職員たちは大層喜んで仕事をしてくれた。

そして異例の速さで特許を取得する事が出来た。

やはり力と言う物は使うべきところで、有効に使う事が大切だ。

これこそが化学反応なのだ、


バラ色の未来が見えてきた、そしてもうすぐあの工場を完全に我が手中に収める事が出来るのだ。

笑いが止まらない。


明日はいよいよ、裁判の日だ

まるで、遠足前の子供のような清々しい気分でいられる

資料を集めてくれた友人たちを集めて、パーティーを開いた。


長年引きこもって、研究ばかりしていた私が、突然パーティーを開いたものだから、公爵家の使用人たちも非常に驚いていたし

父上も、一体どういう心境の変化なのか、わざわざ手紙を送って来られた。


わざわざ伯爵家のタウンハウスではなく、公爵家の別邸でパーティーを開いたのは、もちろん

これから公爵家の発展を、皆に印象付けるための物


私が、いつまでも伯爵を名乗るのではなく、新たな時代の公爵となる事をね。

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この小説に登場する侍女アイシャの物語を掲載しています。 バールトン侯爵家は今日も楽しく暮らしています。
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