第三話 クレクレしたいならすれば良い
自分の読みたいものを書けばいい、そう言われて永太は再び筆を取った。
そして翌日、再び図書室に足を向ける永太。
その表情は暗く、硬かった……。
どうぞお楽しみください。
「……よぉ」
「やぁ山梨君。昨日は更新ありがとう」
「……おう」
流石に教室に行くのはどうかと思い、放課後図書室に行ったら、昨日と同じように遠藤はそこにいた。
「話が書けそうとは言っていたけど、まさかその日のうちに更新してくれるとは思わなかった。嬉しいよ」
「いや、あのさ……」
「ウッドビーズに気を通して操る『種森樹』は、話の中ではああ動くんだな。設定で凛の相棒と知ってはいたが、実際に読むとまた印象が変わる」
「お、おう、まぁそれは良いんだけどよ……」
ちゃんと読んでくれてたのか……。
ちゃんと感想も持ってくれていた……。
なら、何で……。
「何で感想くれなかったんだ……?」
「え? ……あぁすまない。山梨君はそういうものにこだわっていないと聞いていたので、読んで満足して終わってしまった」
「あ、いや、うん、こだわってはいないけど、その、何でかなって思っただけで……」
「しかし感想欄に『久しぶりの更新ありがとう』や『設定とはこう違うのだな』と書こうものなら、『身内コメントサムい』と山梨君が叩かれるのではと思ってな」
「うぐ、確かに……」
ただでさえ評価も感想もない作品だ。
嘲笑に晒されるのは目に見えてる……。
「他に書く事がなかったのもあった。すまない」
「……もういい」
追い討ちが痛い。
「しかし感想が欲しいなら、他の書き手のように『評価ください』とか『感想ください』と後書きに書けばいいだろう」
「いや、クレクレは、その、色々あるからな……」
「まぁ確かにそれが元で煽り合いのような事になってる作品もあったな」
そう。
感想や評価を露骨に求める作家をよく思わない層は一定数いる。
俺は別に人がそうしているのは構わないが、自分がするのは何だか『感想や評価をすごく気にしています』と公言しているようで恥ずかしい。
いや、気にはしてるんだけど。
堂々と言える人はすごいと思う。
「だが評価や感想がモチベーションになる書き手もいるのだろうから、クレクレしたいならすれば良い、と私は思う」
「……確かにそういう考え方もあるよな」
あまりにも評価や感想が少なくて、「作家ぁしようぜ!』を退会しようかと思っていたんだから、それくらいしてもいいのかも……!
「ただ、欲しいと表明してももらえなかったら相当辛いと思うから、良し悪しとは思うけどな」
「……あぁ、うん、そうだな……」
……やめておこう。
それでも評価や感想がもらえず、挙句煽られでもしたら、人生すら退会したくなりそうだ……。
読了ありがとうございます。
この作品はフィクションです。
実際の作者の主義・思想・執筆スタイルとは関係ありません。
これでよし。
クレクレをしなければ、
(『感想ほしい』と書いていないから、皆は遠慮して書いてないだけ……!)
と言い聞かせる事もできますね。知らんけど。
次話もよろしくお願いいたします。