第十三話 力を入れた部分に反応が薄いのはよくある事らしい
いよいよ『身喰いの刃』が佳境に入る永太。
渾身の回に感想への期待は高まるが……?
どうぞお楽しみください。
『……おい、おい……。俺様の声が聞こえるか……?』
「っ!? 悪霊か!? この屋敷に乗り込んでくるとは……!」
魔牙月を掴んで構える凛に、声は揶揄うように続ける。
『違う違う。俺様はお前の手の中さ』
「……魔牙月から、声……?」
凛は信じられないものを見る目で、魔牙月を見つめる。
『……ようやく繋がったか……。波長を合わせるのも一苦労だぜ……』
「何だお前は。悪霊か?」
『……俺様はこの刀に封じられた魂だ……。生前は凶稀刃と名乗っていた……』
「凶、稀刃……」
凛は魔牙月の適合者に選ばれた時、霊力を喰らう刀だとしか聞いていなかった。魂が封じられている話も、凶稀刃という名前も初耳だ。
『……その様子を見ると、俺様の事は聞かされてねぇんだな。なら『全の気』を持つ巫女の末路も知らされてねぇな……?』
「末路、だと……? 何の話だ」
稀刃を名乗る声を不審に思いつつも、空の末路と言われた凛は聞き返さざるを得なかった。
『……人身御供だよ……』
「……何だと……!」
『……『全の気』を持つ巫女は、浄化の力に目覚めたら、富士の中心に続く洞窟に封じられる……。そこで集まる陰の気を浄化し続ける事で、国中の悪霊の力を削ぐのさ……』
凛は稀刃の言葉に首を振った。
「……そんな事、百年に一度と言われる巫女にさせる訳がない。出鱈目を言うな」
『……四百年の昔、乱世が終わり徳川の世になる際にも、戦で国に満ちていた陰の気を祓うべく、巫女が一人人身御供になったぜ……』
「!」
『……信じる信じねぇは任せるさ……。だが今の巫女を守りたければ、俺に大量の霊力を与えて解放しろ……』
「……それで空が救えると?」
『……あぁ……。この刀の真の姿である底無き深淵『虚』を解放すればな……』
いよいよ佳境だ。
これで色々な謎が明らかになる。
そして凛の決断……。
俺の書きたいものの集大成……!
遠藤はこの設定を知っているから特に驚いたりはなかったけど、大きな矛盾はないと言われただけで十分だ!
さぁ投稿だ!
「山梨君、また浮かない顔をしているな」
「あ、う、うーん、まぁ、な……」
「昨日更新の話への感想が待ち遠しいのか?」
ぐっ、何故それを……!
……何回も携帯チェックしてたら誰でもわかるか……。
「ターニングポイントだから、反応が気になるのはわかる。だがその反応で先の展開を変えるつもりでないなら、気にしても仕方ないのではないか?」
「う、確かに……」
でも気になるもんは気になるんだよぉ!
力を入れて書いたところだから、反応がほしい……!
「ネット作家の話を読むと、力を入れた部分に反応が薄いのはよくある事らしい」
「そ、そうなのか?」
「気合が入りすぎて、内容が濃すぎたり」
うぐ。
「ようやく明かせる嬉しさのあまり、設定を語りすぎたり」
ぐは。
「次の話への引きが強すぎて、次を読むまでコメントしづらくなったりするそうだ」
「全部当てはまってんじゃん! 教えてくれよ!」
「教えたら山梨君の事だ。悩んで投稿できなくなるのではないかと思ってな」
「むぐ……」
……その通りすぎて何も言えない……。
「感想がないからといって、読まれていない訳ではないと思うよ。以前の騎士好きの人も、巌と焔の感想を一緒に送ったりしていただろう」
「あ、そういえば……」
「私がここで読んだ感想を話すから、自分が投稿したら即読んでくれていると思ってしまったのかな」
「う……。確かに、読んだなら感想くれよ、とか思ってた……。まだ読んでないかもしれないよな……」
「そうだ。それに感想は嬉しいものだろうし、書く力になるのも分かるが、それなしでは落ち着かないというのも問題だろう。あくまでラッキーくらいに思っておかないと」
「……そうだな」
あの三連続感想で、知らず知らずに『もらえるもの』だと思っていたんだろうな。
もらえたらラッキー、そう考えよう。
「どうしても感想が欲しいなら、続きをどんどん書くといい。展開がひと段落した時に感想を書く、という人もいるだろうからな」
「わかった! 続きを書いてくる!」
「楽しみにしている」
図書室を出て家に向かいながら、ふと思う。
遠藤の言葉は俺の欲しい感想とは違うけど、やっぱり小説を書く力になっているんだな。
後もう少しで完結。
そうしたら……。
読了ありがとうございます。
フィクションだもん!
本当だもん!
嘘じゃないもん!
ト◯ロ見たもん!
これでよし。
凶稀刃……。
バツ三つです!
しかし『凶』てどんな家系やねん。
感想欄に\( 'ω')/ミタゼ!ボタン的なものはありな気がする今日この頃。
(*´ω`*)エェヨエェヨ
(*^▽^*)アマーイ!
∑(゜Д゜)マサカノテンカイ!
(*°∀°)=3アツイゼ!
_:(´ཀ`」 ∠):クチカラサトウガ……
>* ))))><サカナ!
サカナ……?
次話もよろしくお願いいたします。