黄昏時
風呂で思い付いたものを勢いで書きました。黄昏って良いですよね。
20○○年○月1日月曜日
僕は1人で本を読んでいた。
この教室に本を読んでいる人は数人。後は友達と話しているグループがいくつか。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月2日火曜日
今日は1人欠席らしい。家に電話しても繋がらないらしく、先生から何か知っていたら教えてくれと言われた。
何も知らないから1人で本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月3日水曜日
今日は3人欠席らしい。全員家に電話が繋がらないらしく、先生が少し焦っていた。
昨日と同じで誰も知らないらしい。
本を読む人が1人減ったような気がする。
それでも僕は1人で本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月4日木曜日
今日は6人欠席らしい。全員家に繋がらないらしく、先生が焦っていた。
誰も知らないらしい。先生は1人で色々頑張っていた。
僕はいつも通り本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月5日金曜日
今日は10人欠席らしい。やっぱり全員家に繋がらないらしく、先生から下校中は気を付けるよう言われた。
日を追う事に空き席が多くなっていく事に不思議と恐怖は感じなかった。
僕はいつも通り本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月8日月曜日
今日は15人欠席らしい。その上先生も何人か連絡が取れないらしい。
僕らの先生は無理をしているのか青白い顔で下校中は気を付けるよう言った。
僕は今日、新しい本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月9日火曜日
今日は21日欠席らしい。さらに先生も後数人しか残っていない。
僕らの先生も連絡が取れないらしく、他のクラスの先生が忙しそうにしながら授業をした。
いつの間にか本を読んでいるのは僕以外に居なくなっていた。
友達と話し合っているグループは1つになっていた。
僕はいつも通り本を読もうとすると、グループに誘われた。
せっかくなので入れてもらった。どうやら彼らは元々ひとつのグループではなく、謎の欠席で少なくなったグループの寄せ集めらしい。
皆趣味も違うのに楽しそうに笑っていた。
僕も少し頬が緩んだ。
チャイムがなると、すぐには帰らずグループで話しながらゆっくり帰った。
僕は話慣れていなくて喋るのが遅かったが、彼らはしっかり待って聞いてくれた。
とても優しい人達だと思った。
家は皆同じ方向なのかと思ったが、話している内にいつの間にか1人で帰宅していた。
20○○年○月10日水曜日
今日は28日欠席らしい。先生も誰も居らず、この学校には僕しか居ない。
僕はいつも通り本を読んでいる。昨日の楽しい会話を思い出しながら。
そう言えば昨日は何を話したっけ。そもそも僕はどんな本を読んでいたっけ。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
20○○年○月11日木曜日
今日も誰も居ない。なぜ僕は学校に来ているのだろう。
本を読むだけなら家でもできる。
あぁ、期待しているんだ、僕は。彼らがどんな人かよく知らないけど、彼らとまた話したくて戻ってくるのを待っているんだ。
僕はいつも通り本を読んでいる。
チャイムがなると、僕はすぐに帰宅した。
今日、初めて夕暮れ時がいい景色だと思った。
20○○年○月○日○曜日
目が覚めると、僕の家ではなかった。
僕は病院のベッドで寝かされているようで、口に酸素マスクが付けられていて、体には沢山のチューブみたいなものが繋がっていた。
ベッドの近くで一人の女性が座っていたが、僕が起きたことに気付くと驚いた顔をして泣きだした。
窓からは夕暮れ時の黄金色の光が差し込んで僕の顔を照らした。
泣いている彼女に僕は尋ねる。
「あなたは誰ですか?」
黄昏(時)・・・夕暮れ時は「黄昏時」これは夕焼けで薄暗い中、景色が黄金色に輝く時間帯を示す言葉です。この黄昏時の語源は誰ぞ彼❨たれぞかれ❩。黄昏時日が暮れて薄暗くなり相手の顔の見分けがつきにくく「あなたは誰ですか?」と問いかける時間帯ということで「たそがれ」になったのだと言われています。
*Google大先生より
読んで頂きありがとうございます!黄昏がカッコイイと思う方は是非評価をお願いします!!