ありうべかりき世界
誠が差し出した、紙の束を見るとそこには、日本史Bと書かれていた。
竜「なんだよこれ?」
誠「これは予言書だ。これには日本の過去から未来のことがすべて書かれてるんだ。」
インチキな商人が言いそうな謳い文句である。石でも切れる剣とか弁慶が使っていた薙刀とか。元寇のあとはそのような武具に関するイカサマ商品を売る行商人が増えて困っている。これもすべて元寇のせいである。元寇で箱根以西の土地を失いそこに所領を有していた御家人は困窮し、先祖代々伝わる古びた武具を売り歩く行商人になり果ててしまった。だが、根が商人ではないため考えられるキャッチュコピーはその程度である。
どうせ、誠もそのような商人から騙されてかわされたくだらない本だと思った。
しかし、偽物にしてはその本はあまりにもこりすぎていた。まず、表紙の文字が見たこともない綺麗なものであった。しかも、やたらと人間味のない文字である。それに加え紙もかなり上等なものとひと目でわかった。表面に凹凸がなくかなり丈夫そうであった。
竜「日本史?なら、過去のことしか乗ってないんだろ?」
誠「違うんだよ。この本は未来に書かれたものなんだよ。つまり、これから起こることも書いてあるんだよ!」
竜れており、体は右に傾いていた。立っているのがやっとという状態である。
謎「よくも。」
そういって、男は誠に切りかかった。誠はその刀をかろうじて、受けたが手に力が入らない。誠の刀はそのまま弾き飛ばされた。無防備となった誠を男は袈裟切りにした。誠はそのまま後ろに倒れた。
澪「誠!」
澪が叫び、目から涙があふれていた。だが、誠は反応しない。
謎「これで終わりだ。」