トラックには神様が付いてる
ちゃんと続けられるように頑張ります。もう一個の連載は追々仕上げます……。
疲れた……毎日毎日、会社と家を往復するだけの毎日。
おかしい……ゲームを作るという夢もある程度叶えたはずなのになんでこんなにしんどいんだ?もっと夢のある仕事だと思っていた。小さいころに夢見ていた世界は私には泳ぎ切ることのできない大海原だったのか。自分ではわからないが、思い描いていたキラキラしている世界ではなかった。
楽しいことも嬉しいこともはあった。でもしんどかった。
テレビで取り上げられるようなブラック企業ではなかった。土日祝休みだし、残業だって月平均30時間程度。通勤時間は多少長かったが、きっと親に言ったら「社会人を舐めるな」などと言われてしまうかもしれない。
でもしんどいものはしんどいのだ。大好きなアニメも漫画も心に染み渡らない。前は毎日描いていたイラストも描かなくなってしまった。友達がSNSで泣いた!と叫んでいるのを横目にまぁ良かったよね、くらいの気持ちにしかなれない。夜にオフ会をやっている友人を認識しながら自分は会社で仕事して、満員電車に潰されて、心も一緒にくたびれてしまったようだ。
でも死ぬ気までいかないあたり心は死んでいないし、常識を弁えているとでも言えば良いのか。
本当に気の迷いだったのだ。全然、いつもは死ぬ気なんでなかったのだ。ただ、うっかり夜中にやっていた転生して人生がハッピーになる小説原作のアニメを見ていたのがいけなかったのか、その日の仕事で珍しくやらかして静かに怒られたことで精神的に落ち込んでいたのか、新しく入った後輩がめちゃくちゃ仕事出来る人で才能の差を感じてしまったせいなのか、一回OKが出たイラストが後から時間差でリテイクを食らって休日出勤が決まったせいなのか。
何故なのか、本当に自分でも理解できないのだが「私も転生すればハッピーライフを送れるのでは?」なんて考えが浮かんでしまったのだ。
そして帰り道で目の前にトラックが走ってきたのが私の人生の分かれ目だった。