第3話 自宅
<ピンポーン>
「(来た!!)ハーイ」
「お、おじゃまします」
先輩の声は裏返っていた。これはからかいがいが、ありそうだ。わたしは悪戯を思いつく。
「おかえりなさい、先輩。ご飯にしますか?。お風呂にしますか?。そ・れ・と・も……」
「おまえなっ。ここでそんな冗談はしゃれにならないって」
予想通りの反応だった。まさに、計画通り。
「もう、慌てすぎですよ。本当にヘタレだな~。お約束の冗談じゃないですかー、やだーなに考えてるんですか」
先輩は顔を真っ赤にしている。そこが、とてもかわいい。
今日は待ちに待ったクリスマス!。わたしは先輩との初クリスマスのために、一生懸命に準備をしていた。
「じゃあ、そこでお茶でも飲んでいてくださいね、先輩。今、料理を温めてきますから!」
「いや、なんか手伝うよ」
「そうですか、ならサラダの準備でもしてもらおうかな?」
ふたりで台所に立つ。わたしはビーフシチューを温めなおし、先輩にはレタスをちぎってもらうように頼んだ。わたしは、ルンルンで鍋を温める。先輩は、レタスを無心でちぎっていた。
「先輩、こうしているとなんだか……」
「ああ……」
先輩は生返事でごまかそうとする。でも、そうはいかない。
「新婚さんみたいですね」
わたしはまた悪戯をしてしまった。先輩の顔が、トマトのように赤くなる。
「……」
「あっ、赤くなった。トマトみたいでかわいいですよ」
「おまえな」
「さて、そろそろご飯にしましょうね、先輩」
わたしは先輩の抗議を無視して、シチューを盛りつけた。
楽しいクリスマスが始まる。




