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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第14章、謎のモンスター
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一斉攻撃

癒子が言うには、あの鱗攻撃で俺は毒になっているようだ。

痛みは・・・まぁ、鱗が当ったからあるんだけど、それ位の痛みしか感じない。

だから、体が怠いとか言う自覚症状は全くないんだよな。

でも、癒子が言うんだから、きっと今は危ない状態なんだろう。

攻勢に出るタイミングを計り辛い、なんせ、もうあいつの場所はあいつの目でしか分からないからな。

しかし、周囲から見たら、今、この周辺はどんな風に見えているんだろうな。


「あなた達! さっきすごい勢いで鱗が飛んできたんだけど! 大丈夫!?」

「りえるさん! まぁ、大丈夫じゃ無いですけど大丈夫です! あと、外からどう見えてます!?」

「あなた達の姿はもう見えないわ!」


そうか、もう外からは俺達を認識することは出来ないのか。

それ位、今のこの霧は濃くなっているのか、まぁ、考えてみたら当たり前だよな。

と言うか、あの時の鱗はやっぱり霧の外から出たのか、いや、当然か、あの勢いだし。


「とにかく、速攻で何とかしないとヤバいな、お前らは動けるか!?」

「俺は大丈夫だ」

「私もお腹に刺さった鱗は取ったし」

「わ・・・私も少しだけ落ち着いた・・・」

「全然大丈夫! 怪我してないし!」


流石はホムンクルス、かなりの回復速度だ。

回復魔法とかやってないのにすぐに回復するのか。

でも、まぁ、これで一気に攻勢を掛けることは出来るだろう。

と言うか、もう、一気に攻勢を掛けるしか手が無い!


「じゃあ、一気に行くぞ!」

「「「「おー!」」」」


4人がどこにいるかは分からないが、どう動くかは分かる。

目的は同じ、あの紅いモンスターだ!

目しか見えないが、それだけで、どこにいるかは分かる!


「ぐがらぁ!」


俺がある程度そいつに近寄ったとき、あいつの鱗は変な風に動いていた。

あと少し行動が遅かったらもう一回鱗が飛んできたのか!


「この! させるかぁ!{カマイタチ}」

「がぐあ!」


何とかカマイタチの射程に入り、俺は紅いモンスターの足を切り裂いた。

その攻撃を受け、紅いモンスターは後方に倒れていった。

これで仮に鱗を発射しても周辺に大きな被害は出ないだろう!


「何か転けたぞ!」

「何でもいいや! 転けたんならチャンス!」


そんな声が聞えると同時に、紅いモンスターの方から重い物が高い所から落ちたような

大きく、鈍い音が聞えてきた、さっきの会話から考えて、亮と水尾が追撃を仕掛けたんだろう。


「うわぁ! 何か振ってきた!」

「と、とにかく攻撃しよう!」

「分かった!」


そして、更に紅いモンスターの方から大きな音が聞えた。

多分、下の方に誰かがいて、その誰かが2人の攻撃に合わせて攻撃をしたんだろう。

だとしたら、真野と美香か、あいつら、素早く2人に合わせたのかよ。

いや、あの会話から考えて、偶然下に入ったときに紅いモンスターが振ってきたのか。

運が良いのか悪いのか分からない連係プレーだったな。


「があぁ!」


それにしても、何か影が濃くなってきたな・・・

い、いや! これは俺の方に紅いモンスターが倒れてきてる!


「なぁ!?」


そうか! 俺のカマイタチで後方に倒れそうになったところに水尾、亮が攻撃して叩き付ける。

そして、その下にいた真野と美香が思いっきり殴りあげる。

そうなったら、その2人の攻撃力に押されて、こっち側に倒れてくるのか!


「こうなったら! 俺も何かするか!{稲妻斬り}{ホーリースタンプ}」

「ぐがぁ!」


俺は倒れてきた紅いモンスターに向って2回連続でスキルを叩き込んだ。

その効果も相当あり、紅いドラゴンは何とか横の方にぶっ倒れてくれた。


「あ、危なかった・・・」


少しの間警戒しながら待ってみたが、紅いモンスターは動く気配が無かった。


「もう、倒したか?」

「みたいだね」

「お、美香、真野、ここに来たのか」

「うん、近かったし、あと、亮と水尾は一緒だと思うよ」

「あぁ、それは・・・うぅ・・・」


戦いが終わって、少しすると、俺はいきなり調子が悪くなり始めた。

周囲は眩み、ギリギリ見える2人の顔もかなり歪んで見える・・・

も、もしかして・・・毒か・・・やっぱり癒子が言っていたとおりだな・・・

やっぱ、毒を食らっていたのか、でも、まぁ、こうなったのが倒した後で良かった。


「どうしたの!?」

「いや、ど、毒を・・・」

「毒? 何で?」

「鱗にあったらしい・・・お、お前らは大丈夫・・・なのか?」

「私達は全く大丈夫だよ」

「そもそも私は当ってないよ」

「真野は相当食らってたのに大丈夫なのか・・・くぅ」

「おぉ!」


俺は1人で経つことが出来なくなり、近くに居た美香の方に倒れた。

美香は倒れてきた俺を掴み、大丈夫? と、何度も聞いてきた。

そんな時、深く、視界が悪い霧の中で、大きな影が立ち上がる姿が見えた。


「ま、まさか・・・まだ!?」

「え!? 嘘・・・また立ち上がった!?」

「グ・・・グガラァ!」


そして、立ち上がった紅いモンスターの鱗は非常に妙な動きを始めた。

飛ばす前の予備動作では無い、全部の鱗が全部バラバラに動いている。

鱗を飛ばすときはあまり見ていないが、射出する鱗は同じ様に動いていたはず。

しかし、このギリギリで見える鱗の動きは、全部バラバラに動いている。

何というか、本当に気持ちの悪い動きだ。


「嫌な予感がする・・・私の堪がそう言ってる!」

「お、俺もだ・・・絶対にヤバい・・・」

「とにかく! 霧から逃げないと!」


そして、俺達は必死に霧から逃げ出す為に走り始めた。

しかし、俺は猛毒を食らって動けない、普通なら置いていくだろうが

美香と真野は俺に肩を貸してくれて、一緒に逃げだした。

そして、何とか霧から逃げ出すことに成功した。


「お、追いかけてこない?」

「修介君! どうしたの!?」


俺を心配して、りえるさん達が駆け寄ってきた・・・それとほぼ同時だった。

後方からとんでもなく大きな音が聞えて、俺達は吹き飛ばされた。


「うわぁ!」

「うぐぅ・・・」

「な・・・何!?」

「霧が・・・ば、爆発した!?」


俺達がさっきまで居た霧が盛大に爆発した、あの霧は爆発するなんて・・・

そして、その爆発の後、その範囲内の地面は真っ黒に焦げていた。

それにしても、器用な爆発だな、あれほどの勢いだったのに

霧の近くに居た俺達は無傷、後ろの城だって全くダメージを受けていないし。

あの中にいれば即死だろうが、外に出れば問題は無いって事か。


「はぁ、はぁ、ちぃ・・・」


しかし・・・そろそろ本格的にヤバくなってきた・・・し、視界が歪む、周囲が霞む。

さっきまで霧の中にいたから分かりにくかったが、ここまで視界が霞んでいたとは・・・

さ、流石に意識を保つのもキツくなってきたかも・・・時間差の毒ってのは、かなりキツいもんだな。

うぅ、周りが俺の方を見て、何か言ってるけど・・・あ・・・あれ? 誰が誰だったっけ・・・

ちくしょう、視界が歪みすぎて、わ、分からないな・・・

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