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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第14章、謎のモンスター
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孤軍奮闘

周囲の視界が悪くなってきている、かといって俺は逃げることが出来ない。

あいつの狙いは俺だ、俺が逃げれば、このガスの被害が拡大する。

何か、こいつには今、不特定多数の人質を取られている気分だ。


「ぐがあぁ」

「ちぃ!」


色々と考え事をしていても、容赦なく攻撃が飛んでくる。

少しずつ視界が悪くなってきているこの状況でこいつの攻撃を避け続けるのは厳しい!

状況がかなり悪い・・・攻撃の軌道が読めないのは防御、回避どっちでも厳しい!


「ぐがらぁ!」

「今度は尻尾!」


だが、まだギリギリだが見える、出来ればこの状態で何とかしたい。

状況がこれ以上悪くなる前に、速攻を仕掛けないと!


「行くぞ!」


俺は尻尾の攻撃を回避し、一気に深紅のモンスターに接近していった。

この状況で攻撃を仕掛けるのは無謀とも言えるが、やらないと状況は悪化する一方だ。


「がぐらぁ!」

「ちぃ!」


深紅のモンスターは俺の接近を止めるためか、足で攻撃を仕掛けてきた。

しかし、まだ視界が完全に塞がれたわけじゃないこの状況だ

この攻撃は見え、俺はその攻撃を回避した、そして、素早くもう片方の足に近寄った。


「おらぁ!{焔斬り}」

「がぐらぁ!」


片方の足だけで立っている状態で、その足を斬られたんだ。

深紅のモンスターは当然ながら地面にぶっ倒れた。

このまま追い打ちを仕掛ければ仕留めれるか!?


「おらぁ!」


俺は素早くむき直し、その深紅のモンスターに攻撃を仕掛けようとしたとき、少し嫌な予感がした。

と言うのも、少しだけ見えているこいつの鱗が変な動きをした。

鱗がこんな風に動くモンスターを、俺は少し前に見た!


「くそ!」


俺は直感的に後方に下がった、そうしないとヤバいとそう感じた。

すると、変な動きをした鱗が俺が接近しようとした場所に向って飛んできた。

それも、2方向からだ、足から行って攻撃しようとしたからな、両足からの鱗だ。

もしも、あのまま突っ込んでいたら・・・間違いなく蜂の巣にされていたな。

それにしても、あの鱗はちゃんと自分の足には当らないように飛ばしたんだな。

あのまま接近した場合、俺は足にあの鱗をもろに受けてたって訳か。

そうなると、ずっこけて、その後の追い打ちでお陀仏って感じだったのか。

どちらにせよ、危ない危ない。


「ぐるがぁ!」


そして、深紅のモンスターはゆっくりと立ち上がった。

まだ、そこまでダメージを与えていないし、当然か。


「がぁ!」


深紅のモンスターが再び俺の方に狙いを定めて、攻撃を仕掛けてきた。


「うりゃぁ!」

「が!?」


しかし、俺に攻撃を仕掛けてくる前に、横から走ってきた真野がそいつを蹴った。

そして、深紅のモンスターは少しだけふらつき、俺への攻撃が逸れた。


「ふぅ、危なかったね!」

「そうだな、助かった」

「それと、他の子達も呼んできたよ、私達ホムンクルスにはこの毒は効かないようだから」

「よし、こいつを倒せば良いんだな! やってやるぜ!」

「あまり派手に動かない方が良いよ、何か強そうだし」

「ダイアちゃんがいない私が活躍できるのかな・・・」


1人だけもの凄く弱気な奴が居るが、援軍は嬉しいな。

しかし、全員接近型か、そこは少し難しいところか。

まぁ、1人で戦うよりは何倍も楽だがな。


「ぐがらぁ!」

「尻尾だ!」


深紅のモンスターはこいつらが来ると、すぐに尻尾で攻撃を仕掛けてきた。

しかし、亮が叫んでくれなかったら、俺はこの攻撃を回避できなかっただろう・・・

さっきから、周囲の視界が最悪だ、光っているあいつの目が見える程度しか分からない。


「ちぃ、視界が悪すぎる・・・」

「そうだよね、だから私達も少しだけ迷ったんだ」

「あいつの目で場所が分かったけど・・・もう、目くらいしか見えないよ・・・」

「状況・・・悪すぎだろう・・・」


そんななか、いきなりあの深紅のモンスターの目が見えなくなった。

後ろを向いた? それとも、目を瞑ったのか? だが、それだとあいつも俺達を見つけれないはず・・・

そして、少しだけ見えたあいつの足で何が起るかが想像できた。


「ヤバい! 下がれ!」

「な、何か分からないけど、下がる!」

「ぐがらぁ!」


再び目が見えた時、それはあいつが鱗を周囲にまき散らしたときだ!

こんな視野が狭い場所であんな攻撃されたら・・・!

次の瞬間、俺の目の前に大きな鱗が見えた・・・これは・・・ヤバい!

俺はギリギリでその攻撃を回避することが出来た。

あ、危なかった、あと少し反応が遅れていたら、俺はあの鱗に当っていた・・・

とにかく、今は盾を前に構えて、当る可能性を下げないと!


「ぐ・・・ぐぅ!」


盾を構え、その鱗を何発か弾いた、しかし、足や肩などの盾で覆いきれない場所は当った。

何か、ドラゴン戦でもこんな事になったな・・・だが、あん時の方が密度もあったし

そっちの方が厳しい、今は、あのモンスターが周囲に鱗を飛ばしているから、俺に飛んでくる

鱗は結構隙間がある、だから、当る間隔もかなりある。

そして、少しして、その鱗が止まった。


「はぁ、はぁ、と、止まった・・・そうだ! お前ら! 無事か!?」

「ぐぅ・・・うい、痛い・・・」

「お、俺は大丈夫だ、何発か腕に当っただけだ・・・つぅ・・・」

「わ、私も大丈夫だよ、お腹に1個だけ当っただけだよ」

「私の方には何も飛んでこなかった、私は運が良いのかも!」


真野は何発か食らってるようだな、亮は腕だけ、水尾は普通に致命傷だが、あの口振りから大丈夫そうだ

で、美香は無事か・・・こんな視界が狭い場所だと皆の安否も分からない。


「しゅ、修介、大変だよ!」

「な、何だ?」


癒子がかなり焦った口調でそう言った。


「修介、早く治療しないと!」

「ど、どういう事だ?」

「修介、鱗が当って、毒になった、猛毒、危ない!」

「毒? 全然そんな気はしないが・・・」

「まだ動けるなら、すぐに倒さないと・・・危ない!」


な、何だか良く分からないが、とりあえず、速攻であのモンスターを仕留めないとヤバいのは分かった。

こう言うときは癒子の言葉に従う方が良いだろうしな。

視界が悪かろうが、あいつの目を頼りに、ぶっ潰してやる!

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