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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第14章、謎のモンスター
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深紅のモンスター

自分の鱗を全部ぶっ飛ばして、自分の本当の姿を現しやがったな。

あんな真っ赤な鱗、何もないのが理想的だが、そんなわけ無いよな。

絶対にあの鱗には何かがある、それは明白に分かる。

あんなたいそうな姿を見せて、その実、大した力が無い何て拍子抜けも良いとこだしな。


「がぐらぁ!」


鱗を全部吹き飛ばし、あのドラゴンが吠えると同時に、周囲に異様な匂いが広がった。


「げほ、げほ、な、なんだこの匂い!」

「知らないよ、けほ、でも、あまり長居は出来ないね、これは」

「そんな咳き込むほどか?」


この匂いが周囲に漂い始めて、ミミさん、勇次が咳き込み始めた。

しかし、俺はそこまで咳き込むほどの匂いには感じられない。


「がぅ・・・」「こ、この匂い・・・血の臭いだ! それも、明らかに危うい、ここは下がる・・・」

「どうしたんだ?」


シルバーウルフのボスもこの臭いを相当不快に感じたようで、距離を取り始めた。

どうやら、それはグレンも同じ様で、一旦あのモンスターから距離を取った。


「何だ? 何で離れる!?」

「がう」「お前、分からないのか、あの臭いはかなり危険だ、私の堪がそう言っている」

「でも、俺はそこまで不快には感じなかったが・・・」

「それは私も何だよね、皆が咳き込んでいたみたいだけど、私も問題なかったし」

「真野、は、分からないけど、修介は私がいたから大丈夫だったんだと思う」


俺が感じた疑問に対して、癒子が答えてくれた。


「お前がいたから大丈夫だった? 何でだ?」

「あの臭いは猛毒だよ、それも、ゆっくりと意思を奪っていく、残酷な毒」

「猛毒!? なんだそれ! あいつはそんな物をまき散らしてるのか!?」

「うん、足下の植物も腐ってる、だから、人間も動物もあの毒の場所に入られない

 もし、長居したら、ゆっくりと意識を奪われて、最後は死んじゃうと思う」

「そんな物をまき散らして・・・く、何が何でも止めないと・・・だが、近寄れないんじゃぁ・・・」


あの臭いというか、ガスが毒だというなら、俺達は近寄ることが出来ない。

効果範囲はある程度決まっているようだが、あいつを中心に出しているなら

あいつが動けば周囲にいくらでもまき散らせるって事だ、あいつが動けば毒は広がる。


「大丈夫、修介には私がいる、私はあの毒をすぐに解毒出来る、だから、修介はあの時は咳き込まなかった

 私は癒やしの妖精だからね」

「なるほど・・・じゃあ、あいつを何とか出来るのはお前に守られてる俺くらいか」

「うん、あと、真野も動けると思う、咳き込まなかったし」

「咳き込まなかったら、範囲内に入っても大丈夫なんだ・・・じゃあ、私も頑張るよ」

「ありがたいな、俺1人だと勝てる気はしないし、ありがたい」

「うん」

「それじゃあ、シルバーウルフのボス、乗せてくれてありがとうよ、こっからは自分たちで行く」

「がう・・・」「済まない、こんな時に力になれないで」

「気にしないでくれ、じゃあ、真野、行くぞ!」

「うん」


俺と真野はシルバーウルフの背から降り、あのモンスターの方に接近していった。

しかし、参ったな、シルバーウルフの群れとドラゴンの連戦もあって、結構消耗している。

MPも、あまり無い、回復アイテムはあるんだがな。

とりあえず、今のうちに回復をしておくか。


「うわ・・・鞄から出したら何か変な色になった!」

「多分、この範囲内でアイテムの回復は出来ないよ、鞄から出したらすぐに腐ると思う」

「くそ、回復まで制限されるのかよ・・・MP回復したいのによ」

「範囲から逃げれば良いよ」

「そうだろうな・・・だが、あいつは逃がしてくれそうにないな」

「がらぁ!」


あのモンスターは俺の方を向いている、多分、1番手痛い攻撃を何度も食らったからだろう。

だから、俺に対してのヘイトも結構高いし、あんなに好戦的なんだろう。


「修介! あいつ・・・あんな臭いの中で戦えるのか!?」

「うちらも加勢した方が良いね、あいつは1人でやり合える相手じゃないだろうし」

「そうっすね、グレン、行けそうか?」

「がう・・・」

「ちぃ、やっぱり無理か・・・じゃあ、徒歩で行くしか無いな」

「そうだね」

「がぁ!」

「わぁ! ぐ、グレン! 何しやがる!」

「あまり痛くはないが、窮屈だね」

「がぅ! がぁ!」

「い、行くなってのか? 何でだよ!」


グレンが勇次とミミさんを前足で押さえつけている。

恐らく、あいつも野生の勘って奴であの場所を危険だと判断したんだろう。

だから、自分の主と、その仲間を必死に守ろうとしているって感じかな。


「これは、教えた方が良いな」

「そうだね」

「と言う事で、真野、頼む、俺はあいつに狙われてるし、お前ほど足が速くない」

「・・・分かった、でも、大丈夫?」

「大丈夫じゃないな、だから、出来るだけ早く帰ってきてくれよ、あと、説明した後に

 2人にりえるさんにも伝えてくれって言ってきてくれ」

「分かった、出来るだけすぐに帰ってくる」

「がぅ・・・がぁ!」


あのモンスターは一瞬走って行った真野を見たが、すぐに俺の方にむき直した。

あいつが帰ってくるまで、俺は1対1であのモンスターと張り合うのか。

あまり、自信は無いが、回避を最優先に行動するか。


「がらぁ!」

「っと!」


モンスターは俺の方にむき直し、少しすると、素早く尻尾で攻撃を仕掛けてきた。

この攻撃を盾で防ぐのは難しいだろうし、とにかくここはジャンプで回避した。


「がらぁ!」


しかし、その瞬間、あのモンスターは前足で攻撃を仕掛けてきた。

前足って言うか、手か? まぁ、それは良いだろう、回避することを考える!


「この!」


俺は盾でその腕を殴り、空中で軌道を変え、回避した。

剣での攻撃も考えたが、切れない可能性も十分にある。

確定クリティカルだとしても、怯まなければ、確実に食らうからな。

そんな賭けに出る必要は無いだろうし。

それにしても、盾で殴ったときの感触が妙だったな、最初よりも何だか柔らかい気がした。

最初の時に盾で殴ってないし、盾での感触があんな感じだっただけなだけなのかも知れないがな。


「ぐるぅ・・・」


そして、あのモンスターは俺が回避した方向を睨んでいた。

しかし、追撃はしてこない、あまり動きたくはなかったんだろう。


「くぅ・・・援護したいんだけど、体が限界よ・・・」

「姉ちゃんは、今SPが完全に無い状態だから仕方ないよ」

「やっぱり、節約するべきだったわ・・・」

「節約して、私達だけであの蜘蛛を倒せるわけ無いし、姉ちゃんの判断は正しい」

「そう、にしても、何だかあのモンスターの周りに霧が出てきたわ・・・」

「嫌な予感しかしない・・・」


さてと、攻勢に出るか、それともこのまま防戦か・・・どっちが正しい判断なんだ?

いや、今の状態で危険が大きい攻勢は無理か、なら、防戦が無難だな・・・

それにしても、少しずつ、視界が悪くなってきてる・・・あまり良い予感はしないな。

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