りえるチーム、共同防衛
城を守りに来たは良いけど、予想通り、数がかなり多いわね。
でも、兵士も居るし、いくらでもこの状況を打破する方法はあるはず!
「まずは威嚇射撃{ボムショット}」
「がぁ!」
私が使える数少ない範囲攻撃、と言うか、現状では唯一に等しいわね。
単体に対しての破壊力はあるのに、範囲系が本当に無くて困るわ。
「行くよ{フォースキャノン}」
「がらぁ!」
リエのフォースキャノン、これも範囲攻撃では無いんだけど、貫通性が強い。
私の狙撃の貫通と違って、威力減衰が無いから今の様な状況なら吹き飛ばせるわね。
「とりあえず、兵士達と合流よ!」
「分かった!」
愛と水尾は私達の前に出てきて、周囲のモンスターを倒しながら進んでくれた。
それに、リエが置いているマナエネミーもある、雑魚のモンスター程度なら問題は無いはずよ。
そして、私達は何とか兵士の元にまで近寄ることが出来た。
「あ、あんたら・・・一体」
「探検家よ、ただの通りすがり、あと、生き残りたいなら、私の指示を聞いて」
「わ、分かった、我々はモンスターとの戦いには慣れていないからな、あなたの指示に従おう」
「よし、じゃあ、そうね、まずは私とこの子の前には出ないでくれる?」
「分かった」
そうしないと攻撃が当っちゃうからね、そして、その正面は2人にカバーして貰うのが良いでしょう。
この2人なら指示が聞えれば、すぐに行動してくれるでしょうし。
「愛、水尾は私達にモンスターが近寄らないようにカバーして頂戴」
「分かった、それで、指示があったら避ければ良いの?」
「その通り、それじゃあ、頼むわ!」
「任せて!{ビッグウォール}」
愛ちゃんはビッグウォールを発動させて、注意を自分に惹きつけたって感じね。
それで、近寄ってきた奴を水尾ちゃんと協力して戦うって感じかしら。
なら、私とリエはその援護をしながら周りを攻撃することね。
「攻撃しよう{フォース}」
「そうね{チャージショット}」
敵の数はかなり多い、でも、私の玉は有限だ、修介君にこっちに来る前に作って貰った弾丸は200発。
それとは別に、威力の低い弾丸も100発ほど買ったから、合計で300発ね。
これだけあれば、殲滅は出来そうだけど、強い奴が出ると何発も消費するし
あまり派手に使うのは難しそうよね・・・いや、その前にSPが切れるか。
だとすると、私はあまりスキルを使わない方が良いでしょうね。
「くぅ!」
試しにスキルを使わずに1発撃ってみたけど、やっぱりスキル無しだとあまり殲滅力は無いわね。
でも、修介君に作って貰った方の弾丸なら結構貫通能力はあるわ。
やっぱり、硬い奴が来るまではスキルは無しで立ち回ろうかしら。
「やっぱり、数が多いね{マナエネミー}」
「そうね、所でリエ、あなたMPは大丈夫なの?」
「私にはマナチャージがあるから、MPは時間さえあればいくらでも回復する」
「そう言えばあったわね、そんなスキル、便利よね、本当に」
「姉ちゃんもね、弾丸を消費しちゃうけど、SP無しですごい殲滅力だし」
「弾丸も武器も良いからね、当然でしょう」
「それもそうだね」
状況は少しずつだけど好転して言っている、さっきまで押されていた兵士達も士気を取り戻している。
私達が来て、殲滅力が上がったからでしょうね、でも、モンスターの数は減らない。
やっぱり超範囲魔法でも無いとこの数はヤバいわね・・・
「好転してきているけど・・・」
「まだまだ数は多い!」
「流石にしんどいかも・・・」
「分かった、一気に行く! 少し離れて」
リエの合図で前の2人が射線を開けた。
「行け{フォースキャノン}」
リエのフォースキャノンは目の前のモンスター達を一斉に貫いた。
でも、リエがこの程度の攻撃で止めるわけは無いはず。
「次にこの瓶を全部投げて{マナロック}」
マナロック、さっきは位置したマナエネミーも、保険のエネルギーホールもストックの瓶も止まった。
これは、あれをするつもりね、それなら一気に大掃除くらい出来るわ。
「次に威力を・・・{バースト}」
バーストは周囲の魔法の攻撃力を強化する魔法ね。
これでストップした魔法達の威力はかなり高くなったはず。
「最後!{リベレーション}」
さっきまで停止していた魔法が一斉に動き出し、周囲のモンスターを貫いた。
バーストの効果もあり、貫通性能もかなり引き上げられているわ。
周囲のモンスター達は一斉に吹き飛び、殲滅した。
「よし、やっぱりすごい火力」
「流石は切り札ね」
「あ、あんなに居たモンスターが・・・一瞬で!」
「何だ、何なんだあいつらは!」
後は勝利の余韻に浸るだけ・・・だと思っていたけど、今度はかなり強そうなモンスターが出てきた。
「きしゃぁ!」
「蜘蛛か・・・や、厄介な!」
「ひぃ! く、蜘蛛!?」
そのモンスターは蜘蛛型のモンスターだった。
これはかなりヤバいわ、このメンバーで蜘蛛相手に戦えるのは私だけ、水尾は分からないけど・・・
でも、愛もリエも蜘蛛が大の苦手、戦闘に参加は出来ないでしょう。
ヒューマン・イーターの時も、結局2人とも動けなかったし・・・
「これは・・・ヤバいわ」
「く・・・蜘蛛・・・うぅ」
やっぱり愛ちゃんもかなり足が震えている。
「水尾、あなたは大丈夫?」
「蜘蛛くらいね、正直私は蜂の方が怖いかな」
「まぁ、危ないからね、じゃあ、あなたが足止めしてくれる?」
「愛は?」
「動けないでしょうね」
「なんで?」
「蜘蛛が苦手だからよ」
「あはは、何だ、蜘蛛なんかが怖いんだ!」
「なぁ! ば、馬鹿にしないで! く、蜘蛛なんか怖くない! 修介先輩が居ない今・・・
あの蜘蛛の足止めは前衛のあたしの役目・・・そう、役目!」
愛ちゃんはそう言うと、蜘蛛に向かって走って行った。
「無理しないで良いのよ!?」
「このパーティーの前衛はあたしだから! 苦手でも盾になる!」
「きしゃぁ!」
「こ、こい!{ビッグウォール}」
愛ちゃんは蜘蛛の前にまで行って、注意を惹きつけてくれた。
あの子のためにも、出来るだけ速く仕留めないと!




