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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第13章、3つの戦い
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修介チーム、シルバーウルフとバイオリザード

状況はかなりヤバい、毒をまき散らす化け物に頭の良い狼か。

それにしての、あの毒の化け物、ダメージを受けてるかも分からん。

少なくとも、腕、胴体数カ所には切り傷を着けたが、もう回復してやがる。

反撃能力が高く、再生能力が高い化け物か・・・勝つ手立てはあるが、りえるさんが居ないのが辛い。

あの人の超火力で回復前に叩ければ、倒せるだろうによ・・・

だが、今はまずこいつよりもシルバーウルフのボスを倒さないと駄目だ。


「ぐぎゃぁ!」

「あぁ! 危ない!」


再びあのトカゲとシルバーウルフのボスが動き出した。

同時だ、完全に回避した方に攻撃をするつもりだろう。

だが、対処法が無いわけじゃない!


「おっと」


俺はシルバーウルフのボスが居る方に回避行動を取った。

こうしないと、次につなげれないからな。


「修介さん! 危ない!」

「がぁ!」


当然だが、シルバーウルフのボスは俺の方に飛びかかってきた。

これも分かりきってることだ、こんなチャンスをこいつが逃すわけがない。

でも、これは狙い通りだ、むしろ飛び込んでこない方が困る。


「かかったな」


俺はデカい化け物が攻撃してきた手を切り、少し後方に下がった。

すると、シルバーウルフのボスはその切り傷の後に吹き出した毒を浴びることになった。


「がぁぐがぁ!」

「やっぱりこの毒は強烈らしい」

「がぁう!」


そして、あのトカゲの化け物がシルバーウルフのボスに近寄っていって

心配そうにしている、何か、兄妹のようだ。


「あ、あの子達はどんな関係なんでしょう・・・」

「推測だが、兄妹じゃないのか? 長い間一緒に居たとか」

「種族が違いますけど?」

「そんな事は無いよ、ああいうのは良くあるの」


真野が俺達の会話に参加してきた。

しかし、良くあるって言うのは、どういうことだ?


「どういうことだ?」

「種族の違うモンスター達が協力するのは良くあるの、特にシルバーウルフはね

 多分だけど、あのトカゲのモンスター・・・えっと、確か名前は・・・バイオリザードだったっけ。

 あのバイオリザードはあのシルバーウルフのボスと一緒に育ったんだと思うよ?」


バイオリザード、確か強力な毒を放ち、周囲の生き物を遠ざけるモンスター

探検家の攻撃を受けると、毒をまき散らす特性があり、かなり危険。

ただ、この種事態はさほど凶暴では無い為、森の中で出会った場合は逃げれば問題ない。

そんな感じだったはずだ、しかし、凶暴ではない? あんなに暴れてるのに?


「基本動物はあのバイオリザードから離れるんだけどね、あのシルバーウルフのボスは逆に近寄るのか

 本当にヤバいよ、あのボスは」

「どういうことだ?」

「あのボスの戦闘能力はかなりすごいの、そして、カリスマ性? だったっけ? それもすごいと思う

 多分、あのシルバーウルフのボス、あの子意外にも他にも隠し種があるよ」

「マジかよ!」


だが、あのシルバーウルフのボスはバイオリザードの毒をもろに受けている。

もう、動けないだろうし、戦う事も出来ないはずだ。

ただ、1つ気になることが出来た、そんな優秀なシルバーウルフのボスが何であの群れに参加したかだ。

賢明な判断能力があるなら、こんな行動は取らないで、何処かで休んでいるはず。

しかし、あいつはこの群れに参加した、どんな理由があるかは分からない。

なんせ、相手はモンスター、ホムンクルスの話は聞けても、こればかりは無理だ。


「が・・・う・・・」


バイオリザードの毒を受けても、シルバーウルフのボスはゆっくりと立ち上がろうとしている。

あんな執念、今まで見たことがないんだけど・・・


「何だか、もの凄く悲しそうだね・・・」

「まぁ、そんな感じだな」

「もしかして、何か理由があるのかも! 修介! 話を聞いてみようよ!」

「俺はモンスターの言葉を理解できないんだ」

「うぅ・・・」


もしも、この場に勇次が居たら、あのモンスターの声を聞けたのかも知れない。

・・・そういえば、俺には何か懐かれる才能があるとか聞いたな。

まぁ、とりあえず、あの狼を何とかしないとな。


「ぐるぅ!」


あのシルバーウルフのボスの周りに集まったモンスター達が一斉に俺の方を向き、威嚇してきた。

まぁ、そうだろうな、あのボスをあんな風に追い込んだのは俺なんだから。

当然、威嚇はされるだろう、それにしても、あのボスはあんなフラフラでも立つんだな。


「が・・・がぐぅ・・・」

「あぁ、待って、助けてあげるよ! だから立たないで!」


それを見た癒子がシルバーウルフのボスに座っているようにお願いしている。

だが、シルバーウルフのボスは座る気配を見せなかった。


「が・・・がぁ!」


そして、俺達の方に突っ込んできた、あんなフラフラの足で。

しかし、そんな状態で走れるはずもなく、すぐに転けた。


「あぁ、だから言ったんだよ!」


シルバーウルフのボスは俺の足下で転がっている。

こいつを回復させるためにしゃがむのが良いんだろうが。

しゃがんだら俺の目の前で威嚇しているモンスター共が襲いかかってきそうだ。

バイオリザードは攻撃出来ないとして、他のシルバーウルフは攻撃が可能。


「動かないでね」


そして、俺達の方は真野と明美がその狼に睨みを効かせている。

これならしゃがんでも良いかな。

俺はゆっくりとしゃがみ、シルバーウルフのボスを見た。


「ふー、ふー、が・・・う・・・」


シルバーウルフのボスは俺の方を睨んでいる。

これ、治したらいきなり襲ってくる、何てないよな?

まぁ、大丈夫だって信じるしかないか。


「襲ってくんなよ? 癒子」

「任せて!」


そして、癒子が俺の体を通して、シルバーウルフのボスの傷を癒やした。

こいつは毒だろうと解除することが出来るからな。


「・・・?」

「回復したか」


シルバーウルフのボスは回復したようで、ゆっくりと立ち上がった。

そして、後方に退き、周りに1回吠えた後、こっちを向いた。


「ぐぅ・・・・・・がう」

「お? 何だか言葉が分かる気がする!」

「はぁ!? マジかよ!」

「やっぱりこの子は結構力があるんだね、私に分かるように言葉を発するつもりだよ」


ホムンクルスにはモンスターの言葉が聞ける場合があるんだな。

まぁ、それは美香を見れば何となく分かる、モンスターと会話をしているかは分からないがな。


「がう」「えっと、さっきは助かった」

「がぁ」「まさか救われるとは思わなかった」

「がうぁ」「そこの男、お前はかなり力があるな」

「がう」「折角だ、1つ願いを聞いてくれないか?」

「願い?」


まさかだ、まさか狼からお願い事をされるとは思わなかった。


「がう!」「そうだ、実は私は娘を救うためにここまで来たんだ」

「娘? なんだ、捕まってるのか?」

「がぅ・・・」「そうだ、我が娘は毛並みが茶色い異端児でな」


け、毛並みが茶色い・・・シルバーウルフ・・・あぁ、ヤバいぞ・・・心当たりがあるぞ・・・


「・・・あ、あの、修介さん・・・その表情から察するに、私と同じ事を思ってますね?」

「あ、あぁ・・・多分そうだ・・・」

「がう?」「何だ? 心当たりがあるのか?」

「えっと、まぁな」

「がぅ!」「ならば教えてくれ! 我が娘はどこに居るのだ!」

「少し距離があるからすぐには無理なんだけど・・・それに、こんな大所帯だと困るし」

「がう、がぁ!」「分かった、ならば私だけで行こう、さぁ、我が背に乗ってくれ!」


シルバーウルフのボスが俺の近くによって、伏せた。

大きさ的に俺くらいしか乗れそうに無いが、それで良いか。


「分かった・・・じゃあ、明美達はここにいてくれ」

「がう」「そこの2人はのらんのか? 安心してくれ、我が背には3人程度乗れる」

「あ、じゃあ、乗りましょう」


俺達3人はシルバーウルフの背中に乗っかった。

まぁ、これが理想的なんだよな、通訳に真野が居て欲しいが

真野が居なくなったら明美1人だし、それは怖い。


「がう!」「ではゆくぞ!」

「うわぁ!」


そして、シルバーウルフのボスはもの凄い勢いで走り始めた、これは速いな。

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