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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第11章、幸か不幸かの国救い
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引っ張りだこ

書類の山と格闘して何時間も経ち、外は朝日に包まれた。

ここまで書類仕事が大変だとは思わなかった・・・これはりえるさんもやつれるよな。


「結局本当に一夜漬けですか・・・」

「う、うるさいわね・・・ごちゃごちゃ言わないの・・・ほら、ほら、あと少しよ・・・」

「そうですね・・・ところで、なんであんなに書類が多かったんですかねぇ・・・」

「私達がしようとしていることが色々と大変だからよ、探検家初の商売らしいし」

「そうなんですか?」

「そうよ、探検家達は商売なんて考えてなかったらしいわ」


そうか、だから商売をしていた人々は全員NPCだったのか。

そんな中で俺達は初の商売を始めるんだな、そりゃ、あんなに書類が出るわけだ。


「まぁ、そういう訳だから、さっさと終わらせるわよ、もう私も頭が痛いんだから」

「そうですね・・・俺は目が痛いですよ」

「私も目はずっと痛いわよ、あなた以上に書類の山を処理してるんだから」

「そ、そういえばそうでしたね、す、すみません」

「別に良いわ、さ、速く処理よ」

「はい・・・」


それから更に何時間もの格闘の末、ようやく俺とりえるさんは書類の山を処理できた。

リエさんは結局俺が帰ってきてから書類を全部処理する間グッスリと眠っていた。


「お、終わったわ・・・それにしても、リエの奴、結局起きなかったわね」

「そ、そうですね、起きるかと思いましたが・・・」

「あ、そういえばリエが1度寝たら中々起きない子だっていうのを忘れてた・・・」

「そ、そういえば、そうでしたね・・・あはは」


ま、まぁ、何とか書類は片付いたし、今はそれを喜ぶとするか。


「あ、あの、りえるさん、俺は眠りに行きたいんですが? と言うか今眠りそうです」

「そ、そう、奇遇ね、私もすごく眠いのよね・・・あ、視界がぼやけ・・・」


りえるさんはそう言うと、机に突っ伏して眠り始めた。

あ、うん、それだけ眠かったんだな、よし、俺も眠りに行こうっと。


「あー、ねむ・・・っと」

「痛い」


俺は近くで眠っていたリエさんに当たり、倒れた。

な、何とかリエさんの上に倒れるのは回避したが、床に転げてしまった。

何だろう、床が冷たくて気持ちいい、このまま寝てしまいそうだ・・・う、本当に眠気が・・・


「・・・痛い、蹴られた・・・ん? あ、毛布だ・・・それに姉ちゃんも寝てる

 と言うか修介、帰ってたんだ、修介・・・揺すっても起きない、寝ちゃったんだね

 しょうが無いなぁ」

「何の音っすか? 大きな音が聞えたんすけど?」

「勇次、丁度良いところに、修介を部屋に運んであげて」

「しゅ、修介、かなりやつれてんな、これは相当疲れた顔だぜ・・・」

「うぅ、りえる先輩、言われた革を持ってきましたよ・・・あ、寝ちゃってる」

「愛も良いところに来た、姉ちゃんを運ぶのを手伝って」

「あ、分かった、てか、修介先輩もりえるさんも何でこんな場所で寝てるの?」

「書類仕事で疲れたんだと思う、さ、速く運ぶよ」

「はーい」


次に俺が目を覚ましたのは書類の山があった作業部屋ではなく、自分の部屋の中だった。

何でこっちに移動したのかは知らないが、ま、まぁ、目が覚めていきなりあの書類を見るよりはマシだ。

確か、俺の意識が途切れたのって朝の8時だったよな、で、今は10時か、2時間くらいしか寝てないんだな

そんじゃあ、このままもう2時間くらい寝ようかな・・・


「修介! 修介ぇ!」

「あ、な、何だよ・・・何だ? 外でまた面倒ごとでも起ったか?」

「違う、私暇なの! お散歩しようよ!」


癒子が元気に俺の頭の上でぴょんぴょん跳んでいる。


「1人で行けよ・・・」

「私は修介からそんなに離れたり出来ない! それに離れれても、扉が邪魔で進めないの!」

「あー、マジかよ・・・」

「それと、トイレ行きたいの!」

「トイレ? 今まで行かなかったのにか?」

「うん、行きたくなった」

「今まで堪えてたんだ、大丈夫だろ?」

「むぅ、なら良いもん! 修介のお顔の上でしちゃうもん!」

「な! それは勘弁してくれ! 分かった、便所だろ」

「うん!」


ま、全く驚いた、そんな脅しをしてくるとは思わなかった。

と言うか、癒子用の便所なんて無いんだがな・・・

とりあえず、普通に俺達用の便所に行ってみるか・・・


「ほら、便所だぞ」

「あはは! 引っ掛かった! 私トイレなんて行きたくないよ!」

「な! ど、どういうことだ!?」

「私はトイレとか行かないで大丈夫なんだ、全部を活動用の力に変えられるからね!」

「じゃ、じゃあ、もしかして、さっきのは・・・」

「そう! 修介をお部屋から出すための作戦だったのだ!」

「ま、マジかよ!」


く、くぅ、癒子の奴、こ、小賢しい真似を・・・最近頭もよくなってきたしな・・・

こ、今度からは警戒しよう、まぁ、部屋に戻れば俺の勝ちだ。


「あ、修介さん、おはようございます、もう起きても大丈夫なんですか?」

「あ、いや、これから寝ようと思うんだが・・・」

「違うよ! これからお散歩に行くの!」

「眠いんだから勘弁してくれよ・・・」

「お! 修介! よかった、もう起きたか!」

「あ? な、何だよ、そんなに焦って・・・」

「店の方をどんな風に飾るかで迷ってたんだ、丁度良い、お前も来てくれ!」

「は、はぁ!? ちょ、待て!」

「勇次先輩! あ、修介先輩も起きてる! よし、さぁ、行こう!」

「え!? ちょ、待てって!」

「修介さんは引っ張りだこですね、じゃあ、私もお手伝いします」


俺は勇次と愛に引っ張られてギルドから引っ張り出された。

ついでにクロナも背中から押してくるし・・・あ、あぁ! お、俺の2度寝タイムがぁ!

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