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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第11章、幸か不幸かの国救い
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王への依頼報告

騒動を起こした奴は取りあえず拘束することは出来た。

さて、次は俺が王様辺りと話をしないといけないわけだよな。

しかし、依頼の報告に来ただけなのに厄介ごとに巻き込まれるとはな。

やっぱ、運が良いのか分からなくなってくる。


「お、お主は・・・」

「あぁ、名乗り遅れてすみません、俺は探検家の柳葉 修介と申します

 今回は薬草採取の依頼報告に参りました」

「た、探検家か、そうか、あの依頼を受けた・・・しかし、まさか探検家がこれほど強いとは・・・」


王様と思われる人がかなり動揺している。

そうだな、国の総戦力で当っても追い込まれた群れを1人で掃討したら、動揺するよな。


「安心してください、何も国を襲うような事は致しません」

「う、うむ、そうじゃな・・・」

「それでは、依頼の報告を致します」


俺はアイテムとして持っていた薬草を取りだした。


「こちらが依頼の品です」

「む! これは! 傷1つ付いておらんとは!」

「いかが致しましたか?」

「こ、この薬草を傷1つ付けずに採取するなど、至難の業、それを3つも・・・」


王様はもの凄く喜び、その薬草を受け取った。


「ありがとう! 国をモンスターから救って貰って、更には最高の品まで・・・」


そう言うと、王様は少し泣き始めた。


「ど、どうなさったのですか!?」

「嬉しいのじゃ、本当にありがたい、これで娘は救われる!」

「む、娘? どういうことですか?」

「お主には恩が山のようにある、全てを話そう」


王様は俺に事情を話してくれた、どうやらこの薬草は王の娘、つまりこの国の姫を救うために必要らしい。

その娘は原因不明の病を患い、どうやら今も寝たきりのようだ。


「では、案内しよう」

「良いのですか? ご病気の姫様に会わせていただいても?」

「構わぬ、リーナも恩人の顔を見れる方が良いだろう」

「は、はぁ」

「え、えっと、私はここで待っていますね」

「お主も来てくれ、クロナ・ビスケットよ」

「わ、私の名前を・・・」

「知っておる、グロウブから聞いておるからな」

「は、はぁ、ですけど、私は何もしておりませんよ?」

「構わぬ」

「わ、分かりました」


そして、俺達は何人かの兵士に囲まれて姫さんが眠っている部屋に案内された。


「リーナ・・・いま救ってやるからな」


王様は薬草を近くに居た白衣の女性に渡した。

そして、その女性がその薬草を何かと調合して、飲み薬にした。


「よし、リーナ、これを飲んでくれ」

「・・・・・・ん」


王様はその飲み薬を姫さんの口の中に入れた。

しかし、いつまで経っても姫さんが目を覚ます気配はない。


「どういうことじゃ!? 何故目が覚めん!」

「もしや、この薬草でも効果が無いなんて・・・」

「そんなはずはなかろう!? この薬草で最高の薬を作れるのではないのか!?」

「はい、そのはずなんです、この薬は現在で最高の効果を持つはず・・・それなのに!?」

「娘は・・・リーナは助けれんのか!?」


最高レベルと言われる薬でも治せない病気だと!? そんな物があるのか・・・

どうする、助ける方法はあるか? 考えても出ない・・・

その時だった、頭の上で何かが俺の頭を叩いた。


「修介、私が、やってみる」

「癒子!? お前、病気も治せるのか!?」

「うん、良いこと考えたの」


良いことを閃いたのか・・・うん、ここは癒子に賭けてみた方が良いだろう。

一か八かだ、方法が分からないのなら、小さな可能性に賭けるしかない。


「王様、俺達に任せてください」

「ほ、方法があるのか!?」

「あくまで可能性ですが、もしかしたら」

「分かった! 頼む! 娘を、リーナを救ってくれ!」

「あくまで可能性、失敗する可能性もあります、それでも良いですか?」

「構わぬ、些細な可能性でも、もうそれに賭けるしかないのじゃ!」

「分かりました、では、やってみます」


俺は姫さんの近くに寄った。


「で、俺はどうすれば良い?」

「この人に触って、私が力を使う」

「ん、分かった、こうだな」


俺は癒子の指示通りに姫さんの体に触れてみた。

何だか恐れ多いが、そんな事を言ってる場合じゃないよな。


「それじゃあ、修介の体を通して、力を流すよ、だから修介もしんどいと思う」

「構わない、やってくれ」

「分かった! うぅ・・・うぅ・・・ううぅ・・・えい!」


癒子が力を入れ、大きな声で叫ぶと、俺の体も急に重くなった。

こ、これはしんどい、でも、確かに手の方に何か力を感じる気がする。

そして、少し経ち、体の重みも消えてきて、手の感覚もなくなった。


「つぅ・・・な、何だか手の感覚が・・・」

「う、うぅ、ち、力を使いすぎたよぉ・・・」


癒子は元気が急になくなり、俺も右腕の感覚がなくなった。

ど、どんだけ莫大なエネルギーだよ・・・


「で、ど、どうだ? 起きたか?」

「う、うん、大丈夫、あと少しで起きるはず・・・」

「う・・・ん?」


そして、癒子の言葉通り、姫さんは目を覚ました。


「リーナ!」

「お、父様・・・おはようございます、何故そんなに泣いておられるのですか?」

「リーナ! リーナ! 良かった、良かった!」


あはは、目が覚めたか、この苦労は無駄じゃなかったな・・・


「良かった、所で癒子、さっきのは何だ?」

「私の力、契約した人の体を通して回復力をとても大きくする力なんだ

 最近思い出したんだよ、でも、すごく力を使うの、契約者も私自身も・・・」


思い出したか、ふーん、癒子にはまだ色んな力が眠ってそうだよな。

最初はあまり言葉も発せ無かったのに、最近はぺらぺらだし。

それに、だんだん頼れる相棒になって来ているし。

もしかして、この調子で成長したら一緒に戦えるようになったりな。

いや、攻撃出来ないだけで、癒子はもう一緒に戦ってるな・・・

あ、少しだけ右手の感覚が戻ってきた、ふぅ、良かった。

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