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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第10章、足場を固める
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準備組、お店の下準備

修介君達は今頃目的地に着いた頃かな。

私達もそろそろ行動しないといけないわね。

それにしても、お店を出すというのはしんどいわね。

手続きとか、商品の製作とか、やることが多くてしんどいわ。

はぁ、リエがいてくれたら、手続きの方を任せれたのに、でも、リエがいないと修介君達が危ないし。

流石に仲間の危険と自分が楽できるからを天秤に掛けるような真似は出来ないわ。


「りえるさん? 頭を抱えてどうしたんっすか?」

「あ、いえ、考え事をしていただけよ」

「そうっすか、じゃあ、これは何処に置けば良いんすか?」

「あぁ、それはこの部屋の隅ね」

「了解っす!」


・・・手続きは後にしましょうか、今はこっちの指示で手一杯だし。


「うぅ、また指を刺した・・・」

「愛ちゃん、まだ裁縫は苦手なの?」

「針が何処から出てくるか分らないんだよね・・・」

「すぐに突き刺さないで、少し布の上から何処から出てくるか探れば良いんじゃないの?」

「そうなんだけど、その時にプスッと刺さって」

「じゃあ、逆に探らなきゃ良いんじゃないかしら?」

「それだと不安だし・・・」


探っても結局刺さるなら、むしろ探らない方が怖くない気がするんだけどね・・・

そこはよく分からないけど、多分、何かあるんでしょう。

そうね、私が作るわけじゃ無いし、そもそも裁縫なんてやったことないし、愛ちゃんに任せましょうか。


「じゃあ、あなたのやりたいようにやって、あと、これ絆創膏ね」

「ありがとう、ギルマス・・・」

「あなたの手じゃ貼れないでしょうし、私が貼ってあげる」

「うぅ」


結構刺さってるのね、これだけ刺さっているのに主な原因を取り除くのは怖いのね。

と言うか、ここまで刺さったらその内慣れそうね、痛みになれるってどうかと思うけど。


「ありがとう、それじゃあ、また作ってくる」


そう言って、愛ちゃんは作業用の部屋に戻っていった。

また指を刺さなければ良いけど。


「痛!」


これは無理そうね、なんで裁縫師をサブ職業にしたのかしら。

もしかしたら、現実では裁縫が出来ないから、ゲームくらいは裁縫がしかったからとかね。


「りえるさん、料理の材料を買い出しに行っても良いでしょうか?」

「えぇ、行ってらっしゃい、でも、あまり沢山買いすぎないでね、財政難だから」

「分ってます、それを何とかするためにお店の準備をしているんですから」

「そうね」

「・・・修介さん達大丈夫だと思います?」

「修介君は結構判断力もあるし、リエもいる、大丈夫だと思うわ」

「でも、初心者の3人を守りながら、あのミミさんと戦うって」

「え、えぇ、かなり厳しい状況でしょうね、でも、あそこまで言ったんだから

 ミミもあまり暴走はしないと思うわ・・・多分」

「だと、良いんですけど・・・」

「それに関しては信じなさいとしか言えないわ、だから私達も出来ることをしましょう」

「そうですね、それじゃあ、行ってきます」


そう言うと、明美ちゃんは買い出しのために外に出て行った。

でも、そうね、確かに不安はある、あそこまで言っても、ミミは言うことを聞かないかもしれない。

仮に聞いても、状況が悪かったら初心者の源川兄妹を守りながら立ち回るのは難しそうね。

でも、修介君は判断力に優れているし、見落としがあったらリエが何か言ってくれるはず。

それに、回復が得意な癒子ちゃんもいるしね、大丈夫でしょう。


「りえるさん、これが最後っす、何処に置けば良いっすかね?」

「それはあっちにお願い」

「了解っす」

「あと、私はこれから手続きに行くから、少しの間指示を出せないわ、それを後で2人に伝えて」

「了解したっす」

「それじゃあ、頼むわよ」


さて、手続きに行かないと、何処でやるんだったかしら。


「ん? りえるさん、どちらに?」

「あぁ、クロナ、手続きに行こうかと思って」

「手続き? あぁ、お店の手続きですね」

「えぇ、何処でするか知ってる?」

「はい、お店の手続きはギルド受付を通して、民間ギルドに行き、それを国に通すシステムです」


お店の手続きにも民間ギルドは介入しているのね。

思った以上にすごい組織なのかもしれないわね、民間ギルド。


「と言う事は、今直接あなたにお店の手続きをしても良いの?」

「まぁ、問題はありませんね、たまにそっちの方のお手伝いもしていますから」

「じゃあ、お願いするわ」

「はい、じゃあ、民間ギルドまでお願いします」

「分ったわ」


クロナと一緒に民間ギルドね・・・1人であそこに行くのは初めてね。

そこまで堅苦しいところじゃないけど、少し苦手だし。

でも、そんな事を言ってる場合じゃないわ、やらないとお店が出来ないならやるだけよ。

そして、私はクロナと一緒に民間ギルドに入った。


「それでは、少しお待ちください」

「えぇ」


そして、クロナは奥の方に入っていった、多分書類がそっちにあるんでしょうね。

しばらくして、クロナが書類を持って、戻ってきた。


「はい、これが書類です、と言ってもあまり面倒な物はありませんが」

「これが書類ね・・・何だか字が多くてめまいがするわ」

「重要なのはこの場所とこの場所です」

「ふーん・・・こう言うのって、お店の利益を国に少しは渡すのよね?」

「はい、一般人の場合は、ですけど、探検家の方は渡さないで結構です」

「なんでかしら?」

「モンスターからの街の防衛、周囲のモンスターの掃討、探検家の方はこれを行なってくれています

 ですので、国としてもその様な方からお金を取るのは忍びないのでしょう」


ふーん、ならこの世界で私達はお店をした方が有益なのね。

だったら今回の店作りは成功だったかもしれないわ。


「それじゃあ、この場所とこの場所にギルドネームと私の名前を書けば良いのね」

「はい、それで問題ありません」

「それと、責任って、何かあるの?」

「無いです、ただの名目ですね、それか騒ぎになった時に仲裁に入る役割とかそんな所です」

「そう、探検家は随分とのんきなのね」

「えぇ、探検家はそれだけ重要な存在なのですよ、クエストもこなしてくれますし

 危険なモンスターを退治してくれますし、防衛もしてくれます、だから国は感謝の意もあり

 あまり縛らないようにしているんですよ、あ、流石に一般人に手を出したら問題ですけどね」

「そうでしょうね、それを許したら国がある意味が無いもの」

「はい」


そして、私はその書類にギルドネームと自分の名前を書いた。

何だか緊張した、ただ名前を書くだけなのにね、不思議なものね。


「はい、確かに受け取りました!」

「それじゃあ、私は戻るわ」

「はい、お気をつけて・・・ふぅ、よし、国に提出しますか」


さて、手続きも終わったし、速く準備を終わらせないとね。

・・・うん、修介君達は大丈夫かしら、今更また不安になって来たわ。

いや、心配はしないでおきましょうか。

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