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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第10章、足場を固める
64/201

ホーリーアップルの財政難

長い1日が終わった次の日、この日は特に何もない日であって欲しいと願っていた。

しかし、まぁ、そんな願いが届くわけも無く、今日も大変なスタートだ。


「聞いて、実はね、ホーリーアップルの財政が不味いのよ」

「え? どういうことです? ダンジョンには潜ってますし、金はある筈じゃあ?」

「それが、グレンの食費がね、すごいのよ、それ以外にも維持費とかかかるし」


まぁ、グレンの様な大きな動物の食費は高いだろうな。

それに、ギルドの施設の維持費もかなり高いらしいしな、購入にも金が要るし。

それにしても、グレンの食費は携帯用の檻に入れておけばあまり食費もかからないだろうに。


「携帯用の檻に入れてたら良いんじゃないんですか?」

「それは勇次君から聞いて」

「はい、話すぜ、あの檻はな、ギルド内では使えないんだ、それに、外で飼うのは無理だし」

「そうなのか?」

「そうなんだよ、ずっと付かないとあの檻は機能しないし、それに一応消耗品だから

 飯の時だけ入れて、食事を安く済ます、何て出来ないんだよ」


あの檻は消耗品だったのか、知らなかった。


「と言うわけでよ、今日はメンバーを分けるわ」

「どうするんですか?」

「依頼をこなすメンバーと明日の商売の準備をするメンバーよ」

「はぁ、明日何かするんですか?」

「えぇ、明日、私達はお店を出すことにしたのよ、それでお金を稼ごうと思ってね」


そんな事が出来るのか、そういえば、何人か店を出していたような気がする。


「そんな事をしなくても、グロウブさんにお願いすればお金ぐらい出資してくれそうですけど?」

「そうかもしれないけど、出来れば依頼を紹介してくれる、と言う形で協力して欲しいの」

「あぁ、そうですね、確かにうちの民間ギルドは依頼も沢山あります

 なら、私はグロウブさんにお話しして、依頼を紹介して貰うようにしますね」


そう言うと、クロナはギルドから出て行こうとした、しかし、まぁ、1人では出られないようだ。


「うぅ、出られないです」

「じゃあ、修介君、一緒に行ってあげて」

「あ、はい、分りました」

「申し訳ありません」

「いや、仕方ないことだ」


俺はクロナと一緒にギルドから出て、民間ギルドまで一緒に行動した。


「グロウブさん、いらっしゃいますか?」

「ん? あぁ、クロナか、グロウブさんは奥で調べ物だ」


クロナの声に反応して、姿を現したのは中年くらいのおっさんだった。

と言うか、確かあの時に一緒に捕まってた男がこんな感じだったな。


「エンリコさん、帰ってたんですね」

「あぁ、それで、後ろに居るのはいつかの恩人さんじゃ無いか、グロウブさんが言ってたとおりだ」

「あの時一緒に捕まってた人か」

「そうだ、自己紹介をしよう、俺の名前はエンリコ・レンジだ、一応司令部隊の参謀をしている」


この人は少しだけ白髪があるな、服も茶色っぽい。

あまり覇気は無いな、でも、何かありそうな奴だ。


「エンリコさん、私グロウブさんにお話ししたいことがあるんですけど、今大丈夫ですかね?」

「あぁ、大丈夫だよ、悪いね、クロナ、そして、修介さん」


奥の方から、グロウブさんが姿を現した。


「あ、グロウブさん、お疲れ様です」

「クロナもね、それで、話ってのは何だい?」

「実はですね」


クロナが俺達の事情をグロウブさんに話してくれた。

それを聞いたグロウブさんは少しニヤッと笑った。


「よし、そういう事なら取っておきを用意しよう、少し待っておいてくれ、エンリコ、一緒に来てくれ」

「はい、分りました」


そして、エンリコさんはグロウブさんと一緒に奥の方に入っていった。

俺達はその間、入り口の方の椅子に座って待つことにした。


「まさかエンリコさんが帰っていたなんて思いませんでした」

「あの人はどんな人なんだ?」

「エンリコさんは私と同時に民間ギルドに入った方です、頭がすごく良いんです

 それに、交渉術もすごくて、私ではとても追いつけませんよ」

「なるほどな、じゃあ、あの人が今までいなかった理由は交渉に行ってたからか?」

「はい、ここのお隣の、シューベルト王国の王様に話をしに行ってたんです」

「王国の王様に直接会いに行くのか、かなりすごい人だな」

「そうでしょう?」


そんな会話をしていると、奥の方からグロウブさんとエンリコさんが姿を現した。


「ある程度報酬額が良い依頼を集めてきました」

「ありがとう」


依頼の内容は色々な物があった。

ここら辺で結構強いモンスターの討伐、採取、掃討、武器の錬成と色んな物だ。

その中でも、報酬が高いのに内容がある場所の草の採取という、簡単な物があった。


「なあ、この依頼は何だ? かなり金額が高いんだが?」

「この依頼はこの場所にしか生えていない薬草の採取依頼です、金額が高い理由は分りませんが

 最も可能性が高いのはこの周辺にはモンスターの群れがの噂が多いので、それが理由かと」

「あまり歯切れが良くないな 何でだ?」

「私達もここの情報は詳しくないんですよ、この依頼にも詳しいことは乗ってませんし」

「そうなのか・・・だが、この報酬は魅力的だな」

「どうします?」


報酬は1番じゃ無いにしろ、かなりの金額で10,000ゴールドだ。

これはかなりの数字で、タワーをクリアしたときの総合取得ゴールドと同じくらいある。

それに、この依頼は隣国の依頼のようで、コネにも繋がりそうだ。

だが、危険がある可能性が非常に高い、これを俺1人で結論として出すのは無茶だ


「うん、じゃあこれを持って帰るか、それで、りえるさん達と相談して、結論を出すことにする」

「そうですか、では、結論が出たら教えてください」

「分った、ありがとうな」

「いえいえ、ではまた」

「それじゃあ、私も行きますね」

「あぁ、クロナ、また来なさい」

「はい、では」


そして、俺達はギルドに戻った、そして、俺はりえるさんにこの依頼について話をした。


「確かに10,000ゴールドは大きいわ、でも、危険そうよね」

「はい、そうですよね」

「なら、こちらも主力で行きたい所だけど、残念ながら私は明日の為の指示があるし

 リエもこっちについて貰うことになっているし・・・うーん、自由に動けるのが

 修介君、明美ちゃん、勇次君、愛ちゃん、ミミ、源川兄妹なのよね」

「じゃあ、どうします? この依頼は諦めますか?」

「いえ、修介君、明美ちゃん、勇次君、愛ちゃん、ミミ、亜那ちゃんで頼むわ」

「そっちは4人で大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ、それじゃあ、皆に伝えてくるわね」


そして、りえるさんは全員にこの事を話した。

すると、新人3人は出来れば3人で行動したいと言い始めた。


「なんで3人で行動したいのかしら?」

「一緒に頑張って、一緒に強くなろうって約束したから・・・」

「でも、相当危険よ? 何が起こるか分らないし」

「分ってます、でも、でも・・・」


3人は少し泣きそうな顔をした。

その顔を見たりえるさんは頭を少し押え、仕方なさそうな表情をした。


「分ったわ、依頼のメンバーは修介君、愛ちゃん、明美ちゃん、そしてあなた達にするわ」

「本当ですか!?」

「でも、危ないと感じたら逃げるのよ、あなた達もね」

「分りました、お任せください!」


そんなメンバーで話は終わり、になる所だったが、今度はミミさんが不満そうな表情を見せた。


「何? 何か不満でもあるの?」

「うちも出来れば依頼の方が良いんだけど・・・」

「駄目よ、流石にね、あなたは連携が苦手のようだし」

「うちだって少しは連携を取れるようになったと思うんだけど?」

「馬鹿言いなさい、昨日は暴走してたじゃ無いの」

「だけどさぁ」


ミミさんは引き下がろうとしない、まぁ、ミミさんは戦いが好きだからな。

そして、りえるさんはまた頭を抱えた。


「はぁ、分ったわ、じゃあ、修介君、ミミ、リエ、源川兄妹、これでいいわね!」

「お姉ちゃん、良いの?」

「えぇ、あなたをそっちにしたらこっちがしんどくなるけど、まぁ、良いわ

 大切な仲間を失うよりは良い、でもミミ! ちゃんと修介君とリエに従いなさいよ!」

「分ったよ」

「絶対だからね! 流石にこれを破ったらギルドから追い出すから!」

「そこまでかい!?」

「そこまでよ! 今の世界で3回死んだら本当に死んじゃうんだから!

 それと、エクスタシーは絶対に使っちゃ駄目よ!」

「わ、分ったよ、流石にギルドから追い出されるのは困るからね・・・

 それにしても、3回死んだら終わりなんだね、知らなかったよ」

「じゃあ、しっかりと覚えておきなさい、重要だからね」


やれやれ、これは大変な事になりそうだ、まぁ、何も起こらないことを願おう。

・・・俺の願い、届くと良いな・・・

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