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初心者エリアのレアモンスター、ギガンテス

確かこの場所で出てくる巨人の名前はギガンテスだったかな。


ギガンテス、古代からこの大地に眠る巨大なる神の手先。

高い攻撃力に高いHPを持つ、非常に執念深く、獲物は絶対に逃がさない。

何処までも何処までも追いかけてくるであろう。

と言うのがこのモンスターの設定だったはずだ、間違いなく殺すためのモンスターだな。

それも、この場所に居る初心者全員をだ、本当に恐ろしいモンスターだな。


「うーん、今日は不幸だな」

「そうかい? 結構幸運だと思うけど? 一応ギガンテスはレアモンスターだし」

「嫌な幸運ですよね」


俺の運のステータスは多分レアモンスターとは関係が無いんだろうな。


「まぁ、うちは結構嬉しいよ、ギガンテスとは戦ったことが無いしね!」


ミミさんはそう叫ぶと1人でギガンテスに接近した。


「あ! 1人で突っ走らないでくださいよ!」


全くどんだけ戦闘狂なんだよ、なんで1人で突っ走るんだよ。

仕方ないな、多分この人は連携してくれと頼んでも無理だろうな。

こうなったら、俺があの人に合わせないといけないか。

こんな時にりえるさんが居てくれれば・・・はぁ。


「さぁ! うちを楽しませて!」

「ミミさん! 今は回復できる後衛は居ないんですから! あまりスキルを連発しないで」

「てりゃぁ!{グランドアックス}」

「がぁ!」


ミミさんの攻撃はちゃんとギガンテスには当った、そして、怯ますことは出来た。

しかし、このグランドアックスは1発でHPを100持って行かれる。

あの人はそんなスキルを何の躊躇いも無くぶっ放した。

基本的にバーサーカーはHPを消費するスキルが多い。


「よし! 結構怯ませたね!」

「がぁ!」


しかし、ギガンテスはその一撃で怯みながらもミミさんに攻撃を仕掛けた。


「あ、ヤバいかも」

「あぁ、もう!{テンペスト}」


俺は急いでテンペストをぶっ放した。

本当は胴体当たりに攻撃を仕掛けるが、今回は腕を狙った。

そうしないとミミさんに攻撃が当ってしまう。

ただでさえHPの消費が多いバーサーカーだ、ダメージは致命的だ。


「あ、危ない、ありがとね」

「猪みたいに突撃しないでください」

「それは出来ないね!{ギガントパワー}」


俺の忠告を無視して、ミミさんは怯んだギガンテスに更に追撃を仕掛ける為にスキルを使った。

ギガントパワーは消費HPは200もあるんだ、これも連発できない。

そして、この攻撃は次の一撃を強化する為のスキルだ、と言う事は。


「さぁ! これでどうだ!{ブレイクソウル}」

「はぁ!?」


ブレイクソウルは更に攻撃力を上乗せする大技だ。

消費は300とかなりの消費となる。

この2つを切るって事は・・・嫌な予感がする。


「ぐらぁ!」

「あっと、もうちょっと待って欲しい、あぁ、そうだ、修介、何とかしてくれない?」

「あぁ、もう! ここは止めるしか無い! さっさとしてください!」


俺は一気にギガンテスに接近した、ギガンテスは当然俺の方に攻撃を仕掛けてきた。


「おっと{剣士の意地}」


俺はその攻撃を回避し、剣士の意地を発動させた。

このスキルはかなり接近しないと効果を発揮しない。

効果は簡単で、相手の注意を惹きつけるスキルだ。


「おぉ、ナイスだね、じゃあ、今のうちに{エクスタシー}」


やっぱりエクスタシーを発動したか、このスキルはクイーン・ゴブリンが使った物だ。

HP継続消費、恐らくこれが最も消費が激しいスキルだろうな。


「よしゃー! 暴れるよ!」


やっぱりこれを使ったらクイーン・ゴブリンみたいにテンションが上がるんだな。


「がぁ!」

「おわ! 攻撃が激しいな」

「どらぁ!{チャージクラッシュ}」


一気に接近してきて、ミミさんが強烈な一撃を叩き込んだ。

その一撃は相当な破壊力だ、流石は合計600ものHPを消費したスキルだ。

しかし、その強力な一撃を受けても、ギガンテスはまだ余裕そうだ。

本当に、初心者のエリアでこんな化け物を出すなよ。


「お? あの一撃を受けてもまだ生きてるんだね、面白いじゃ無いか!」

「ぐがぁ!」


攻撃スピードがさっきよりも速くなっている。

大ダメージを食らったからか、でも、まだ俺の方に攻撃が飛んできている。

剣士の意地は結構な影響力があるんだな。


「オラオラ! うちがボコボコにしてやるよ!」

「がぁ!」

「はぁ!? ちょ! こっちに倒れてくるな!」


ミミさんの猛攻撃で倒れてきたギガンテスはこっちの方に倒れてきた。

こんなのに潰されたら痛いじゃすまないぞ!?


「だぁ! 仕方ない!{影走り}」


流石に潰されるのはヤバい、こんな時こそ緊急回避の影走りだ。


「ついでだ{影斬り}」


あまりダメージを与えられるとは思わないが、折角だしな。


「おーい、大丈夫かい?」

「大丈夫ですよ、何とかね」

「ふーん、結構余裕があったんだね、攻撃を入れるなんて」


俺は後方に逃げる際に、ちょっとだけ首元を斬っておいた。

人間なら致命傷だ、でもこんなデカい化け物だから、いくら人型だと言っても。


「がぁ!」


当然、立ち上がるよな、まだ余裕があるようだし、どんだけ体力があるんだよ。


「あはは、やっぱり頑丈だね、じゃあ、このまま!・・・あ」

「ミミさん!?」


ミミさんが倒れた、これはヤバい、このままだと不味い!


「あはは、体力のこと忘れてたよ・・・もう無理かもね・・・」


どうやらエクスタシーの効果でHPが切れたんだな。

でも、確かHP200は残るんだったっけ、だが、動けそうには無いな。


「ちぃ、仕方ない、何とかこいつをこかすしか無いか」

「がぁ!」

「あ、こっち? この状態で?」


どうやら剣士の意地が切れたようだ、今まで攻撃を仕掛けていたミミさんの方に行ったか!


「だぁ、もう! 厄介だな!」


後先考えてる暇は無い、このままだとミミさんがやられる。


「どらぁ!{火炎斬り}」

「がう、がぁ!」


くそ、この攻撃でもまだミミさんを狙うか、仕方ない、スキルを節約なんてしてる暇は無い!


「一気にいくしか無い!{カマイタチ}{稲妻斬り}{ストーム}{ファイアートルネード}」


俺は今扱える攻撃魔法を一気に放った、正直しんどい。


「が、がぁ!」

「おわ!」


ようやく注意がこっちに向き、俺の攻撃で怯んだ。


「よし! 癒子! 今のうちにミミさんを回復させろ!」

「分かった、任せて」

「ん? あ、癒子ちゃんじゃ無いか、あはは、どうしたの?」

「癒やすよ」


そして、癒子は光だし、ミミさんを回復させた、少し時間がかかるし、出来ればまだ立たないで欲しい。


「がぁ!」


と言う願いはやっぱり叶わなかった、ギガンテスは立ち上がり、俺に攻撃を仕掛けてきた。


「ちぃ、まぁ言い、避ければ良いだけだ」


回避は得意な方だが、油断は出来ない、食らったらしばらくは立てれそうに無いしな。


「く、この、おら!」

「がぁ!」


流石に回避だけでは駄目だし、たまには攻撃を仕掛けないといけないよな。

通常攻撃でもクリティカルが確定だからダメージは叩き出せる筈だ。

しかし、これだけ攻撃しても未だに弱ってそうなそぶりを見せない。


「ちぃ、まだ元気だな、どんだけ頑丈なんだよ」

「がらぁ!」


ギガンテスが激しく地団駄を踏んだ、何処かでこんな技を見た気がする。

と言うか、距離を取らないと潰されてしまうな。


「っと」


俺は素早く後方に退き、潰されるのは避けられた。


「がぁ! がぁ! ぐがぁ!」


それでもギガンテスは地団駄を踏むのを止めない。

何だか揺れ始めた気がする、どんだけ力強く地団駄を踏んでいるんだよ。


「がぁぁ!!」

「はぁ!?」


ギガンテスは地面を思いっきり踏みつけ、地面にヒビを入れた。

そして、その場所を思いっきり掴み、持ち上げた。


「じょ、冗談じゃ無い」

「がぁ!」


そして、俺に向かって思いっきりぶん投げた。

これは・・・不味いかもしれない、影走りはまだ使えないぞ・・・


「うおわぁ!」


流石に避けることは出来なかった、俺は直撃を回避することは出来たが、少し当ってしまった。

そして、その威力で俺は結構吹き飛ばされてしまった。


「いっつぅ・・・と、とんでもない技を使って来やがって、直撃したら即死じゃ無いか・・・」


本当に何でこんな化け物を初心者エリアに置きやがったんだよ。

間違いなく初心者を殺すためだけのモンスターじゃ無いか・・・

まぁ、今はリアルなんだがな。


「がぁ!」

「ちぃ」


ヤバいな、この状態で追撃だと、ふざけやがって。

このままだと、ヤバいな・・・


「だりゃぁ! 行かせるか!」


その時、回復しきったミミさんがギガンテスを思いっきり攻撃した。

何とか間に合ったな、あぁ、危なかった。


「修介、回復、回復する」

「あぁ、ありがとう」


帰ってきた癒子に回復してもらった、本当にありがたいな。

さて、じゃあ、そろそろ反撃をしないとな。

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