サブ職業のレベル上げ
ホムンクルスの3人の尋問も終わった、さて、問題はこの後どうするかだ。
本当はまだ色々と探りたい情報はあるが、今は襲った理由だけで十分だ。
なんせ、あいつらの本拠地を聞き出せたとしても、今の装備だと難しいだろう。
こいつらはそこまで強い部類じゃないから2人で倒せたが、本拠地の奴らは
この程度では無いはずだ、せめて、もっと戦力が無いとな。
「さて、これからどうしますか?」
「そうね、とりあえず修介君は武器と盾を作って頂戴、ゴブリン系のね」
「分かりました」
「それと、愛ちゃんは防具用の革を縫って頂戴」
「うーん、出来るかな・・・」
俺はりえるさんの指示通り、装備を作る事にした、問題はどんな武器を作るかだ。
ゴブリン系の装備は多い、しかし、ゴブリンはそこまで強い部類じゃ無いし、そうだな。
現状作れて戦力アップになりそうなのはクイーン、ホグ、アーマ-、キラーの4種だな。
「りえるさん、どの装備を作れば良いですか?」
「とりあえず作っておいて、とにかくサブのレベルを30にすることを優先ね」
「はぁ、そうですか」
確か、レベルが30になったら武器の合成が出来るようになるんだったな。
合成元の武器に合成する武器のスキルをぶち込むんだったか。
となると、スキルは2つになる、結構便利なもんだよな。
さて、じゃあ、俺は無駄に手に入ったゴブリンの素材から武器を合成するか。
「すみません」
「ん? あぁ、クロナ、どうした?」
「いえ、私も見てみたいと思いまして、探検家の方の鍛冶という物を」
「癒子も」
クロナが癒子を連れて部屋に入ってきた。
「熱いぞ?」
「大丈夫です」
「・・・そうか」
どうにも出ていきそうには無いな、まぁ、同じ様な物を何個も作るだけだし、良いか。
それに、熱いだけだしな、クーラーが効いてるけど。
そして、俺は2人に見守られながらゴブリン系の武器を全種類作ってみた。
その甲斐あって、レベルは何とか30になることは出来た、それにしてもこんなに作ってもな。
「わぁ、すごい出来ですね!」
「ん? 分かるのか?」
「はい、鑑定眼には自信があるんです、本当にすごい刀、最上位なんじゃ無いですか?」
「そうかもな、あくまでその素材と武器の最上位だが」
「本当にすごい、これだけ作って全部最上位・・・」
クロナは俺が作った武器と盾をジッと見ている、それだけ出来が良いのか?
「でだ、この武器はそんなに出来が良いのか?」
「はい、勿論です、王家に献上しても何の問題も無いくらいですよ」
王家に献上って、ふーん、あまり実感は無かったがやっぱりすごいんだな。
まぁ、その武器の最高の能力を引き出せるし、当然かもしれないが。
「探検家の方はこんなすごい武器を作れるんですね」
「そうかもな」
と言っても、俺は他のプレイヤーが作った武器を見たことがないがな。
「さてと、じゃあ、俺はりえるさんに報告してくる」
「あ、じゃあ、私も行きます」
そして、俺が鍛冶部屋から出ると、そこにはりえるさんがミミに何か相談をしていた。
「どうしたんですか?」
「あぁ、修介君、終わったのね」
「はい、それで、何かあったんですか?」
「実はね、ギルドの参加願いがすごい来てるのよ」
「そうそう、だからうちに相談してたんだ、これどうしようとかいってね」
「リエはまだ寝てるし、修介君は鍛冶、愛ちゃんは裁縫に集中してるし、明美ちゃんは買い物
勇次君は散歩で、残ったのがミミしかいなくてね」
「で、うちは全部受ければ良いって言ったんだ、数は多い方が良いからね」
まぁ、確かにそうだな、折角このギルドも広いんだし、そろそろ増えてもいい気がする。
「所で何個来たんですか?」
「3つよ、多いでしょ?」
「・・・多いんですか?」
「勧誘もしてないのに3つなんて十分多いじゃない」
はぁ、3つかそれなら何の問題も無いような気がするな。
「で、全部初心者なんだ」
「はぁ、初心者ですか」
「えぇ、まぁ、そこは良いの、面倒はミミに見てもらおうかなと思ってるから」
「うちが? まぁ、良いけどさ」
「はぁ、なら問題ないんじゃないですか?」
「ふーむ、そうね、修介君もそう言うなら許可しようかしら」
「あぁ、それが良いよ、面倒はうちがまとめてみるからね」
「そう、じゃあ、頼むわよ」
そして、りえるさんはギルドから出て行った、多分、許可を降ろしに行ったんだろう。
「さて、うちも準備しないとね」
「あぁ、そうだ、ミミさん、一応武器を作ったんですけど、要ります?」
「武器? そうかそういえば作ってたんだっけ」
「はい、一応それなりの物を作りましたよ」
俺はミミさんの為に作ったホグゴブリンの斧を手渡した。
ホグアックス、ホグゴブリンの素材から作られた斧。
この武器はひたすら素材を求める貪欲なプレイヤーの意地がこもっている。
効果、ドロップする素材の量が多くなる。
HP、+700
MP、+100
攻撃、+1000
防御、+0
魔力、+10
精神、+50
効果は完全にドロップ用だ、でも、攻撃力が非常に高く、バーサーカーにはうってつけだろう。
「ふーん、完全攻撃特化の武器か、それにHPの上昇も高い、うん、うちむきだね、ありがとう」
「いえ、喜んで貰えてよかったです」
バーサーカーはスキルを使う際にHPを消費するのが非常に多い。
一撃で300も吹き飛ばすスキルもある、クイーンが使ってきたエクスタシーもあるしな。
あれのスキルは消費がえげつないし、HPが多くなるのは非常に嬉しいだろう。
「うぅ、痛い、裁縫って言うのは難しい」
俺がミミさんに武器を私と、愛が自分の部屋から出てきた。
手は絆創膏の様な物を沢山付けている。
「どうしたんだ? もしかして、針で何度も指を刺したとか?」
「そうだよ、くぅ、地味に痛い」
探検家だろうと痛い物は痛いんだろう、まぁ、当然だよなと。
「じゃあ、私、が、治すよ」
「うぅ、いや、良い、流石にあなたの能力をこの程度の怪我で使いたくない」
「そう、分かった」
癒子はそう言うと、俺の頭の上にのっかった、いつもの定位置だな。
「そういえば、温泉は回復するんじゃ無かったっけ?」
「あぁ、そういえば、じゃあ、あたしは温泉入ってくる! あ、そうだ、はい、革、じゃあ!」
愛は俺に革を渡して温泉に走って行った、しかし、温泉に入っただけで治る傷・・・
うん、探検家は便利だよな、色々と。




