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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第8章、ホムンクルス
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襲撃者の正体

「その、1つ聞きたいことがあるんですが」


クロナ何だか不思議そうな表情をしながら話しかけてきた。

その視線はりえるさんの頭の耳を見ているようだった。


「な、何よ・・・」

「その頭の耳は何で付けているんですか?」


俺達からしてみればもう普通の事なんだが、NPCからしてみれば珍しいんだろうな。


「付けてるわけじゃ無いのよ? これは生えてるの」

「そうなんですか? ちょっと触らせてくださいよ」

「べ、別に良いけど、優しくしてよ?」


クロナはりえるさんの耳を軽く触った、りえるさんは耳を触られて少し痛そうにしている。

あの耳にも神経は繋がっているんだな、少し意外だ。


「すごいですね、何だか柔らかいですし、毛も本物ですね」

「言ったでしょ? これは作り物じゃ無いの、本物よ」


りえるさんは触られた場所を軽く撫でそう言った、やっぱり痛いんだろうな。


「りえるさんの耳、私も触ってみたいんですけど」

「だ、駄目よ、痛いんだから」

「良いじゃないですか」

「駄目、あなた達の力は強すぎるの」


プレイヤーはNPCよりも筋力が高いことになっている、それは後衛でも同じ事だ。

だから掴んだら痛いんだろうが、でも、加減くらいは出来るし、なんでこんなに嫌がってるんだ?


「手加減しますって」

「不安なの、前リエに触らせた時に、本当に痛かったんだから・・・」

「手加減って難しいよね」


どうやらリエさんに触らせた時にかなり痛かったみたいだな、手加減が苦手だったんだろう。


「あの時は痛かったわ、耳がちぎれるかと思ったわよ」

「な、なるほど、だから嫌なんですね」


そういえばクロナが触っていたとき、この時もあまり力は入れて無さそうだったが。

それでも痛そうにしていたな、それだけあの耳は弱いんだな、兎の耳は神経が沢山あるらしいし。


「とりあえず、その、触らせてくれてありがとうございます」

「いや、良いのよ、あなた達はそんなに力は無いし」

「お待たせしました」


丁度会話が終わった頃、奥の部屋からグロウブが出てきた。

その手には沢山の資料がある。


「資料を集めてきたので、お話しします」

「あ、はい、お願いします」

「では、今回この街を襲ったのはホムンクルスです」


グロウブが今回の襲撃について細かく話してくれた、今回の襲撃は10人ほどのホムンクルスの襲撃。

その1人1人がかなりの力があり、ダメージを与えても回復した。

その為、対象はホムンクルスだと推測したそうだ、人の形をして、あそこまでの力があるモンスターは

ホムンクルスしかいないからだそうだ、その為、勝利は困難だったそうだ。

更に、彼らの言語もイマイチよく分からない物だそうで、言葉は理解できなかったそうで

襲撃の理由は不明、確かに何かを言っているんだが、その何かがよく分からない、そういうことだ。

この話を聞いて、俺達は当然、最初に疑問に思ったことがある。


「待って、理解できない言葉? どういう意味?」

「そのままの意味です、彼らは確かに何かを話しているのですが、それが理解できない

 それは探検家の方々も同じ様で、とにかくよく分からないのです」


おかしい、俺達は今まで何度かホムンクルスと戦った、そして、全ての言語を理解できた

さらには会話も成立している、なのに、他の奴らはあいつらの言語を理解できないだと?


「それはおかしい、あたし達は何度かホムンクルスと戦ったけど、言葉は理解できた」

「それは本当ですか!?」

「えぇ、会話も成立しているし、お互いに言葉は理解しているはずよ」

「それはむしろあなた達がおかしいのではないでしょうか?」


ま、そうなるよな、普通に考えて大多数が会話が出来てない、と言うのならごく一部の会話が出来る

と言った奴はおかしいんだろう、俺達からしてみれば会話が出来ない方がおかしいがな。


「・・・その可能性は捨てきれないわね、でも、だとしたら何で私達だけ・・・」

「では、他の方達に無く、あなた方にだけある物を教えてください」


他の奴らには無くて、俺達にある物、俺が最初に思いつくのは癒子の存在だ。

だが、最初にホムンクルスの少年と会話したときには癒子はいなかった。

だったら癒子は関係ないのか? あぁ、もう、分からない・・・


「・・・・・・そうね、1つ心当たりがある、と言っても正確には2つかしら、いや、もっとあるかも」

「何ですか? それは」


俺達はその言葉を聞いて、一斉にりえるさんの方を向いた。


「私も1つ違和感があった、修介君達と別れて戦ったときに、私はそのホムンクルスの少女の言葉を

 理解することが出来なかったの、何故かね」

「そうなんですか? でも、そんな事一言も・・・」

「言うまでも無いと思っていた、でも、今、冷静に考えてみると、最初は言葉を理解していたの

 あ、最初って言うのは皆でいる時ね」


その時には理解できていたのに、別れたら理解が出来なくなる・・・どういう意味だ?


「そして、他人には無くて、私達にある物、それは多分修介君の存在」

「え? 俺ですか? 何で?」

「あなたは運が異常でしょ? 周囲も理解できる理由は分からないけど、多分最も大きな可能性よ」


まさか、俺があいつらの言語を通訳しているとは、しかし、自分1人だけが分かるというのなら

まだ納得は行く、だが、自分の周りの奴らにも影響があるって言うのがよく分からない。


「・・・・・・そういえば、グレンってお前にも懐いていたよな、何もしてないのに」

「そうだったか?」

「あぁ、そうだ、チャチャもお前には俺と同じくらいに懐いている、よく分からねぇが

 それに理由があったりするんじゃねーの? 癒子ちゃんも懐いてるし」


勇次はそう言うが、俺は普通にモンスターに襲われたりするし、懐かれてはいないと思うが

こいつの言っている事にも一理あるかもしれない、確かにそうだな、何故か懐かれている。

勇次のように体当たりで交流しようとしている訳じゃ無いんだがな。


「よく分からないが、俺には何かがあるかもって事か?」

「あぁ、そうだ」

「よくは分かりませんが、あなたがモンスターに懐かれやすい体質で、更に不思議な力もある

 と言うことは分かりました、では、私達はホムンクルスの動向を探りましょう」

「なんでかしら? 普通なら修介君を調べそうだけど?」

「何であれ、あなた方はホムンクルスに対抗する力がある、私達は街が無事ならそれで良いのです

 重要なのは被害をこれ以上にしないこと、ですので、時間がかかる不思議な方を調べるよりも

 その方に協力して、いち早くホムンクルスを倒す、それを優先したいだけですよ」


グロウブはそう言うと、笑いながら立ち上がり、奥の部屋に入っていった。


「要するに、どういうこと?」

「はい、協力すると言うことです、グロウブさんはそんな方ですからね」


よくは分からないが、とりあえずは協力してくれると言うことか。


「そうだ、クロナ、しばらくの間その方々と一緒に過しなさい」

「え? ですけど、方々の許可は取らないで良いんですか?」

「では、聞いてみてくれ」

「あ、はい、あの、どうでしょうか」


クロナは少し困惑しながら俺達に許可を求めた。


「ま、良いんじゃない? 何かが分かったらあなたを通して連絡してくるつもりなんでしょうし」

「まぁ、ギルドマスターの許可が下りたのなら問題ないな、俺は」

「俺もだぜ、それに、カワイコちゃんが増えるのは嬉しいからな」

「私も良いんですけど、その、ここの変態には気を付けてくださいね」

「な!? 変態じゃ無いし!」

「私も大丈夫」

「あたしも」


満場一致で許可が下りたな、ま、味方に付いてくれているNPCを拒む理由はないしな。


「ありがとうございます、では、しばらくの間お世話になりますね」


クロナは満面の笑みでそう答えた。

さてと、じゃ、クロナを連れて、ギルドに帰るかな。


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