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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
プロローグ、ランクタワー
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ダンジョンボス、オークとの戦い

初めて潜ったダンジョン、俺達はそのダンジョンのボス、オークと戦う事になった。

オークはりえるさんの話では攻撃力、HPが異常に高く、長期戦は必至らしい。

長期戦に前衛が耐えるには、防御よりも回避に専念するか、後衛のサポートが重要だそうだ。


「それじゃあ、修介君、あいつの足止め、頼んだわよ!」

「はい!」


俺はりえるさんの指示通り、オークに接近し、攻撃を仕掛けた。


「折角覚えた技だ! 食らえ!{火炎斬り}」


俺が放った攻撃はオークにしっかりと当たり、やっぱりクリティカルが出た。

クリティカルってかなり出やすいんだな、このゲームは。


「またクリティカルとはね、かなり運が良いじゃないの!{チャージショット}」

「確かに、修介はクリティカルばっか出すよな! {ポイズンナイフ}」

「それだけ、運が良いんでしょうね{ファイヤー}」

「ほん、とうに、そ、れだけ? {フォース}」


俺が前衛で攻撃の回避に専念している間に、後衛、中衛の4人が攻撃をしてくれた。

その攻撃は全て、完璧に当たり、確実にオークにダメージを与えていった。

俺はたまに訪れる隙を突き、攻撃したりしているが、その攻撃も全てクリティカルだった。


「ぐおぉぉ!!」

「く! これは厳しい!」


オークはいきなり暴走し始め、周囲に当たり散らした。

攻撃手数が今までの比ではないため、回避はかなりキツい!


「明美ちゃん! フラッシュ!」

「え?はい! {フラッシュ}」


後ろから広がるとても強い光が周囲を一瞬だけ呑み込んだ。

なるほど、これがフラッシュか。


「ぐおぉぉ!!」


明美のフラッシュを受けたオークは目を押え、的外れな方向ばかりを攻撃し始めた。

フラッシュはやっぱり目つぶし効果があったんだな。

俺はその隙に接近し、再び大きな攻撃を仕掛けた。


「行くぜ! 連撃!」


俺はオークに接近し、スキルは殆ど使わずに通常攻撃で連撃を叩き込んだ。

スキルは隙が大きく連続で叩き込むには向いてないと判断したからだ。

俺の読みはあながち間違ってはおらず、何発も攻撃を叩き込めた。

更に、その攻撃の全てがクリティカルだ、少しだけ怖くなったが、マイナスは無いし、別に良いか。


「食らえ!{「火炎斬り}」

「ぐがぁうぁ!」

「マジかよ」

「あのまま倒れると思ったんですけどね」

「それよりも、全部の攻撃がクリティカルってどうなの?」

「今はそんな事どうでも良いっすよ! さっさとあのでかいの倒して! モテモテになりましょう!」

「そうね、まぁ、さっさと仕留めましょうか!」


しかし、オークに結構なダメージを叩き込んだ気がしたが、それでもあいつはまだ元気だ。

これがダンジョンボスか、そんじょそこらのモンスターとは比べものにならない強さだ。

それにしても、ここは初級クラスのダンジョンだろ? それなのにこんなに頑丈な敵が来るなんてな。

中級、上級になったらどんな化け物が来るのか・・・いや、それは良いか

今は、このでかいのを潰さないとな。


「結構攻撃を入れたと思うのだけど?」

「まだなのかよ!」

「な、んだ、か、げー、むの、ときよりも、がん、じょう・・・」

「え? 本当はこんなに硬くないんですか!?」

「えぇ、本当はもうとっくに倒れてるはずよ!」

「マジっすか!?」


どうやら、こいつは今まで以上に硬くなってるようだ。

そんなのと当るなんて、運が無いな。


「多分、予想だけど、ゲームがゲームじゃ無くなって、バランスが壊れたんだと思うわ」

「バランスが?」

「えぇ、今までも結構壊れていたけど、それが更に壊れて、プレイヤーが絶対にクリアできる

 ダンジョンから、クリアできない可能性があるダンジョンに化けたんだと思う」


要約すると、今まではクリアできたダンジョンが、クリアできないダンジョンになっている

可能性があるって事だな・・・最悪だな。


「どうしよう・・・」

「何! 攻撃を入れたら勝てる! ゲームじゃ無いなら! 相手も生き物だ!」

「修介さん・・・そうですね! 攻撃してたらいつか倒れますよね!」

「元気なことで、まぁ、そうよね! 攻撃してたらいけるわ!」

「ぜ、絶対、に、勝つわ」

「よっしゃ! 一気に暴れてやろうぜ! 修介! 援護は任せろ!」

「頼んだ!」


俺達は再びやる気を取り戻した。

相手がいくら強かろうと、根気よく行けばいつかはくたばる!

俺達は一気にスキルを切りながらオークを削っていった。

そして、ようやく。


「捉えた! {チャージショット}」

「がぅらぁーーーーー!!!」


りえるさんがぶっ放した攻撃を脳天に食らったオークは大きな音を立てながら倒れ、動かなくなった。


「はぁ、はぁ、や、やっと、落ちたか」

「結構大変だったわね、あ、そうだ、レベルはどうなったかしら?」

「レベル7になりました」

「俺もです」

「俺も」

「よし!」

「私も、レベル16に上がった」


どうやら、目標は達成できたようだ、後はサブで鍛冶屋になれば良いだけだ。


「よし、じゃあ、お宝でも見てみますか」

「お宝?」

「えぇ、ダンジョンの奥にはお宝があるのよ」

「いやぁ、ゲームって感じっすね!」

「元ゲームだからね」


俺達は奥の部屋に入っていった。

そこはまさに宝の山だった、素材も沢山あり、結構な収穫だ。

その中に、1つだけ、妙な物があった。


「愚者の証って・・・なんか、証明されたくないんだけど」

「それ、結構なレア物よ? 愚者系の武器や防具を作るときに必須なんだから」

「へぇ、これがレアなんですね」


俺達はとりあえずこの宝の山を回収して、戻ることにした。

そんな時、明美とりえるさんが会話をしているのを目撃した。


「いやぁ、疲れましたねぇ」

「えぇ、結構汗かいたわ、やっぱりゲームはゲームのままで良かったわね」

「そうですね、ふぅ、あぁ、お風呂入りたいですね」

「そうねぇ」


りみるさんと明美はガールズトークに花を咲かせていた。

そういえば風呂ってどうすんだろう、考えてなかったな。

まぁ、聞きたいが、あの中に入るのは厳しいかもしれない。


「そういえば、りみるさん、1つ気になったんですが」

「何かしら?」

「お風呂って何処で入れるんですか?」


おぉ、丁度良いタイミングで明美が聞いてくれた、これはありがたいな。


「あぁ、お風呂、と言うより温泉はギルドのレベルが20になった時に解放されるわ

 たしか、効果は体力の瞬間回復だったかしら、1日に1回しか効果が無かったと思うけど・・・」

「あ、あの、だとしたら、私達って、どうやってお風呂に入れば良いんでしょうか?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


謎の沈黙が2人を包んだ。

しかし、そんな空気を知らない勇次がしれっと2人に話しかけようとした。


「あれ? どうした? 2人と」

「「あぁぁーーーーーーーー!!!!!」」

「うわぁ!」


丁度勇次が話しかけようと近づいたタイミングで2人は大声を上げた。

あいつは、本当にタイミングが悪い男だ。


「しまった! 忘れてた! どうするの!? 私達ギルドレベル20になるまでお風呂無し!?」

「ヤバいですよ! どうしましょう!」

「あぁ、ビックリした、別に風呂なんてどうでも」

「良くない!!」

「うお!」


勇次はテンパったりえるさんに胸ぐらを捕まれた。

本当に、運が悪い奴。


「お風呂には入れないのは乙女にとっては死活問題なのよ!」

「わ、分かった、分かったっすから! ぶんぶんしないでぇ! イテ!」

「こうしちゃ居られないわ! あなた達! いい!? 全力でギルドランクを上げるわよ!」

「あ、はい!」


こうして、俺達のお風呂を手に入れるための冒険が始まった。

いや、まぁ、お風呂をゲットしたらお終いって訳じゃ無いがな。


「は、はうぅ、目が回るじぇ~」

「災難だったな」


しかし、長い旅になりそうだ。

と言うか、風呂くらい水浴びで良いんじゃないか? とか思ったが下手に言うと

俺まで勇次の二の舞になりそうだから、黙っておくことにしよう。

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