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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第7章、次の物語に
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ホムンクルス姉妹の妹、梨々

奈々と言われていた少女を撃破し、一息吐こうとしたが、もう一方の少女、梨々がこちらにやってきた。

先に攻撃してきたのはそっちだってのに、完全に逆ギレ状態だよな。

でも、戦いは避けれないか、むしろこの状態で戦いを避けれる訳がないな。


「奈々の敵!」


梨々は大きく地面を蹴り、こっちに飛んできた、動きは一切変わっていないが、最初よりも速い。


「ちぃ{カマイタチ}」

「うおぉぉ!」


予想はしていたが、梨々はカマイタチに一切怯まず接近してきた。

体はカマイタチでボロボロなのに、それでも突撃してくるとは・・・


「食らえ!」


彼女の狙いは俺か、まぁ、その方が良い、対処は出来る。


「当るかよ{影走り}」

「わぁ!」


俺が攻撃を回避すると、彼女は大きくバランスを崩した。

当ることが前提で全力攻撃をするとこうなるのは当然だよな。


「おまけよ{エネルギーホール}」

「そんなのあり!? きゃー!」


俺の回避を予見していたようで、リエさんは瞬時にエネルギーホールを設置した。

トラップ系のスキルは敵の足下に出せば即発動の攻撃スキルにもなる。

ただ、危険も大きいため、基本的にはしない、それが普通だ。

だから彼女もこの攻撃を予想することは出来なかったんだろう。

彼女はその罠に接触し、大きな爆発に巻き込まれ、吹き飛ばされた。


「流石はリエさん」

「あなたこそ、よく避けてくれたわね」

「避けないと瀕死でしょうからね」


彼女は姉と違い純粋な攻撃タイプのホムンクルスだろう。

そんな奴の攻撃をまともに受けたら・・・まぁ、後衛は即死だろうな。


「こ・・・この程度!」


吹き飛ばされた梨々がゆっくりと立ち上がった。

カマイタチの傷も殆ど癒え、爆発ダメージも回復し始めている。

流石はホムンクルスだ、姉ほどじゃないにせよ、回復スピードが尋常じゃない。

これはMPとかの消費もなく使えるんだ、ホムンクルスはとんでもないな。


「まだやるのか?」

「当然!」


梨々はそう答えると、横にあった木を折り、折れた木を掴んだ。

今度は木を使って攻撃してくるのか、洒落にならない・・・


「あ・・・あれはヤバそう」

「た、確かに・・・」

「どうだ! 今度はこれでお前達を攻撃してやる! ・・・へ?」


梨々が折った木から大きな蜂の巣が落ちてきた、この世界にも蜂は居るんだな。

多分リエさんと明美が反応したのはあの大きな蜂の巣だろう。

その巣から大量の蜂が現われ、梨々に向かって突撃していった。


「ちょ! わぁ! く、来るなぁ!」


梨々はその蜂から逃げだした、蜂に刺されたら痛いしな。

そして、その一部が俺達の方に飛んできた、こっちもヤバいかも。


「だぁ! もう! 逃げるぞ!」

「わ、分かってます!」

「面倒なことをしてくれたね」


俺達は倒した奈々を抱き、そこから逃げだした。

正直この子を運ぶ義理は無いが、かわいそうだし、仕方がない。


「てか、明美! ファイアーとかで倒せないのか!?」

「で、出来るかもしれませんけど、出来ないかもしれません!」

「どっちだよ!?」

「ファイアーは単体攻撃魔法、相手が蜂でも多分無理」


普通は一網打尽に出来るだろうが、この世界は元ゲームの異世界だからな。

もしかしたら蜂相手でもリエさんが言うように単体にしか効果が無いかもしれない。

だとしたらここは逃げるのが優先だな。


「あぁ! お姉ちゃんを連れてくなぁ!」

「ちょぉ!」


梨々が蜂から逃げながら俺達の方に石を投げてきた、危うく当るところだった。

それにしてもすごい勢いだ、目の前の木に大きな窪みが出来た、当ったら不味い。


「てりゃぁ!」

「馬鹿! もし当ったらお前の姉さんが蜂に刺されるって!」

「あぁ! そうかも! お姉ちゃんを人質にするなんて卑怯ものぉ!」


卑怯者って、俺が抱いて逃げてなかったらこいつは蜂に刺されてたと思うが・・・

いや、刺されてないかもしれない、蜂って動いている奴にしか攻撃しなかった様な・・・

でも、興奮したら手当たり次第に攻撃しそうだし、やっぱり刺される危険性はあるな。


「人質じゃありませんって! 蜂から守ってあげてるだけですよ!」

「嘘吐くなぁ!」


梨々は蜂から逃げながら俺達を追ってきた、逃げながら追うって、器用なことを。

だが、俺達も蜂に追われている、そんな俺達を襲うって事は。


「あぁ! 正面からも蜂がぁ!」


まぁ、俺達を追ってきている蜂がそっちに行くよな、これは刺されるか?


「でぇい! 邪魔するなぁ!」

「うるさ!」


かなりイライラしていたのか、彼女はとんでもない大声で叫んだ。

その声が相当な音量だったせいか、蜂たちは一斉に落下した。


「何か知らないけどチャンス! 食らえ!」

「マジかよ!」


彼女は俺がこの子の姉を抱えているってのに全力で攻撃してきた。


「ぐぅ!」


俺は彼女の姉を庇うように背を向け、強烈な一撃を食らってしまった。

何で俺はこの子の姉をこの子から守ってるんだよ・・・


「げふ!」


その勢いのまま、俺は近くの木に思いっきり衝突した。

体勢的に潰す形になるため、彼女の姉を手放したが、正直なんでクッションにしなかったんだ? 

手放した直後にそう思った、なんせこいつの回復力はとんでもないし・・・


「お姉ちゃん!」


彼女は位置的にリエさんか明美を攻撃出来る場所に居たが、そんな事より自分の姉の方に駆け寄った。

さっきまで全力で殺しに行ってたのに、天然だったなら相当恐ろしい奴・・・


「修介、回復する!」


その間に癒子が俺を回復してくれた、よくあの勢いの中で頭に引っ付いていられたよな。

それにしても、本当に癒子はすごいな。


「お姉ちゃん! しっかりして!」

「あぁ・・・妹に殺されるかと思ったわ」

「わ、私がお姉ちゃんを殺すわけ無いじゃん!」

「私めがけて全力の一撃が飛んできたのが見えたんだけど?」


あぁ、あの段階でもうすでに目が覚めてたのか、拘束は出来てないし、どうするか・・・


「あ、あれはお姉ちゃんを助けるために!」

「あ、あのねぇ、もう少し周りを見なさいよ、あの人が何でか知らないけど私を庇ってくれなかったら

 ヤバかったわよ? 私はまだ弱ってるんだから・・・」

「庇った? あの人が?」

「そうよ、あなたの一撃から守ってくれたし」


よくあの一瞬でそこまで分かったな、流石はホムンクルスの反射神経だ。

それに思考力も馬鹿には出来ない、妹と違って頭が良いな。


「修介! 明美ちゃん! リエさん! 何処だ!?」


勇次の声が聞えた、もう少し早めに来てくれてたらよかったのにな。


「よかった、お姉ちゃん達が来た」

「・・・リーちゃん、ここは逃げるわよ」

「何言ってんの! 大丈夫! あいつら位私1人で問題ない!」

「この状態の私を庇いながら戦えるの?」

「う・・・そ、それは・・・」

「分かったら逃げる!」

「わ、分かったよぅ・・・」


あの姉妹が動いた、どうやら逃げるようだな。


「今度あったらコテンパンにしてやる!」

「私としてはもう2度と会いたくないわ、もう来ないでよ!」


そう言い残すと2人はすごい勢いで走って行った。

これは追いかけても追いつけそうにない、ホムンクルスの身体能力は恐ろしいな。

しかし・・・かなり痛いな、やっぱり後衛が食らったら即死だな、こりゃぁ・・・


「お、居たな! あいつらは!?」

「逃げてった、もう追いつけそうにない」

「身体能力が高いのね、私達から離れたときもそうだったけど」

「あの怪力女・・・厄介すぎる・・・」


愛の体は結構ボロボロだった、それだけあいつの攻撃が強烈だったんだな。

まぁ、それは俺も身をもって体験した、あれはヤバいね、まともに食らいたく無いかな。

それは良いか、とりあえず、今回は俺達の勝ちって所かな。

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