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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第7章、次の物語に
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ホムンクルス姉妹の姉、奈々

奈々と呼ばれていた女の子の再生能力は非常に高い。

カマイタチで受けた程度の傷なら瞬時に回復するようだ。

それに、勘違いかもしれないがもう一方の女の子と比べると回復能力が高い気がする。

ただ、攻撃スピードはこっちの方が遅いように感じた、と言ってもほんの少しだけだが。

その代わりにこっちは回復スピードが高いのかもしれない、可能性は結構あるはずだ。


「厄介な回復能力だな・・・」

「それはお互い様でしょ?」


まぁ、そうだよな、俺達もかなりの回復能力がある、回復系の魔法を扱えば瀕死の重傷だろうが

瞬時に回復することが出来るのだから、多分、敵MPCも今の俺達みたいな気持ちなんだろうな。

攻撃してもすぐに回復する、これが回復の驚異か。


「確かにそうかも、でも、関係ない、私達はあなたを倒す」

「無理ね、あなた達では私を倒すほどの火力は無いから」

「それはどうでしょう? {召喚、サンダーラット}」


明美はサンダーラットを召喚した、ただ、サンダーラットはそこまで火力は高くない。

しかし、この状況でダメージ源を増やすのは結構効果的かもしれない。


「ちゅう!」

「攻撃手段を増やしても無駄よ!」


奈々と呼ばれていた少女はサンダーラットを優先的に攻撃し始めた。

しかし、サンダーラットは攻撃よりも回避を優先しているようだ。


「もう1回! {召喚、アイスドック}」

「ワン!」


今度はアイスドックか、普通ならファイアーバードが無難だろうが、ここは森の中だ

あんな燃える鳥を召喚したら森が焼けちまう、だから召喚しないのか。


「数を増やしても無駄だって!」


やっぱり召喚獣の方を優先して攻撃している、そして、リエさんはマナエネミーを使った。

この地点で俺はようやく2人の考えが分かった、だとすると俺は足止めをした方が良いだろう。


「あまり暴れてくれるな」

「暴れないと戦えないでしょ?」


奈々は俺の攻撃を回避した、これで俺に注意が向いただろう。

後は時間を稼ぐだけだ、防ぐのは厳しいし、回避優先で行くかな。


「それ! どう!?」


奈々は俺に対し結構な勢いの攻撃を連打してきた、やはり怪力は怪力だ。

攻撃スピードも相当な物だ、だが、マナエネミーや召喚獣のお陰で最初の様な攻撃はしてこない。

それは俺から離れると集中攻撃を食らうからだろう。

実際、この距離にいれば俺が攻撃に巻き込まれる可能性が高く、召喚獣は攻撃が出来ない。

やはりこいつは頭が良いな、本当に厄介な奴だ。


「援護がない状態で、何処まで持つの?」

「そうだな、20分くらいか」

「もっと速いんじゃない?」


そう言い、彼女の攻撃スピードが速くなり始めた。

これは厳しいかもしれない、でも、あと5分くらいは耐えるしかない。


「頑張るね、本当に」


5分ほど経過した、リエさんが俺に何かの合図をしているのが見える、準備が出来たか。

だったらもうこれ以上こいつの近くに居る必要は無い。


「そこだ!」

「ぐぅ・・・」

「追い打ちだ{テンペスト}{ストーム}」


俺は奈々を蹴り、後ろに話した直後にテンペストとストームを同時に発動した。

それと同時にリエさんはフォースキャノンとフォースを

明美はファイアー、サンダー、アイスの3つの攻撃魔法を放った。


「これが狙いだったの、でも、この程度じゃあ!」


奈々はそう言い、守りの構えを取った、確かにこの程度ならこいつを倒す火力は無い。

でも、これが狙いじゃない。


「予想が外れたね{マナロック}」

「へ?」


リエさんはマナロックで攻撃魔法を完全に停止させた。

魔法の状況は完全に奈々を包囲する物だ、これで動きは封じた。

そして、このマナロックはどうやらマナエネミーも召喚獣も止まるようだ。


「そして、これよ」


リエさんはストックで貯めていたMPが入った瓶を3つ放り投げた。


「な・・・何を?」

「今に分かる{リベレーション}」


マナロックで止まっていた魔法が一斉に奈々の方に飛んでいった。

流石に頑丈な奈々でもこの一斉攻撃には耐えられないはずだ。


「な!? ぐあぁ!」


その大量の魔法の塊は全て奈々に直撃した、火力は十分だ。

そして、大きな煙が立ち上げ、その煙の中心にもう回復できないほどの重傷を負った奈々が居た。


「まだ原型があるんですね」

「う・・・ぐぅ・・・」


あれだけの攻撃を受けて、まだ意識があるのか、大した生命力だ。

流石はホムンクルスと言ったところか。

だが、傷は深く、もう殆ど動けないだろう。


「どう? 結構痛かったでしょ?」

「ゆ、油断・・・した・・・あ、侮ってた・・・こ、こんなに、強いから・・・兄ちゃんは、負けたんだ・・・」


兄ちゃん? もしかして、あの時戦った男の子か?


「あの男の子の妹みたいですね」

「あまり似てない」


さて、とりあえず情報を集めるためにこの子は拘束しておいた方が良いか。

でも、縄程度なら簡単に引きちぎられそうだし、ここは鎖でも巻いておくか。

とりあえず、武器の製作用に使う鎖で良いかな。


「ま、大人しく捕まってな」


俺がその子を拘束しようとしたときだった。


{あんたら! 私達が相手してた奴がそっちに行ったわ! 警戒して!}


りえるさんから報告が来た、もう一方の女の子がこっちに来るのか?

もしかして、この子の危機を察したとかか? 双子のようだし、可能性はある。

俺達が周囲を警戒していると、何処からか声が聞えてきた。


「よ、よくも・・・よくも! よくも奈々を!」


そんな声と共に木の上からもう一方の少女がやってきた。


「許さないよ・・・絶対にあなた達を倒す! 絶対に!」


先に戦いを仕掛けてきたのはそっちだし、戦いの末に俺達が勝ったんだから恨まれる筋は無いと思う

しかし、この状況、間違いなく戦いは避けられない、まさかの連戦だ。


「くぅ、なんでこの子は逆ギレしてんだよ」

「そういうお年頃なんでしょう、ほら、見た目はまだ幼いですし」

「そもそもまだあなたのお姉さん、死んでない」

「うっさい! 奈々を傷つけたお前らが悪い!」


何て理不尽だろうか、戦わなかったら俺らの方が死ぬのに。

まぁ、そうだな、これ以上は無駄なんだろう。

やっぱり戦うしかないのか・・・はぁ。

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