決着、クイーン・ゴブリン
ここからが本番か、こんな時に手を貸せないのは悔しいが、MPが無いし、疲労も酷い。
それに、あの3人を信頼しないといけないしな、頑張ってくれ。
「何だか悔しいわね、でも、もう弾丸は2発しかないし、戦えないわ」
「私もMPは空っぽですよ」
それは俺だけじゃない、流石にキラーゴブリンなんて言う化け物の相手は消耗が異常だな。
「さぁ、行くわよ! 最高の戦いを私に頂戴!{エクスタシ-}」
エクスタシー、確かバーサーカーのスキルだったはずだ、自分の体力を消費して
攻撃力、素早さ、防御を異常な程に上昇させるまさに諸刃の剣だ、レイジもだったがこいつのスキルは
全部マイナス効果が存在しているのか? それにしても、もの凄く厄介なスキルを・・・
「行くわよ! 何でも良い! 耐えなよな!」
そう言うと、クイーン・ゴブリンは異常な程の素早さで愛に接近した。
「く!」
「食らいなさい!」
クイーン・ゴブリンは愛にとんでもない破壊力の一撃を放った。
「きゃーーー!!!」
そして、その威力に耐えられなかった愛はとんでもない勢いで吹き飛ばされた。
「愛!」
「く・・・ぐぅ・・・騎士の精神がないと、死んでた・・・」
騎士の精神はHPが半分以上ある状態で即死級のダメージを受けた場合、1だけ残るという物だ。
と言うことは、これがないと死んでたって事だ、恐ろしい奴だ。
「とにかく、癒子、頼む」
「分かった、待ってて」
癒子は愛を回復させた、そして、これが今日は最後の回復か。
まさか、1回ダンジョンに潜っただけで使い切るとは思わなかった。
「アハハハ! 良く耐えたわね! そうじゃないと!」
クイーン・ゴブリンはエクスタシーを使ってからとんでもなくテンションが高くなっている。
最初の頃の冷静さは無く、完全に本能のままに相手を攻撃する戦闘の鬼になってやがる。
多分、こっちがクイーン・ゴブリンの本性なんだろうな。
「クソ!」
「時間を稼がないと{マナエネミー}」
「クハハハ! 無駄無駄! そんな柔な奴じゃあ私は止まらない!」
そう言うと、クイーン・ゴブリンはマナエネミーを吹き飛ばし、リエさんに接近した。
「く!」
「今度こそ! 死になさい!}
これはヤバい! エネルギーホールを設置していない! このままだったら!
「させないわ!」
クイーン・ゴブリンの攻撃がリエさんに届く前にりえるさんがクイーン・ゴブリンを撃ち抜いた。
「グハ!」
その攻撃を回避することも防ぐこともなく、クイーン・ゴブリンはその攻撃を食らった。
しかし、地面に倒れる直後、とんでもない動きで体勢を立て直した。
「じゃあ、先にあんたを仕留めようか!」
そして、今度は恐ろしいスピードでりえるさんに接近した。
「な!」
「くたばりな!」
「ここは、俺の攻撃が届く距離だ!」
俺はクイーン・ゴブリンが飛んでくるタイミングを見計らい、剣でクイーン・ゴブリンを刺した。
「アハ、アハハ! 良く当てたわね! 面白い!」
完全に刺さったはずなのにクイーン・ゴブリンは楽しそうに笑っていた。
「普通に笑ってんじゃねーよ!」
「じゃあ、お前を殺す!」
そう言うと、クイーン・ゴブリンは剣が刺さった状態で俺に蹴りを入れてきた。
体勢的に力は入らないだろうが、それでもこんな状態の奴の攻撃は不味い!
「それは止めれる!」
俺に蹴りが入る直前に愛がその蹴りを止めてくれた。
「今度はまたお前か! 良いわよ! あなたを殺してあげる!」
「残念ね、死ぬのはあなたよ{パワーショット}」
クイーン・ゴブリンが愛に攻撃を仕掛けようとした直後、りえるさんがクイーン・ゴブリンを撃った。
「ア・・・アハハ・・・クハ、クハハ! 最高の戦いだった・・・わ」
クイーン・ゴブリンはそう呟くと姿を消した、これは、倒したって事か?
「は、はは・・・た、倒せたか・・・」
「はぁ、最悪の敵ね、本当に勘弁して欲しいわ」
「死を覚悟したのは初めてだった・・・」
「す、すごいです、すごいです皆さん!」
「ちぇ、結局最後はりえるさんか、まぁ、修介がやるよりはマシだな」
「流石はお姉ちゃん」
はぁ、何だろう、この達成感は、こんな相手は初めてだったし、喜ばしい限りだぜ。
「じゃあ、あの奥の部屋に入りましょうか」
「お宝拝見って奴ですね」
「戦利品よ」
俺達はその奥の部屋に入った、そこには沢山のゴブリンの素材があった。
その中で1番驚いたのはゴブリンを召喚して一緒に戦えるアイテムがあったことだ。
これはいざという時の戦力になるだろうな、意外と頼りになりそうだよな。
さて、ちゃっちゃと回収して、ギルドに帰るか、しんどいしな。




