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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第6章、ゴブリンの洞窟
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ゴブリンの洞窟の更に奥へ

ゴブリン軍団を迎撃して先に進み始めたが、洞窟はまだ先があるようだ。

こういう厄介な連中が出てきたら大体終わりだと思うが、それは関係なかったんだな。

それにしても、やっぱりモンスターが少ない、あれ以降出て来ないんだが・・・


「何も出てきやしねぇ、どうなってんだよ」

「そうね、ダンジョンなんだし、もっとモンスターが出てきても良いでしょうにね」

「また奇襲の準備でもしてるんでしょうか?」

「可能性はあるわね」


そして、警戒しながら進んでいくと、再び別れ道が出てきやがった。

それも3方向も分かれている様な別れ道だ、面倒そうだな。


「これはあれかしら、1カ所だけ当たりで外れにはゴブリンが居るとかかしら?」

「どうだろう、さっきもあんな集団で来てたし、もしかしたら」

「まぁ、よく分からねぇし、チーム分けたらどうっすか?」

「何で? ここで分けるのは危ない気がするんだけど?」

「たとえ数が多くても俺か修介がいれば楽じゃ無いですか、それに洞窟だし連絡手段は楽でしょ」


確かにここは洞窟だ、大声でも上げれば声が反射して聞える可能性はあるな。


「要するに2チームに分かれるって事よね? その言い方だと」

「はい、俺か修介がいねーと数が多い相手には苦戦しそうですし」

「一応私もリエさんも範囲攻撃があるけど、あそこまでの殲滅力は無いしね」

「そうね・・・じゃあ、一応別けてみるわ、いい? 何かあったらすぐに叫びなさい」


そして、りえるさんの采配で俺達がどんな風に分かれるかが決まった。

まずは正面を俺、愛、明美の3人で進む、左は勇次、りえるさん、りえさんの3人だ。

これはもしも単体で強い相手が出てきた場合に対処できる様にだそうだ。

勇次はグレンに乗ってる間は前衛職としても戦えるからな。

そもそも、グレンが暴れてる時に他の仲間が前に行くのは危険だし。

そういう訳で前衛職の俺と愛はこっちに回されたんだろう。


「じゃあ、良いわね、さっきも言ったけど、何かあったら叫びなさい。

 こっちは私のサブで連絡取れるけど、あなた達は大声でしか救助は呼べないからね」

「はい、分かってます、そっちも気をつけてください」

「分かったわ」

「勇次、しっかりりえるさんとリエさんを守れよ」

「当然だぜ、任せとけ! お前も2人をちゃんと守れよ、女の子を守れ無かったら男が廃るからな」

「分かってるさ」


俺達は2チームに分かれての探索を始めた、何だかいつも以上に警戒しないといけないな。

なんせ、目が減ってるんだ、周りを見張る為の目が、仲間が少なくなるとこういう暗い所はキツい。


「うーん、ファイアーバードじゃ、ここはあまり照らせませんね」

「上からだからな、じゃあ、サンダーラットはどうだ? 電気も発光するし」

「そうですね、やってみましょう{召還、サンダーラット}」


明美が召還したサンダーラットはピンク色をしていた、普通は黄色だろうと思うが、まぁ、良いか。


「よし、電気で周りを明るくして」

「ちゅ、ちゅちゅぅ」


明美の言葉に反応してサンダーラットは体を発光させた。

その時の色は何だか青色っぽい感じだ、何か面白いネズミだな。

だが、それでもまだあまり明るくならない、リエさんが灯してくれる明かりの方が明るいな。

まぁ、あれはプリーストしか扱え無い光魔法だったし、仕方ない・・・ん? 光魔法?


「・・・す、スキルには無いけど、もしかして・・・」


俺はとりあえず光の玉を出すイメージをして、ちょっと手先に力を入れてみた。

すると、その手のひらから明るい光が出てきて、周囲を照らした。


「・・・え? 修介さん使えるんですか?」

「み、みたいだ、光魔法を扱えるからか?」

「いやいや、修介先輩、その理論だとあたしも扱えるって、ちょっと待ってて」


そう言うと、愛は俺がやったように動き始めた、するとやっぱり出てきた。


「あ、出てきた・・・あぁ! そういえばパラディンって聖騎士って意味だったような・・・」

「・・・わ、私の苦労って一体・・・あぁ、MPが・・・」

「ちゅぅ」

「明るい、明るい、嬉しい!」


何だか明美は悪いことをしたな・・・しかし、光魔法を扱えたら出来るのか。

勘違いしてたな、プリースト限定なのかと思ってたぜ。


「ま、まぁ、あれだ、これで明るくなっただろ?」

「そ、そうそう、普段の2倍、2倍だよ、ね、明るいでしょ? 明美先輩?」

「そ、そうですね、あはは・・・」


明美は結構ショックを受けてるな、うーん、悪い事したな・・・


「明美先輩、先に進みましょう、はい」

「あ、うん、そうですね」


そして、俺達は再び奥に進み始めた、それにしても、このライトは自由に動かせるんだな。

これは便利だ、こう、暗い隙間に物が落ちたときに探しやすいし。

まぁ、正直明美のサンダーラットの方が便利だが、取ってきてもらえば良いし。


「それにしても深いですね、奥がまだ見えない」

「相当だよな、これはもしもの時に合流するのが大変そうだ」

「戻るのにね」


ここはかなり深い、もう10分くらいは歩いてると思うが、それでもまだ奥が見えない。

りえるさん達の方から連絡も来ないし、多分向こうもこれだけ深いんだろう。


「にしても、モンスターも出て来ない、ただひたすら歩くだけって、何だかなぁ」

「まぁ、何も無いのは良いことだ」


その時、何だか地面が大きく揺れ始めた。


「な、何だ!?」

「知りませんよ」

「修介、修介、上、上!」

「上?」


俺は癒子が言うとおり、上を向いてみた、すると岩のような何かが降ってきているのに気が付いた。


「な! お前ら! 動け! 岩が降って来てる!」

「へ!?」

「な!?」


俺達が避けた方向は俺、愛はさっきまで正面に回避し、明美は後方に逃げた。

まぁ、前衛と後衛じゃあ立ち位置が違うし、避ける方向も違うだろう。


「い、岩が・・・うぅ、足に・・・」

「おい、愛! 大丈夫か!?」


愛が避けきれずに足を岩に挟んだようだ、これはヤバいな。


「愛ちゃんに何かあったんですか!?」

「あぁ、足を挟んだみたいだ、困ったな」

「うぅ・・・修介先輩、無理矢理でも良いから引っ張り出して・・・」

「足の骨が粉々になる可能性もある、何とかしてこの岩を斬らないと」


普通なら考えれないことだが、ここは元ゲームの世界だ、岩を斬ることが出来るかもしれない。

俺は刀を取り出して、岩を斬れるかどうか試すことにした。


「斬れたら良いが・・・{火炎斬り}」


しかし、流石にそんな簡単には斬れなかった、ただ、火炎斬りの熱の影響か少しだけ斬れていた。

この調子で火炎斬りを当てていれば斬れる可能性がある。


「よし、何度かやれば斬れそうだ、でも、連発できないし」

「修介先輩! 後ろ! 何か来てる!」


愛が叫び、俺も後方を見てみた、すると、確かにデカいゴブリンの様な奴がこっちに来ていた。

これは不味いな、1対1か?・・・いや、その後ろにも小さいのがぞろぞろ来てる。

愛を守りながら、この数を相手にしろと? これは骨が折れそうだ。


「あぁ、面倒な・・・明美! 聞えるか!?」

「あ、聞えます!」

「こっちは結構ヤバい状況だ! 何とかりえるさん達に伝えてくれ!」

「はい!」


明美は大声でりえるさん達に聞えるように叫んだ。

これで聞えるか? でも、かなり深いし、聞えない可能性のが高いな。


「せ、先輩、お願い、無理にでもここからあたしを出して、そうしないと、戦えない・・・」


愛はそう言うが、そんな事をしたら間違いなく足の骨が粉々だ。

・・・でも、そうしないと不味いのは明白か、仕方ない・・・


「わ、分かった、でも、覚悟はあるのか?」

「大丈夫、足の骨が粉々になっても、大丈夫」

「分かった」


俺は愛を無理矢理引っ張って岩から出そうとした。


「あぐ、あぐぅぅ!!」

「だ、大丈夫か!?」

「大丈夫、早く! 来てる!」

「分かってる!」

「うぐぅぅ!!」

「修介! 後ろ、危ない! 危ない!」


癒子の声が聞え、少しだけ後ろを見てみると、ゴブリンがかなり近付いてきている。

このままだと間に合わない、クソ! せめてもう少し時間があれば!

そして、ゴブリンが俺に攻撃をしようとした、その時だった。

岩の影から何処かで見たことがあるピンクの小さな生き物が見えた。


「ちゅぅ!」


その小さなピンクの生き物はゴブリンの方にジャンプし、バチッと大きな音が聞えた。


「ぎゃぅあ!」


そして、ゴブリンは倒れた、そうか、岩の隙間からサンダーラットを入れてこっち側に来させたのか。


「そし、今のうちにフン!」

「ぐ、うぅぅぅ!」


バキバキと言う、骨が思いっきり砕ける音が聞え愛を何とか岩から引きずり出すことが出来た。

そして、その足は酷く傷だらけで、足があり得ない方向に曲がっている。


「あ・・・うぅ・・・はぁ、い、痛い・・・」

「大丈夫じゃないよな」

「愛、足、伸ばして」

「う、動かないから、伸ばせない」

「じゃあ、俺が何とかお前の足を伸ばさせてやる、結構痛いだろうが、我慢してくれ」

「わ、分かった」


俺は愛の足をゆっくりと伸ばした、その間、愛は痛いのを我慢するために唇を噛んでいた。

そして、唇から出る血を見て、それだけ痛いのだと言うことが分かった。


「よし、伸ばしたぞ」

「うぅ・・・」

「じゃあ、癒子、頑張る」


そう言うと、癒子は愛の方に移動して、体を光らせ始めた。

すると、愛の足の怪我がドンドン治っていった。

これが癒やしの妖精の力か、すごいな。


「えへへ、これで、大丈夫、足、治ったよ」

「え? す、すごい・・・足が、動く」

「ちゅぅ・・・」


丁度愛の足が治ったときに、後ろで必死に戦ってくれていたサンダーラットが飛ばされてきた。

体はボロボロで、それだけ頑張ってくれていたんだと分かった。


「ありがとう」

「ちゅぅ・・・」


そして、サンダーラットはゆっくりと姿を消していった。


「じゃあ、今度は俺達の番だ、反撃いくぞ!」

「もう足は引っ張らない! 修介先輩! いこう!」


さて、今度の相手は大量のゴブリンと、図体のでかいゴブリンか。

まぁ、前衛2人がここに居るんだ、簡単に負けるかよ!

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