巨大なライオンの捕獲
巨大なライオンはそこまでダメージを受けていないように感じた。
最初から少しだけ感じていたことだが、こいつはこの森の番人とか言う奴だろう。
素早さも耐久力もかなり高い、攻撃は受けてないし、攻撃力は不明だが、かなりの物なのは分かる。
そんな奴に俺達2人だけって、大丈夫か? まぁ、りえるさん達と合流するのも難しいし。
ここは何とか2人で抑えるしか無いだろうな。
「行くぞ、{ストーム}」
ストームは周囲の木々を巻き込み、森の番人に向かって進んでいった。
これを撃つと、恐らく後衛の攻撃も逸らしちまうだろうし、使う場面が難しいな。
だが、2人しかいない現状なら、特に問題は無いだろう、それに、周りの植物や石を
巻き込んでいるし、殺傷能力は結構な物だろう、流石の番人もこれは痛いはず。
「がぁ!」
しかし、番人はストームに対して、爪を大きく振り、攻撃した。
すると、ストームは一瞬で消滅し、番人がこっちに走ってきた。
「魔法をかき消すなよ!」
「がぁ!」
そして、今度は俺に接近してきて、両爪で攻撃を仕掛けてきた。
1回目で学習したみたいだ、これは簡単には避けられない。
「よし、{影走り}」
俺は影走りを発動させ、番人の側面に回り込んだ。
「が!」
「こっちだぜ{パワーアロウ}」
番人の注意が俺の方に向いている隙に、勇次がパワーアロウを放った。
不意打ちを食らった番人は回避することも防ぐことも出来ず、勇次のパワーアロウは
番人に直撃した、これが中々痛かったようで、番人は怯んだ。
「チャンス!{テンペスト}」
俺は、番人が怯んだ一瞬の隙を突き、ストームよりも威力が高いテンペストを発動した。
正面からなら防がれるし、後方からだと勇次を巻き込む危険がある、だから側面からの攻撃だ。
怯んでいる状態の番人にその攻撃を防ぎきれるはずも無く、テンペストは番人を包んだ。
「こいつは痛いだろ」
「流石だぜ」
少しして、テンペストの強風は止み、テンペストに包まれていた番人が再び姿を現した。
結構傷だらけだったが、それでも、まだ動けるようだ、大したもんだよ、ほんと。
「ぐ、ぐるぅ・・・」
そんな状況でも、番人はまだ戦うつもりの様だ、スゲー根性だな。
そういえば、どうやって番人を捕獲するんだ?
「おい、勇次、どうやってこいつを捕獲するんだ?」
「そうだな、捕獲行動は眠らすだったかな、その後、檻に入れて」
「こいつを入れるくらいの檻なんて無いだろ?」
「・・・えっと、一応携帯用の檻はあるんだよ」
そう言うと、勇次は鞄の中から小さめの檻を取り出した。
そうだな、犬くらいなら中に入るかもしれないな、子犬だけど。
「子犬くらいしか入らないだろ」
「大丈夫だって、子猫も入るし、ネズミだって入るぞ!」
「あの大きなライオンが入るわけ無いだろ!」
「ほら、スモー〇ライトがあれば行ける!」
「無いだろうが! そんなの〇ラ〇もんでもいないと無理だっての!」
俺達がそんな感じに喧嘩をしていると、大きな足音が聞えた。
その足音がした方を見ると、番人がこちらに向かって走ってきていた。
「あぁ、もう! とりあえず、こいつを捕獲するぞ!」
「分かってるさ、どうやって捕まえるかはその後だ!」
俺と勇次は再び臨戦態勢を取った。
とりあえず、何とか勇次のバインドナイフを当てて、睡眠薬でも飲ませるか。
「さ、怯め!{カマイタチ}」
俺のカマイタチは番人に当たり、番人は怯んだ。
「おら!{バインドナイフ}」
その隙に、勇次のバインドナイフが番人を貫いた。
「が、がぐぅ・・・」
そのナイフは、傷だらけで限界ギリギリの番人にはかなり厳しかったようで
しっかり怯んでくれた、その間に勇次が携帯していた睡眠薬を番人の飲ませた。
体が痺れ、さらにはボロボロで限界だった番人に、この薬は応えた様で、番人はゆっくりと眠った。
さて、次はどうするか・・・まぁ、それは勇次に任せてみるか。




