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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第3章、狂い始めたゲームの世界
25/201

戦いに決着を

結構な大技を当ててもなお余裕そうな表情のボーダー、流石は最初の壁だ。

だが、こいつを越えないと俺達は先には進めない、意地でも行くぞ!


「なんでリエのあの技が止められたかは分からない、でも、ここで引くわけにはいかないしね」

「その息です、さぁ、どうぞ私の技を見切ってください」


本当に余裕そうな表情をしていやがるな、やっぱ神に近い存在ってだけはあるぜ。


「1つ気になった、りえる先輩ってここクリアしたんじゃないの?」

「一応ね、でも、あの時はあんな技もしてないし、やっぱりゲームじゃなくなったからでしょうね」

「なるほど、だから分からないのか」


ゲームの時はボーダーはここまで強くはなかったって事か。

じゃあ、前よりも鉄壁って事だな、厄介な。


「では、行きますよ」


ボーダーは2本の棒を同時にこっちに振り下ろした、すると茨と触手が同時に動き始めた。

あの棒を何とかすれば攻撃手段を奪えるかもしれない。


「く!」


俺達はその攻撃を回避した。

そして、俺は回避と同時にボーダーに接近した。


「何をしてるの!?」

「修介は勝負に出た見たいっスね」

「ほう、では、こうです」


ボーダーが棒を振り上げる動作をした、多分これは地面から出てくるな。


「この!」


俺の予想通り、地面から茨が出てきた、俺は予想が出来ていたのもあり、回避は容易だった。


「あぁ、そうですか」


それを見たボーダーは何かを察したようにこちらを見ていた。

そして、今度は棒を縦にし、素早く下に振り下ろした。

もしかして、今度は上か?


「な!」


俺の予想は外れた、出てきたのは天井からではなく、側面の壁からだった。

何で棒を縦に振ったのに! 流石にこの不意打ちには対処できそうにない! 当る!


「させないわよ!」


茨が俺に当る直前、後方から大きな銃声が聞えた、その音の直後、茨は大きく軌道を変えた。

りえるさんが援護してくれたんだ、流石はりえるさん。


「一気に行くぜ!」

「ふむ」


そのすぐ後に勇次が俺とは反対方向に走りながらボーダーに接近を始めた。

挟み撃ちのチャンスだ、勇次が危険だが、頼むぞ!

俺は再びボーダーに向かって走って行った。


「そう来ますか、良い連携です、しかし」


ボーダーはそう言うと2本の棒を握り、一気に近づけた。

すると、俺の方には茨が、勇次の方には触手が現われた。


「マジかよ!?」

「クソ!」


かなり厄介な能力だ! こんな真似も出来るとは・・・

だが、2本しかない、これが最大の弱点かもしれない。


「行くわよ!{チャージショット}」

「な!?」


大きな銃声と共に放たれた弾丸がボーダーの左の棒を撃ち抜いた。

すると勇次を狙っていた触手が上にそれ、天井に激突した。


「行きます!{ホーリーレーザー}」

「く!」


今度は明美のホーリーレーザーが右の棒を弾いた。

そして、俺を狙っていた茨も触手と同じように上にそれ、天井に激突した。


「おしゃ! 後は本体を倒すだけ!」

「・・・・・・まさか、棒を弾かれるとは、全く驚きました」


そんな危機的状況だってのに、ボーダーはまだ余力がありそうだった。

ただの強がり? いや、こいつがそんな事をするとは思えない・・・


「ふぅ、予備があってよかったですよ」

「まだあるのかよ」


ボーダーは自分の近くをちょっとだけ探り、再び2本の棒を取り出した。

何だかさっきよりも黒い気がする。


「さて、さっきよりも強力ですよ」


ボーダーがその2本の棒を再び叩くと、左右からさっきよりも毒々しい触手と茨が現われた。

明らかに触れちゃいけないのが分かる。


「なんだそりゃ!」

「この触手と茨猛毒がありますよ、ついでに茨の方は針も飛ばせたりします

 触手の方は強力な酸を周りに吐き散らすことも出来ます、さぁ、突破して見せなさい」


強力な酸を飛ばす触手に猛毒の針を周りに飛ばせる茨・・・何だよ! 急激に強化されすぎだろ!

何処が予備だ! 完全にこっちの方が力は入ってるじゃないか!


「クソ! これで予備とかあり得ないだろ!」

「では、最初の一撃です」


ボーダーが左の棒をくるっと回すと、左から出てきた触手が液体を飛ばしてきた。

これが強力な酸か!? 絶対に当たれない。


「ちぃ!{影走り}」


俺が影走りを使い、その攻撃を回避することに成功した。

何かが溶ける音が後方からし、そっちを見てみると、そこには大きな穴が空いていた。


「外しましたか、当れば一撃なんですけどね」

「ど、ドロドロに溶かされて死ぬとか嫌すぎる・・・」

「では、次ですね」


ボーダーは今度は右の棒をくるっと回した、すると右の茨から大量の針が飛んできた。

その数はかなり多く、避けるのはかなり難しい!


「くそ!」

「こっちまで来てる!」

「あたしの後ろに隠れて!」


その針を全て回避することは出来なかった、俺は何発かかすっちまった。

針が毒針なら、かすっただけでアウトだよな。


「いつぅ・・・」

「修介! 大丈夫かよ!」

「そういうお前は?」

「な、何とか全部回避できた、こっちにはそこまで飛んでこなかったし」

「そ、そうか・・・」


勇次は大丈夫だったか、よかったぜ、しかし、問題は俺だ、大丈夫な訳ないよな。


「ぐぅ・・・」

「愛ちゃん!」

「は!?」


後ろから声が聞え、俺はそっちの方を振り向いた。

そこには顔色がすごく悪い愛が倒れていた。


「どうやら後ろの騎士に当ったようですね、流石は即効性です」

「即効性? クソ! とにかく愛の毒を抜かないと!」

「そんな事をしている暇はありませんよ? 私はまだ生きてますので」


愛の毒を抜くのも急ぎたいが、こいつを止めないともう一回来たらヤバい。

てか、即効性なら何で俺はまだ回ってないんだ? いや、それは良い!


「とにかく! お前の武器をぶんどる!」

「そうですか、頑張ってくださいね?」


俺と勇次は再びボーダーに接近を開始した。

すると、ボーダーは再び2本の棒を一気に近づけた。


「またそれか!」

「便利ですからね」


やはり左右から触手と茨が出てきた、前と同じように俺には茨、勇次には触手が出てきた。

それと同時にボーダーは2本の棒をくるっと回した。


「またか!」


茨からは大量の針が俺に向かって飛んできた、となると勇次の方は強烈な酸か?

ど、どっちにせよもろに食らったらヤバい!


「ぐ!」


しかし、至近距離から同時に大量の針を回避することは出来ず、何発も当っちまった。

今度は擦ったとかじゃなく、もろに何本か刺さっちまった。


「い、つぅ・・・」

「猛毒の針がそれだけ刺さったのです、もう動けないでしょう?」

「まだ動けるぞ?」

「な!?」


俺は針でのダメージを受けたが、猛毒のダメージは無かった。

そのお陰でまだ動ける。


「ふぅ、危なかったぜ、あんな酸を食らったら溶けちまうよ」

「お、勇次も回避できたんだな」

「あぁ、何とかって、おい! お前なんだよ串刺しじゃねーか!」

「大丈夫だ、動けるし」

「動けるって、あぁ、そういえばここって異世界だったな、異世界だったら串刺しでも動けるのか」


何だか知らんが、勇次は納得したようだ。


「とにかく、一気に近寄るぞ!」

「任せな!」

「・・・降参ですよ、降参」

「は?」


ボーダーは手に持っていた棒を離した。

すると、俺に刺さっていた針も消えた。


「もう分かりました、あなた方ならこの先でも大丈夫ですよ」

「な、何だ? 終わりか?」

「えぇ」


ボーダーが手を叩くと、下の階にいた小さい生き物が姿を現した。


「彼女は癒やしの妖精です、1日3回だけ誰かの傷を大きく癒やしてくれます」

「ぴぃ~!」


ボーダーが癒やしの妖精だと言っていた妖精が光り出すと、体が癒えていった。


「お? 戻った」

「うぅ・・・あれ?」

「愛ちゃん・・・よかった」


どうやら愛も無事のようだ、流石は癒やしの妖精だな。


「では、あなた方にこの子を差し上げます、このタワーの戦利品と思ってください」

「ぴぃ!」

「あ、あぁ・・・」


その妖精は俺の近くまで寄ってきて、俺の肩に乗っかった。


「あぁ、どうやらこの子はあなたを気に入ったようですね、かわいがってあげてくださいね」

「ぴぃ! ぴぃ!」

「分かった」


俺達はこの妖精を連れ、タワーから出た。

結局あのボーダーは何だったんだ? よく分からん。


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