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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第3章、狂い始めたゲームの世界
24/201

第1のタワーの管理者、ボーダー

ランクゲーム、このゲームで殆どの初心者プレイヤーがぶつかり、挫折する最初の壁ボーダー。

俺達は、今その壁に相対しているのか・・・

だが、今、この世界は現実だ、現実でなければ、この圧倒的な威圧感は感じない。

沢山の茨に触手、その中心にいる青髪の女の子、これがゲームならここまで緊張はしなかったろうに。


「では、試験を始めましょう、まずはこれです!」


ボーダーはそう言うと左手に持っている棒を振り降ろした。

すると左の触手がこちらに飛んできた。


「止めれてやるわ!」


愛はその触手の軌道に上に立ちふさがり、盾を構えた。


「駄目よ! 避けなさい!」

「へ?」


しかし、りえるさんはその行動を否定し、避けるように俺達に指示を出した。

だが、愛はもう軌道上にいる、騎士で避けるのはほぼ不可能だ!


「無理! 避けれない!」

「少し痛いだろうが、我慢しろよ!」

「は?」


俺は急いで横から愛に接近し、愛に跳び蹴りを入れた。


「痛!」


その跳び蹴りを受けた愛は後方に退き、触手の軌道から逸れた。

俺はその蹴って時にバク転ってな、うん、バク転が出来たのは嬉しいな、現実じゃ出来なかったし。


「ふむ、良い判断です」

「修介先輩! こういう時は蹴らないで掴んで逃げるでしょ! 普通!」

「お前、自分が鎧を着てるの忘れてんのか?」

「忘れてはいないけどさぁ・・・ロマンチックじゃないなぁ」


あの状況で飛び掛ったら追撃で同時に攻撃食らう可能性があったしな。


「追撃が怖いだろ?」

「さっきの跳び蹴りであたしが転けても同じじゃん」

「でも、確率は低い、最悪の場合は俺がカバーする」

「うぅ」

「お話は終わりましたか? では次ですよ」


ボーダーは今度は右の棒を振った、すると、今度は右の茨が動き始め、俺の方に飛んできた。


「避けるのは得意だ」


その攻撃はかなり単調で、避けることは簡単にできた。

やはりこういう攻撃は単調で回避しやすいな。


「やりますね、でも、ここはタワーですよ?」

「は?」


俺はその言葉の意味に一瞬気づけなかった。


「修介君! 足下!」

「な!」


その茨は地面を貫通し、俺の方に飛んできた。


「な!{影走り}」


俺はとっさに影走りを使い、その攻撃を回避することに成功した。

もし、りえるさんの言葉がなかったら、間違いなく食らってただろう。


「なるほど、その後ろの方が脅威ですね、では、先に始末しましょうか」

「何? こっちに来るの?」


ボーダーは2本の棒を十字型に引っ付け、横に擦らせた。


「な!」


すると、りえるさん達がいる後方の壁から触手が顔を出し、りえるさんに攻撃を仕掛けた。


「りえるさん!」

「俺に任せろ!{ポイズンナイフ}{バインドナイフ}{スロウナイフ}」


しかし、近くにいた勇次がスキルを連続で発動させ、その触手の行動を阻害した。

こういうときに意外と訳に立つな、あいつは。


「ありがとね、じゃあ、こっちも反撃よ!{パワーショット}」


りえるさんは素早くボーダーに照準を合わせ、攻撃を仕掛けた。


「ふむ、そこの男は警戒していませんでした」


ボーダーは2本の棒を同時に上に振り上げる動作をした。

すると、地面から何本もの触手が現われ、りえるさんの攻撃を防いだ。


「今度は地面から! どうなってんのよ!」

「遠距離攻撃の防衛手段くらい普通は考えるでしょ?」


ボーダーはニッコリと笑って見せた、こんな触手や茨を操らなかったら普通の女の子なのによ。


「じゃあ、こうです!{ファイアーメテオ}」

「上ですか、珍しい技ですね」

「こっり、も!{フォースキャノン}」

「2方向から、ふむ、仕方ありません」


ボーダーは2回ほど棒を擦らせた、すると2方向に壁のような物が出来た。

そして、2人の攻撃はその壁に当り、弾けた。


「そんな!」


明美はかなり焦っていたが、リエさんは何かを取り出した。


「チャンス{マナロック}」


リエさんがそう唱えると、弾けたはずの魔法が制止した。


「さぁ、次はこれ」


リエさんは先ほど取り出した瓶のような物を5本ほどボーダーの方に放り投げた。


「これは・・・面倒ですね」

「弾けて{リベレーション}」


リエさんがそう唱えると瓶が爆ぜ光の玉が現われた。

そして、制止していた筈の魔法も動きだし、その光の球も同時にボーダーの方に突撃していった。


「く!」


ボーダーは動くことはなく、その全ての玉が当った。

煙で見えないが、恐らくそうだろう。


「何ですか! あの魔法!」

「ストック、マナロック、リベレーションの合わせ技ね、久々に見たわ」

「え? 何なんですか? それ」

「まぁ、軽く説明するわ」


ストック、この魔法は自身のMPを瓶に貯めるスキル、最大で5本貯められる。

マナロック、半径30メートルの味方の魔法を止める技。

リベレーション、ストックのMPを解放する技、マナロックで止まった魔法も動かすことも出来る。

リエさんはこの3つの技を連続して出し、効果的に攻撃を仕掛けたようだ。

ただ、MPを結構消費するらしく、連発は出来ないらしい。


「なるほど、結構な連続技だったんですね」

「うん、それと、味方のプリーストが、多かったら、もっと、強い」

「ストックが多くなりますもんね」


俺達が安心して会話をしていると、横から茨が飛んできた。


「な!」


俺は急なことで回避することが出来ず、もろに食らってしまった。


「つぅ・・・まだ生きてんのか!?」

「ふぅ、少しだけダメージを貰いましたけどね」


ボーダーはほぼ無傷の状態だった。

ちょっとだけ服が破れている程度だ。


「いやぁ、あと少しズレてたら私は戦えなかったんですよね」

「な、何でだ?」

「説明する義理はありませんよ?」


あの傷の近くが急所なのか? 確かにあと少しで胸に当ってそうだが。

ふむ、こいつの急所は心臓当たりだったりするのかもしれない。


「あ! 分かったぜ! あと少しでお」


勇次が何かを言いかけたが、りえるさんに思い切り殴られ、途切れた。


「黙りなさい、殴るわよ!」

「も、もう殴ってるじゃないっすか」

「うるさい! もう一発欲しい?」

「え、遠慮します」


良くは分からないが、今分かっているのはボーダーはまだ元気だと言うことだ。

これは、久々に長期戦になりそうだな。

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