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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第2章、装備の重要性
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初級タワー2階のボス、巨大蜘蛛、ヒューマン・イーター

タワー2階のボス、ヒューマン・イーター、そいつはデカい蜘蛛だった。

蜘蛛に怯えた明美、愛、リエさん達はこの戦いで動けそうにない。

今回は俺、勇次、りえるさんの3人だけでの戦いだ。


「とりあえず修介君は足止めを! ただ、拘束攻撃には気をつけなさい!」

「はい!」


俺は素早くヒューマン・イーターに接近した。


「ぐび!」


ヒューマン・イーターが気持ち悪い声を発し、俺の方に蜘蛛の糸を飛ばしてきた。

てか、鳴くんだな、これはあの3人は耳をふさいでて正解だ、スゲー気持ち悪いし。


「と」


俺はその蜘蛛の糸を回避し、再び接近を開始した。

その間、後方からりえるさんや勇次の援護攻撃も飛んできている。


「ぐびびぃ」


しかし、ヒューマン・イーターはネットでその攻撃を弾いていた。

こいつは蜘蛛みたいな見た目のくせに結構頭が良いようだ。


「いくぞ!」

「ぐぐびぃ!」


ヒューマン・イーターが2人に気を取られている隙に、俺は最接近に成功した。

どうやらこいつは2つの事を同時に出来ないようだ。


「おら!」

「び」


俺は攻撃を仕掛けた、しかし、ヒューマン・イーターは蜘蛛の糸を1本だけだし、その攻撃を防いだ。

予想外だったぜ、まさか蜘蛛の糸1本で防がれるとは、あの糸は相当な強度があるな。


「ちぃ!」


俺は急いで後方に退き、距離を取った。

あんな蜘蛛の糸で捕まえられたら抜け出せそうにない。


「まさか、1本の蜘蛛の糸で防がれるとは・・・」

「明らかに前よりも強化されてるわね・・・・・・厄介な奴」


遠距離攻撃も防いで、近接攻撃も防ぐか・・・・・・

俺は少しの間考え、ある1つの答えに行き着いた。


「し、じゃあ、もっかいだ! 「影走り」


俺は影走りを使い、一気にヒューマン・イーターに接近、側面に回った。

後方だと蜘蛛の糸で攻撃される危険性があったからな。


「びぎ」

「そら! 「火炎斬り」


俺は一気に火炎斬りでの攻撃を仕掛けた、こいつの弱点は火らしいしな。

そして、その攻撃を受けたヒューマン・イーターは大きく怯み、糸の網から出た。

ダメージは結構入ったようだ。


「よし! ちゃんとダメージは入るのか」

「チャンス! 勇次君! 糸の網から出た隙に攻撃よ!」

「了解です!」


そして、網から出てきたヒューマン・イーターに向かってりえるさん達は一斉に攻撃を仕掛けた。

流石のヒューマン・イーターもこのコンボには対処できないようで、全ての攻撃が着弾した。


「びぎぃ!」


その衝撃で、遠くの方まで吹き飛び、少しの間動きが止まった。

どうやらこいつは頭は良いが、耐久力はそこまでないみたいだ。

今のうちに一斉に攻撃を仕掛ければ、勝つことが出来る!

しかし、俺はその瞬間、ある事が頭をよぎった。

それは、昔蜘蛛を殺したとき、沢山の子どもが出た瞬間だった。


「なんか、嫌な予感が・・・」


ただ、そんな予感をしていたのは俺だけのようだった。


「追撃よ! {パワーショット}」


後ろからりえるさんの声が聞え、大きな銃声が響き弾丸が飛んできた。

その弾丸は見事にヒューマン・イーターを撃ち抜いた。


「びぎゃぁ!」


ヒューマン・イーターの断末魔のような声が周囲に響く。

その声と同時にヒューマン・イーターは活動を停止した。


「よし! やってやったわ! あなた達、もう良いわよ」

「え? 本当ですか?」

「えぇ、まだ死体はあるけど」

「じゃ、じゃあ、まだ言わないで・・・・・・ひやぁ!!」

「え?どうしたの!?」


その悲鳴で俺はヒューマン・イーターの方向を向いてみた。

すると、ヒューマン・イーターの腹から沢山の蜘蛛の子どもが姿を現した。

あぁ、予想通りだ、やっぱり蜘蛛は蜘蛛だな、そういえばこいつの設定は彼女ってあったな。


「げぇ! 気色悪いわ!」

「うへぇ、これが蜘蛛の子を散らすって奴か」

「ま、まぁ、予想は出来てたけど・・・・・・は?」


普通、蜘蛛の子どもは一斉に四方八方に逃げる、しかし、この蜘蛛たちはこっちに全員突撃してきた。

数も数え切れないし・・・・・・キモい! 流石にこれはキモいぞ!


「うわぁ! こ、こっち来た!」

「あ、茜ちゃん! 酷なお願いかもしれないけど目を開けて!}

「い、いやですよ! 何で蜘蛛なんてみないと・・・」

「馬鹿言いなさい! 体中に蜘蛛が引っ付くよりはマシでしょ!」


2人がそんな喧嘩をしている間にも蜘蛛はこっちに近寄ってくる!

これは不味い! 完全に全部の蜘蛛が俺を狙ってる!


「うお! 来んなっての!」

「速くしなさいっての! このままじゃ修介が蜘蛛男になるわよ!」

「スパイ〇ーマンになっても達者でな!」

「言ってる場合か!」

「びぎゃぎゃ!!」


何匹もの蜘蛛たちが俺に飛びかかってくる!

キモい! なんかエイリアンに追われてる気分だ!

クソ! こうなるなら前衛職選ぶんじゃなかった!

俺は焦りながらカマイタチを使い、最初の波は捌けた。

しかし、それでも全く数は減ってない、多すぎる! 前衛職とは相性が悪すぎだ!


「頑張れよぉ」

「お前も戦え!」

「仕方ないな、確か蜘蛛って煙に弱かったっけ?」

「何でも良い! 速くしてくれ!」

「はいはいっと{煙玉}」

「おわ!」


勇次が煙玉を俺の方に投げた、すると蜘蛛たちは俺を見失ったようで行動を止めた。

しかし、少しすると今度は勇次達に目を付けたようで、そっちに突撃していった。


「マジかよ! 今度はこっち!?」

「気持ち悪! あなたがまいた種でしょ! 何とか引きつけなさい!」

「マジっすか!?」

「こっちに来たらこの子達発狂するわよ! そうなったらもうお手上げなんだから!」

「わ、分りましたよ!」


りえるさんの説得に応じて、勇次は蜘蛛たちの注意を引き走り回った。

流石はスカウト、足が速い、しかし、あの蜘蛛たちはそれ以上に速かった。


「なんだこいつら! 速いしキモいっての!」

「速くしなさいよ! このままだと勇次と修介が蜘蛛になるわよ!」

「う、うぅ・・・」

「仲間の為よ! しっかりなさい! 範囲攻撃を扱えるのはあなたくらいなんだから!」

「わ、分りました! 分りましたよ!」


どうやら明美がようやく説得に応じたようだ。

そして、勇次は煙玉を再び使えるようになったようで、煙玉を使った。

あぁ、今度はまた俺か、仕方ない、逃げる準備しとかないと・・・

しかし、蜘蛛たちはりえるさん達の方に向かっていった。


「な! 普通こっちだろ!?」

「きゃーー!!怖い!キモい!嫌だぁ!!」

「は、速く魔法を唱えなさい! 炎の渦でもファイアーネットでも良いから!」

「う、う、うぅぅぅ!!ふ、吹き飛べぇ! {ファイアーメテオ}」


明美は涙を流しながらファイアーメテオを唱えた。

ファイアーメテオは広範囲の範囲魔法だ、一点凝縮することも可能ではあるが

基本は範囲で色んなモンスターを巻き込むのが主な仕事。


「ぎゃぎ!」


その魔法はヒューマン・イーターの子ども達を一斉に巻き込み、殲滅した。


「はぁ、はぁ、はぁ、うぅ・・・絶対に夢に出てきますよぉ・・・」

「ふぅ、ご苦労様、ありがとうね」

「い、いえ・・・これくらいなら・・・・・・うぅ」


明美には悪いことをしたが、まぁ、全員無事でよかった。

しかし、蜘蛛をここまで怖いと思ったのは今日が初めてだ。

もうしばらくの間は蜘蛛はみたくない・・・


「とにかくよかったわ、さぁ、先に進みましょうか、ほら、あなた達も良い加減目を開けなさい」

「うぅ・・・終わったの?」

「終わったわ、今度こそ本当にね」

「はぁ、よ、よかったぁ・・・」

「蜘蛛、怖い」

「そうね、私も今日初めてその気持ちが少しだけ分ったわ」


俺達は次の階層に進んだ、次は3階か・・・ようやく半分って所だな。

さて、今日は蜘蛛の夢を見ないように祈ろうかな。

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