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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第2章、装備の重要性
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初級タワー1階のボス、ギルティ・ジャック

次の行動を考えた結果、タワーに挑むことになった俺達。

今はそのタワー内で面倒なモンスター、クレイジーを撃破し、宝を入手した後だ。

この階層のボスを探してはいるが、どうにも見つからない。

しばらく探していると、妙に広い場所に出た。


「ここは?結構広いけど・・・」

「ここでボス戦とかですかね?」

「いいえ、確か、ここではクレイジーと戦ったはずよ」

「あいつはもう倒したっすよね?」

「えぇ、本来はここで対峙するの」


つまり、本当は倒すべきじゃないところで倒したって事か?


「まさか、あそこで倒すとは思わなかったわ」


本来はあそこでは逃げるべきだったのか。

でも、りえるさんもノリノリで迎撃してた気がするな。


「結構ノリノリで迎撃してたじゃん」

「装備の性能を試したくてね、かなりの物よ、これ」


運の力は馬鹿に出来ないな・・・数値では、実際ではそこまで幸運じゃないし。

いや、まぁ、このギルドに入れたのは幸運だったが・・・まぁ、それ以外はな・・・


「それと、この奥の方にボスが居るわ」

「ボス・・・」

「確か、ギルティ・ジャックだったかしら」

「ギルティ・ジャック?何ですかそれ」

「直訳で有罪の男だったかしらね」


ギルティ・ジャック、幾多の人間を殺し続け、永遠の罪を負った殺人鬼。

彼に課せられた刑は、ただ永遠にこの塔を曝こうとする者を葬ること。

と言うのがこいつの設定だっけ?何で説明は覚えてるのに

容姿とかが出て来ないのか・・・あぁ、そうか、設定とかしか気にしてなかったからか。

俺は説明書とか、ゲームの敵キャラの説明を見るのが好きだからな。


「その、どんな奴なんですか?」

「凄く素早い殺人鬼よ」

「それは設定を覚えてるので知ってます」

「設定は知ってるのに行動は知らないの?」

「はい」

「まぁ、良いわ、説明するから」


俺達はりえるさんの説明を軽く聞いた。


ギルティ・ジャック、彼は行動スピードがずば抜けて高いボス。

攻撃力はそこまで高くは無いが、なにぶん行動が速い。

ゲームだった頃は確実に先手を取られていた。

しかし、攻撃はショボいので魔法でゴリ押せば勝てる相手だ。

ただ、今はゲームが現実になっているため、ターン制ではないため、どれだけ恐ろしいかは不明。


「こんな物ね」

「とてつもなくはないのですか・・・」

「えぇ、その代わり攻撃力、防御力、HPは低めよ、ただ、回避は異常に速いから

 近接戦闘や、狙撃とかは不利かな、魔法主体で行きましょう」

「はい!」


俺達の今回の作戦はこうだ、今回の戦闘は俺が全戦で戦う。

その間後衛が魔法でダメージを与えていく作戦だ。

ただ、動きが速いので、念のため、後衛組は愛が護る。

この相手に後衛は生命線だからな。

配置は俺が前衛、勇次は中間でジャックの動きを報告、後は愛の後ろだ。


「よし、じゃあ、行くわよ!」

「はい!」


俺達は作戦を固め、狙い通りの配置に付き、1階のボス、ギルティ・ジャックの元に行った。


「・・・ふ、久々だ、この塔に来る馬鹿は」

「あ?しゃべれんのか?」

「これでも元人間だ、しゃべれるさ」


ギルティ・ジャックは真っ赤なコートを羽織っている。

顔は赤い瞳に黒い髪でツンツンヘアー、多分イケメンの部類だと思う。

しかし、その目は明らかに狂気染みている。


「そうかい、まぁ、お前の事は知ってる、辛いだろうが」

「辛い?ふん、何を馬鹿言ってる、俺は楽しいよ、俺が生きていく中で

 最も大好きなこと、殺戮を永遠に繰り返せるんだからな!」

「何度も倒されてきたくせにか?」

「ふ、今は違う、こうして言葉も発せれる、体も自由に動く

 俺に掛けられた呪いはもう無い、貴様らは運が悪いよ、最高の状態の俺と

 戦う事になるんだからな!」


男はすごい勢いでこっちに走ってきた。

動きがもの凄く速い!これがギルティ・ジャックか!


「この!」

「は!」


俺が刃物の攻撃をギリギリで受け止めた直後、男は素早く刃を引き、再び攻撃をしてきた。

普通は少しだけ止まるだろうに、その一瞬もなかった。


「つ!」


俺はその刃をギリギリで回避できた、危うくもろに当るとこだったぜ。


「フン!」


しかし、俺が攻撃を回避した直後、男はまた、素早く武器を構え、突いてきた。


「ちぃ!」


俺はその攻撃を刀で少しだけ逸らし、思いっきり振り上げた。


「!!!」


そして、男はその攻撃を回避できなかったようで、思いっきり当った。


「ふぅ、よし!」

「・・・あぁ、これだよ、久々に痛みを感じた、くく!戦ってるってのがよく分かるねぇ・・・

 だが、俺はこんなんじゃくたばらんぜ?」


男はゆっくりと立ち上がった、そして、その斬ったはずの傷は

もうすでに癒えていた、これが永遠の意味かよ!


「おいおい、冗談だろ?」

「おら!もっと俺を楽しませな!」


男が再び接近してきた、何か、こういう不死身系の敵は嫌すぎる。

まぁ、癒えてくれたのはありがたい、もしも癒えないで、突撃してきたら怖すぎる。


「今よ!撃ちなさい!」

「はい!「フォースキャノン」「ホーリーレーザー」」


男が結構近寄ったときだ、後ろから魔法が飛んでくるのが分かった。

どうやら、今が好機だと踏んだようだ。


「巻き沿いはごめんだ「影走り」」


俺は魔法が直撃する前に、影走りを使い、その場から移動した。


「な!つぅ!ぐあーーーー!!!」


そして、男は後方から飛んできた魔法に直撃した。


「と、どうだ?」


魔法が消え去った後、男は地面に仰向けで倒れていた。

どうやら不意打ちが通ったようだ。


「し、終わりか」


俺が安心して移動しようとしたとき、男の方から声が聞えてきた。


「・・・魔法か・・・便利なもんだ・・・でも、残念だったな」

「く!」


男はゆっくりと立ち上がった、さっきの傷は全て嘘のように消え去って。


「俺は、もう魔法なんざ効かねぇ」

「な!」

「俺を殺せるのは、刃物だけだ!」

「嘘!強化され過ぎでしょ!」


驚異的な回避能力に、魔法無効か・・・何これチート?

とは思ったが、引くわけにはいかない、はぁ、なんで1番優しいはずのタワーで

こんなチートクラスの化け物と戦わないといけないんだよ・・・

ここだけだよな?


「さて、楽しもうや、サシってのも面白いだろ?」

「ち、運が悪いな」


全く数値では運が異常なのによ、それなのにこんな化け物とタイマンとかさ

数値の運が全てじゃないのがよく分かったよ。

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