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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第2章、装備の重要性
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タワーへの挑戦

愛に新しい盾を作り、その次の日だ、俺達は計画通りタワーの場所まで来ていた。

タワーには色んな高さの物が存在しており、ここは初心者にタワーその為、大きさはそこそこだ。

それにしても、色とかもタワーによって違うんだな、このタワーは普通に白色だ。


「ここがタワーですか」

「えぇ、ランクタワー最初の難所よ」

「難所?何でっすか?」

「大体の初心者プレイヤーはここで心が折れて止めてしまうのよ」

「なんで!?」

「難しすぎるそうよ、だから最初の難所なの」


この言葉を聞いて、俺は少しゾッとした。

無理に行く必要は無いんじゃないか?とも思えたくらいだ。


「じゃあ、その、行くのは止めた方が良いんじゃないですかね?」


明美が少しビクビクしながらりえるさんにそう言った。


「そうなんだけど、この世界から脱出するにも行った方が良いかなと思ってるのよ」

「この世界を脱出?どういう意味ですか?」

「そのままの意味よ、この世界はタワーを攻略しないと行けない場所が沢山あるの」

「はい」

「もしかしたらその場所に元に戻る方法がある可能性があるじゃない」

「まぁ、そうですけど・・・でも、もう少し装備を調えてからでも良いんじゃないですかね?」

「この段階では異常な程強い装備を持ってるくせによく言うわ」


俺達は今は凄い装備を持っている。

俺が作った武器は現状全てその装備の性能の上限に行ってるからな。


「考えてみるとそうだね」

「でしょ?だから挑戦しても大丈夫だと思ったのよ」

「・・・そ、そうですね、1回、1回くらいは挑戦してみましょう」

「よし、それで良いわね」


俺達は全員の意思を固め、タワーに挑むことにした。

タワーの中は外から見たときはそこまで広く無さそうだったが

実際入ってみると、全く違っていた。まるで迷宮だ。


「これは・・・凄いですね」

「外から見た、時は、もっと、狭いのかと・・・」

「えぇ、そうよね・・・それと言っておくけど、ここは1階おきに番人がいるのよ」

「番人?」

「えぇ、番人よ、かなり力のある番人が上の階に行くための階段を守ってるの」

「強いんすか?」

「当然」

「わぉ」


どうにも、階おきに番人と戦わないといけないのか。

確か、このタワーの階は4階だったか、つまり4回も強いのと戦わないといけないのか。


「それと、タワー内には当然、モンスターも居るし、宝箱もあるのよ」

「そうなんだ」

「えぇ、モンスターは結構強いから出会ったら雑魚だからって油断しないでね

 今回はお宝も集めながら上の階を目指すから」

「はい」


そういえば上の階に何度も行くって事は、間違いなく消耗戦になるだろう。

そこは大丈夫なんだろうか・・・SP持つかな・・・


「あぁ、そうだ、あなた達が不安に感じてるかもしれないから言うけど

 タワーは階を上がると、部屋があって、そこでSPとHPを回復できるわ

 ただし、消耗品は補給できないから注意しなさい」

「分かりました!」


流石はりえるさんだ、俺達の不安をしっかりと把握してる。

それにしても消耗品か、確か消耗品も運が絡むんだっけ?

運が高ければ高いほど、消耗品を使用した際の効果が高くなるんだよな。

薬草が完全回復のアイテムになったりしねーかな。

俺がそんな事を考えている時だった、ある場所から鳴き声が聞えてきた。


「ぐおぉぉぉ!!!」

「近くに何かいるわ、警戒しなさい」

「はい」


俺達は布陣を整え、その声がした場所にゆっくりと近寄った。

布陣は前線に俺、中衛に勇次とリエさん、後衛にりえるさん、明美、後方に愛だ。

後方からもしも襲撃を食らった際に対処できるようにこの布陣らしい。


「そこか!?」


俺は鳴き声が聞えた場所を見てみた、しかし、そこには何もいなかった。

何となく、前に入ったダンジョンを思い出し、上の方を見てみたりしたが、何もなかった。


「気のせいか?」

「そうみたいね、でも警戒は」


そんな会話をしていると、真横の壁から大きな音がした。


「!!」


俺達が安心をしている時だ、俺の近くにあった壁がいきなりぶっ壊れて

そこからゴリラの様なゴリゴリの化け物が現れた。


「何だ!」

「こいつは、クレイジーだったわね、狂った攻撃、行動が多くて、厄介なモンスターよ!」


俺達は素早く身を引き、臨戦態勢を取った。


「ぐぎゃーーーー!!!」


クレイジ-、自分の行動の全てを見失い、ただ、ひたすらに迷宮をさまよう恐怖。

その動きには一切の統一性はなく、ただ、周囲を攻撃し続ける。

確か、こいつの説明はこうだっけ?名前は覚えてても、見た目は覚えてない。


「とにかく布陣を整えて!」

「はい!」ダ!

「ごぎゃーーーー!!!」

「クソ!暴れんなよ!」


クレイジーはいきなり大暴れしだした、その攻撃は一切当たりはしなかったが

その代わり周囲の障害物を壊し、こっちに飛んできたりしてくる。

俺達はそんな中で布陣を整え、戦う体勢になった。


「よし!布陣が整った!一気に行くわよ!」

「はい!」


まずは愛が盾を構えて接近した。

騎士は盾があり、攻撃を防ぐのが得意であるため

基本はこんな戦術で行動する。


「ぐおぁぁあぁ!」

「く!」


愛はクレイジーが飛ばしてくる障害物を弾きながら確実に接近している。


「少しは静かにしなさい!「ブレイクショット」」


暴れているクレイジーに向かって、りえるさんはブレイクショットをぶっ放した。


「ぎゃう!」


ブレイクショットは相手を怯ますことを目的としたスキルだ。

基本的に1回はこの攻撃でモンスターは怯む、それはクレイジーも同じで

ブレイクショットを受けたクレイジーは大きくバランスを崩した。


「さぁ!一気に近寄りなさい!」

「はい!」


俺達はその隙に一気に接近した。


「ぐぎゃーーーー!!!」


しかし、クレイジーは倒れた状態でも激しく抵抗している。

ゲームであれば、怯んでる間は攻撃なんてしないだろうが

今の状況ではやっぱり攻撃してくるんだな。


「くぅ、近寄れない!」

「じゃあ、ここは俺に任せろ!「影走り」」


影走りは剣士のスキルである、少しの間、攻撃を受け付けず、素早く動ける。

効果時間は短いが、これだけ接近している状態なら何の問題も無い。

俺は影走りの効果中にクレイジーの背後にまで移動できた。


「そら!「2重火炎斬り」怯みやがれ!」

「ぎゃーーー!!」


クレイジーは俺の攻撃を受け、少しだけだが怯んだ。


「そこ、だ、「フォースキャノン」」


その隙を突き、リエさんがフォースキャノンでクレイジーを撃ち抜いた。

フォースキャノンはプリーストのスキルである、フォースの純粋な上位互換の技であり

かなりのダメージを与えることが出来る、しかし、MPの消費はフォースの5倍で

そこまで何度も扱える技ではない。

まぁ、プリーストはMP回復スキルもあるし、結構連発できるけどな。


「ぎゃうあぁ!!!」


フォースキャノンをまともに食らったクレイジーは倒れた。

危うくフォースキャノンが俺にも当りそうになったが、なんとか回避は出来た。

フォースキャノンが貫通するなんて知らなかったぜ。


「ふぅ、これで撃破ね」

「結構、すんなりでしたね」

「俺なんて何もやってないな・・・」

「スカウトは上位職が強いから、大丈夫よ、絶対活躍できるから!」

「そうですよね!よし!ここで暗くなるのは俺じゃないぜ!」


勇次は少しだけ落ち込んでいたが、りえるさんの言葉で元気になった。

まぁ、そうだな、こいつが暗いと何か、気味が悪いぜ。

俺達は、再びこの階を進んでいった。


「お、見なさい、ここに宝があるわよ」

「ほんとだ!凄く豪華だね」

「ちょっと観察眼を使って見て頂戴」

「合点!」


観察眼、スカウトのスキルの1つだ、このスキルは宝箱の中身を開けずに見たり

敵の姿を遠くから視認したりするときに使う。

因みになぜ、観察眼で宝箱を見るのかというと、たまにトラップとかがあるからだ。

このゲームではそう言ったトラップは即死の場合が多く、観察眼は必須だ。


「中身は設計図か何かの様っすよ、安全っすね」

「よし、じゃあ、修介あなたが開けて」

「何でですか?」

「設計図はあなたの物だからね、それに、開けてみたいでしょ?」

「た、確かにそうですね」


俺は宝箱に近寄り、ゆっくりと宝箱のフタを開けた。

中身が分かってるってのに、妙に緊張したな。

その中身は本当に設計図で、ここのモンスターの素材で作れる武器が載っていた。


「よし、これでいいわね、じゃあ、行きましょうか」

「はい!」


俺達は再び次の階を探した。

しかし、この階のボスは一体どんな化け物なんだろうか・・・

少し不安だが、まぁ、大丈夫かな。

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