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ゲームによく似た異世界で最高の幸運を使い最強を目指す  作者: オリオン
第19章、平穏の中の変化
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自分達の正体

ウェルザはこの世界のモンスター達に意思が生まれたい理由をゆっくりと話し始めた。


「君達はホムンクルスを知ってるよね、なんせ、そこに居るからさ」


ウェルザは真野達の方をチラリと見て、そう言った。


「ホムンクルスは、私達人間が私達の代わりにモンスターを倒して貰うために作った人形だったんだ」

「人形・・・その言い方は無いんじゃ無いかな、私達だって、意識があるもん!」

「そうだ! 俺達が人形だとか自分勝手なことをぬかすんじゃねぇ!」

「・・・うん、まぁ、そうだね、君達には意思がある、暴走することは良くあったけど、意思があるのは

 君達が初めてのケースだったんだ、だから、人間は君達を恐れていたんだ」


身体能力は確実に自分たちよりも上で、再生能力も異常な程に高い。

それに、自分の意思で自立して、自分たちで行動できる・・・人間が恐れるのは当然か。

そして、奈々達の兄が残した言葉、最大の失敗作、その意味も、よく分かった。


「だから・・・私達を隔離したんだね」

「そうだよ、失敗したけど、能力の高いホムンクルス達を配置して、君達を抑えてた

 そして、その後に作られたホムンクルス、それが探検家である君達だ」

「私達が!?」


まぁ、何となく分かっていたな、あいつも、俺達を意思のない人形だとか言ってたし。


「そう、意識を奪ったホムンクルス、それが君達だ、ついでに前例のホムンクルス達の件で恐怖した

 人間は、君達からあのホムンクルス達の様な身体能力を奪ったんだ」


あぁ、だから俺達は同じホムンクルスの器の中だって言うのに、あそこまで差があるのか。


「・・・かなり衝撃的な事実だね・・・それは」

「まぁ、そうだろうね、君達からしてみれば、それはかなり驚愕の真実だろう」

「ほ、ホムンクルス・・・この人達も・・・そうなんだ・・・」

「さて、話を続けるとしよう、君達が動いている理由、それはね、私が別世界の人間と

 そのホムンクルスの器を繋げているからなんだよ」

「はぁ!? あんたが!?」


俺達は一斉に反応し、全員、驚愕の表情を浮かべた。

しかし、ウェルザはそんな俺達をなだめ、話を続けた。


「まぁ、私だけじゃ無いんだけど、大体は私かな、そんなわけで、私は君達の体と意思の橋渡し役なの」

「こんな可愛らしい女の子が、そんな凄いことが出来るんだな・・・スゲーや」

「ふふ、そうでしょ、でも、私が出来るのはそれ位と転移魔法くらいなんだよ

 それ以外の事をすることは出来ないんだ」

「じゃ、じゃあ、もしかして、街と街の間を転移できる装置って・・・」

「私の力をそこに滞在させてるんだ、だから、転移が出来る」


しれっと、超重要ポジションなのか・・・この女の子は・・・

見た目からはそんな風には見えないが、人は見かけによらない物だな・・・


「それでね、ある日、私が少しヘマをしちゃってね、この世界で一番強い人の意思を

 完全にこっちに移動させてしまったんだ」

「へ? そんな事ってあるの!?」

「うーん、なんというか、事故で起きたのか、別の意識が働いたのか・・・

 とにかく、今まで起こったことが無かったんだ、そしてだよ、それからなんだよね

 モンスターが意識を持ち始めたのは・・・多分、あの転移させちゃった人の仕業なんだろうね、これは」

「なんでそう思うんだ?」

「元々色々とおかしな人だったんだ、能力もホムンクルスの器の限界を超えてたし

 もしかしたら、その力の影響なのかも知れないって、私はそう思ったんだ」


チートのことだろうな、しかし、そのチートの影響でモンスターに意思が宿るのか?

・・・この世界に詳しくないから、良くは分からないな。


「だから、私達は急遽の作戦として、君達の器の強化に当ったんだ

 とりあえず、試作体として、19体の能力を完全に強化したんだよ

 3体は同じ能力で、実質は7体の高能力のホムンクルスを作ったんだ」


それが、能力が壊れている奴らか、じゃあ、俺もその1体か。


「1体はHP、2体はMP、3体は攻撃、4体は防御、5体は魔力、6体は精神力、

 そして、もう1体は唯一の運だよ、まぁ、君だね」

「・・・唯一? 全部唯一じゃ無いのか?」

「えっとね、君だけ残りの体が無いんだ、つまり、1回死んじゃったら・・・魂消滅するよ」

「はぁ!? ちょ、はぁ!?」


な、なんじゃぁ! 何が運だよ! やっぱり俺だけ妙に不幸体質じゃ無いか!


「な、な、なんでそうなるんだよ! てか、魂消滅!? 怖いわ!」

「体が入る器が無いんだもん、仕方ないじゃんか」

「じゃあ、元の世界に魂を戻すとか無いのかよ!?」

「せ、世界が違うんだよ! 私はまだ力が回復しきってないし! それに、最初の転移者を

 なんとかして倒さないと、何か妙な力に邪魔されて元に戻せないんだってばぁ!」

「てかさ、なんで運だけ1体なんだよ!」

「運の力を増幅させるのは1体しか出来なかったんだよぉ! 完全に偶然で出来た体だし!」

「なら、せめて加護的な何かは無いのか!?」

「あるよ、ホムンクルスの言葉が聞けるようにしたからさ、協力するかなって思って付けた特典だよ?

 ついでに、周りも不便しないように、一緒に聞けるようにしたんだからさ!」


あぁ、俺が居る周りだけ、ホムンクルスの言葉が分かる理由って、これか・・・

ってか、今更だけど、こいつらは俺の近くじゃ無いと俺達と会話が出来ないんだよな・・・


「何でそんな機能を・・・ってか、亮、お前らって、前の虫の時に俺から離れてたけど・・・会話は?」

「出来てたぜ、これでも俺達は頭が良いんだ、お前らの言葉程度、すぐに話せる

 ま、まぁ、お前が居てくれたお陰でお前らの言葉はわかりやすかったな・・・」

「やっぱり君達は頭が良いね、まぁ、それも私達人間が君達を恐れた理由なんだけど」

「分かった! 頭が良すぎて、追い抜かれるのが怖かったとかでしょ!?」

「まぁ、そうかな・・・それと、あなた達が私達を嫌って、勢力を作るのが怖かったからもあるかな」


実際、こいつらは新しい勢力を作ってるわけだし、ウェルザの言う事は正しいんだよな。


「うーん、ねぇ、あなた達が私達探検家を攻撃した理由って何?」

「兄ちゃんは探検家が必ず大きな障害になるからだって言ってたなぁ」

「あのままイレギュラーモンスターが出て来なければ、そうだったろうな」

「まぁ、今はそいつらが出てきて、協力関係にあるけどね」

「・・・所でウェルザ、お前らはボーダーって知ってるか?」

「ボーダーか、勿論知ってるよ、モンスターの賢者だよね、頭も良いし、物わかりも良い

 他のモンスターと違って、結構友好的だよ」

「俺はそのボーダーから色々と聞いたんだけど、あれは合ってるのか?」

「結構あってるだろうけど、少し違うと思うなぁ、情報共有は良くするんだけどね」


あの時俺は3回だと聞いた、だけど、俺は1回でアウト、少し話が違う気がするな。

やっぱり、多少の違いはあっても仕方ないのか・・・全部の情報を公開してるわけじゃ無いそうだし。

でも、あの時ボーダーが言っていた事と、ウェルザが言っている事、結構あってるんだよな。

やっぱり、中途半端に話が違うのは仕方ないのか。


「あと、なんで俺は1回、他の人達は3回で記憶からも居なくなるんだ?」

「魂が消滅するからね、魂が完全に消滅しちゃったら、人の記憶にも戻れないんだ

 まぁ、それは君達だけなんだけどね、無理矢理引っ付けてるから、器が死んでも

 ずっとその器に付こうとするから、器と一緒に消えるんだよ」

「この鬼畜が・・・俺達の魂をなんだと思ってやがる」

「1度掛けたときに、もう1度掛けないと解けない魔法なんだよ!

 だから、今の私には解くことは出来ないんだって!」

「それで、許されると思ってるわけ? 私達は今は無理矢理こっちに引き寄せられた上に

 命処か存在その物も危機に陥ってるのよ? なのに、それを掛けた張本人共は

 そんなのお構いなしに何でもかんでも言いつけてくる・・・馬鹿にするんじゃ無いわよ」


今までの話を聞いていて、俺達は全体的に怒りがピークになっている。

何せ、この状況、かなり理不尽なんだからな、それに、俺達をこっちに呼んだ奴が

今、目の前にいるんだ、そりゃあ、怒りがあらわになってもしょうが無い。


「え、あ、えっと・・・そ、それに関しては謝るよ・・・」

「謝って済むと思ってるんですかねぇ?」

「そうだよ、消えたら私達、おしまい、誰の記憶にも残らないのは、嫌だし、残せないのも嫌だ」

「まぁ、うちは別に今のままでも良いんだけどさ、好き放題に暴れられるし

 でも、修介が1回でおしまいだって分かってるのに、無理難題を押しつけるのはちょっとね」

「だ、だって、運の能力が最高になったのは、奇跡だし・・・それに、その奇跡が

 今まで出来たケースの中で、1番有効的なんだよ、そ、それに、私は繋げただけで、作ってないし」

「うっさい! あたし達に頼らずに、あなた達だけで何とかすれば良いじゃんかぁ!」

「無理無理! 私達はあなた達みたいに能力高くないの! す、すぐに殺されちゃうって!」


何か、ウェルザが一斉に責められて、少し可愛そうに感じてきた・・・

う、うーむ、確かにウェルザはこの状況をなんとか打開しようと最善の一手を打っただけなんだよな。

何で俺がそれになったかは分からないが・・・まぁ、この能力のお陰で今まで生き残ってきたし・・・


「・・・あ、えっと、火種を蒔いた俺が言うのはなんだが、少し落ち着付こう

 こいつを責めても状況は変わらないだろうし」

「あなたが1番危険な状況にあるのよ!? 分かってるの!」

「いや、1番ヤバいのはこの世界の一般の人達じゃ無いですか? 俺達みたいに戦えないし

 俺と同じで1回死んだらそれまでですよ」

「た、確かにそうだけど、その人達は死んだら魂が消滅する訳じゃないでしょう?」

「そうですけど、死ぬという事実は変わらない」


俺の言葉を聞いて、りえるさん達は少しだけ落ち着き始めた。


「た、助かったよ・・・」

「・・・まぁ、とりあえずお前の話を聞いて、俺達に出来た選択肢は2つだな」

「2つですか?」

「あぁ、1つはこのままここで待機だな、そうすれば、こいつの力が回復して俺達は帰れる」

「ま、まぁ、そうなんだけどさ・・・でも、変な力に邪魔されてるから・・・

 まぁ、私が自分の命を捨てれば返せるけどさ」

「で、残りもう1つはその最初の転移者とやらを倒すことだな」

「と言うか、実質その選択肢か無いのよね」

「まぁ、そうですよね、ウェルザを救いたいし、この世界も救いたいですしね」

「・・・でも、修介先輩・・・そ、そんな事したら、あなたが1番危ないよ?」

「分かってる、でも・・・1番有効的なのが俺なら、やるしか無い」


全く、幸運の数値が吹っ切れてても、運が悪いんだな、俺って奴は。

でも、まぁ、考え方を少し変えれば、この世界を救う力があるんだ。

それなら、俺は十分幸運だと言えるだろうな。


「相変わらず、馬鹿だよな、お前って奴は、無謀だっての」

「その方が俺らしいだろ?」

「ま、そうだな、じゃあ、俺はお前をサポートしてやるよ、友人を救う俺って、格好いいだろうしな!」


勇次は、こんな状況でも、やっぱりぶれないな。


「修介兄! 勇次兄! 俺もやってやるよ! 弱くたって役に立ってみせる!」

「じゃあ、俺もやってやるかな、乗りかかった船だしよ」


遥人と亮もかなり乗り気のようだ、何か、頼りになるな。


「2人とも・・・」

「全く、ここの男共は、馬鹿ばっかりね」

「・・・・・・」

「あはは! うちも暴れてやるよ! 修介はなんとか守ってみせるさ!」

「遥人、うぅ・・・お姉ちゃんがしっかりしないでどうするの・・・でも・・・」

「お姉ちゃん、震えないで・・・」

「うぅ」

「まぁ、頑張らないとなぁ、修介に恩を返さないと」

「ダイアちゃん、手伝ってくれれば良いな」

「修介さん・・・自分がどんなに危ない状況か・・・分かってるのかな・・・」

「修介! 私、修介のために、頑張るよ」


女性陣は、ミミさん、癒子、真野、美香以外はあまり乗り気じゃ無いようだな。

まぁ、無理も無い、状況は最悪だし、相手の能力は未知数だからな。

そりゃあ、あまり参加したくは無いだろう。


「・・・やっぱり、結構別れるんだね、でも、まだ時間はあるからさ

 他にもおかしなモンスターとか、沢山居るから」

「じゃあ、まずはそっちが先決かな」

「そうね、それからで良いでしょう、色々と準備をするのは」

「う、うん・・・」

「じゃあ、それまでに、なんとか腹を括らないとね」


結局、今回俺達は、最終目標を再確認しただけだったな。

まぁ、そのお陰で、その最終目標を身近に感じることが出来た。

これで、腹を括る為の心構えって奴が出来るってもんだ。

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