説得開始
俺とりえるさんは今回のギルド戦争で味方になってくれた3つのギルドのマスター達がいる場所に向った。
この3人は、戦闘のそれもあり、一緒に休んでいたため、同時に見付けることが出来た。
「あぁ、りえると修介か、どうしたんだ?」
「えぇ、実はあなた達に話したいことがあるのよ・・・聞いてくれるかしら?」
「勿論、一緒に戦った戦友だからね」
「まぁ、恩もあるしな」
「さて、何でも良いな、協力できそうなことなら協力してやるぞ」
どうやら、この3人は、今のところ友好的のようだな。
やっぱり、共に戦ったからだろう。
「じゃあ、言うわね・・・出来れば他言して欲しくないことだけど、大丈夫かしら?」
「何だ? 重要な秘密でもあるのか?」
「まぁ、そうね、知れ渡ったら面倒になりそうな物よ」
「へぇ、でも、私達に話をするって事は、あなた達だけじゃ厳しそうな事って事だよね」
「そうね、私達じゃ規模が足りない気がするのよ」
俺たちのギルドのメンバーはホムンクルスを混ぜなければ、10程度だ。
だから、俺たちでこの範囲をまかなうのは無理だろう。
それに、俺たちはイレギュラーモンスターの討伐もある、だから協力は必須だ。
「それで? その秘密ってのは何だ?」
「ギルド対抗バトルってあるでしょ? 闘技場でやる奴」
「あぁ、こんな状況になってからはやってないが、前は良くやってたな」
「私達は今でも結構積極的にやってるね、強い奴と戦えるかもだし」
「それで手に入るギルドポイント、あれがその闘技場以外のプレイヤー対決でも手に入るのが分かったわ」
それを聞き、全員同時に少しだけ反応を見せた。
「ほう、闘技場外のPVPでもポイントがね・・・」
「これがもしも小さなギルドに知れ渡れば、PKが多発するでしょう」
「まぁ、その可能性はあるよね、闘技場は結構理不尽な所があるから」
「でも、別に良いんじゃないか? 殆ど失う物は無いんだし、いくらでも蘇れる」
「そうね、この世界がゲームなら、何の問題も無い、でも、今はゲームじゃ無い」
「そうだな、俺たちは今ゲームの中にいる、だがよ、だからって蘇る事には変わりねぇ、大丈夫だろ?」
やっぱり、3回死んだら完全に消滅する何てことを知らなければ、そんな反応になるだろうよ。
「確かに、死んでも蘇る・・・3回だけな」
「は? どういう意味だ?」
「この世界で3回死んだら・・・消滅だ、記憶からも、何もかもな」
「な! どういう意味だよ! それはよ!」
「そのままの意味よ、私達は3回死ぬとこの世界から完全に消滅する
全ての人間の記憶からも居なくなるの、例え、それが親友だろうとね」
「じょ、冗談だろ・・・そんな馬鹿な事が・・・」
「証拠は無い、と言うか見付からないだろうよ、記憶から消滅するんだ
そこにその消えた奴が居たって事を覚えておくことが出来ないんだ」
「その事実があったから、私達はシルバーバードを止めたかったのよ
あそこの連中が、今まで何人プレイヤーを殺してきたか」
この事実を突きつけられた3人はショックのあまり、しばらくの間沈黙した。
そりゃあ、そうだろう、普通にこんな事を知らされたらこうもなる。
「はぁ、最悪だな、記憶から消滅? そのくせ、この状態で放置じゃあ、PKが増えるだと?」
「今までPKには大したメリットは無かった、それに、小さなギルドが喧嘩を売ればすぐに潰される
だから、PKはシルバーバード位しか無かった、でも、今はPKでギルドポイントがたまるって言う
大きなメリットが追加された事で、小さなギルドがPKを率先してやるようになるでしょう」
「だから、俺たちは大きなギルドに協力して貰い、制限を掛けるようにしようと思ったんだ」
「だから、私達にその事を話しに来たの?」
「そうよ、今この辺りで力を持っているのは、あなた達のギルドよ
勢力も多いいから、見張りも出来る、そして、ギルドランクは最高レベルだから
あなた達はPKを率先してやる理由もないでしょう?」
「ランクが低かろうと、そんな真似しねーよ」
「そうだね、不意打ちとかしてもかっこ悪いし」
「確かにそうだな」
全員、PKをするような真似はしないと、そうハッキリ言っている。
そりゃあな、ギルドランクが最高レベルのギルドがPKをしても、得はないしな。
「それで? まぁ、私達は協力すること確定なんだけど、具体的にはどうすんの?」
「そうね、あなた達3つのギルドが統治機構を立て、この街のルールを決めて
最低限の条件は、PKを止めさせるためのルール、そして、あまり理不尽じゃ無いルールね」
「俺たち3つのギルド? お前らホーリーアップルはどうすんだ?」
「私達は正直統治機構の管理をする余裕が無いのよ、あの時私達を襲ってきたイレギュラーモンスター
あいつらの討伐をしないといけないからね」
「はぁ!? お前ら、あんな化け物みたいな奴を相手にすんのか!?
馬鹿か! 3回死んだらお陀仏なのによ! そんなの命がいくつあっても足りねぇぞ!」
「やらなきゃいけないのよね、私達が、そうしないと被害が広がるし」
「まぁ、俺たちが危ない橋を渡すのはいつものことだから、大丈夫だ」
「馬鹿なんじゃ無いか・・・お前ら・・・」
馬鹿と言われても、やらなきゃいけないんだし、仕方ないんだよな。
それに、あんな異常なモンスターを倒せるのは、異常な能力を持つ奴だけだ。
現状、まともに戦えるのは俺くらいだしな・・・本当はりえるさん達はやらない方が良いんだろうが。
「まぁ、誰かがやらなくちゃ駄目なのよ」
「異常な奴は異常な奴が相手をしないと勝ち目は無いしな」
「そして、その異常な奴をサポートする馬鹿な奴も居ないと、勝てないのよね」
りえるさんは俺の方をチラッと見て、少しだけ笑った。
やっぱり、少し無茶な人だよな、でも、そんな人だから付いてきたんだけど。
「・・・はぁ、分かったよ、でも、協力が欲しければ言ってくれ、助けてやるぞ」
「もしもの時は頼るわ、さて、それじゃあ、統治機構の話に戻るわ」
「あぁ、その後どうするんだ?」
「その後、3回死んだら消滅するというのを広めるわ、これで、行動しにくくなるでしょうし」
3回死んだら消滅するなんて言う噂が広がれば、報復を恐れ、PKが減るという作戦だな。
平和のそれとは違う気もするが、これが1番効果が見込めるんだよな。
「なるほどね、結構効力見込めそうだね」
「消えるのは誰だって怖いもんだからね、で、後はもしもPKが発生した場合
あなた達が出動して、そのPKを行なった人物を制圧、そして、警告を行なうわ
もしも、その後もう一度起こった場合、これも警告、3度目が発生した場合。
反省する気が無いと判断、後は・・・まぁ、分かるでしょ?」
「3回もチャンスを与えるのか? それじゃあ、減らないんじゃね?」
「まぁ、そこはあなた達の判断に任せるわ、1回で即処刑だというのなら、それも良いでしょう
私達はあくまでPKを減らしたいだけだから」
「そうかい、分かったよ、じゃあ、とりあえず統治の体勢は俺たちが何とか固めておく」
「えぇ、お願いね」
俺たちは3人に統治機構の事をお願いして、その場を去ろうとした。
でも、考えてみれば、この3人は統治機構なんてよく分かってないよな。
「あぁ、そうだ、グロウブって知ってるか? 民間ギルドの」
「あぁ、そう言えばそんなNPCが居るって聞いたことはあるな」
「そいつを俺達は知ってるんだ、一応統治機構の構成で力を貸して貰えば良いんじゃないか?」
「まさか、そんなNPCと交流が合ったとはな・・・でも、必要ないだろう?」
「そうそう、あれでしょ? ギルドのルールを決める感じで良いんでしょ?」
「俺は協力を貰った方が良いと思うぞ、NPCの意見も手に入るしな」
「NPCだろ? 良いんじゃね? 放置で」
「馬鹿ぬかせ、NPCが居なくなったら、食事が取れないし、アイテムも買えないだろう?
俺たちは何だかんだで彼らに力を貸して貰っているんだ」
オーシャンズのカイトは結構NPCの事を考えているんだな。
「そうそう、NPCも意思があるんだし、NPCの事も考えた方が良い」
「ち、まぁ、そうだな、分かった、じゃあ、そのグロウブって奴を紹介してくれ」
「あぁ、分かった」
俺はとりあえず民間ギルドに移動して、グロウブを呼んだ。
そして、出てきたのはクロナだけだった。
「はい、あ、修介さん、ここに来たって事は、戦争は終わったんですね」
「まぁな・・・あぁ、そう言えば、まだ一般人は避難中か」
「そうですよ、騒動に巻込まれるのは避けたいですし、でも、もう何人かは戻ってます」
「じゃあ、なんでお前はここに居るんだ?」
「私達は結構色んな情報を持ってるんですよ、だから、ここが襲われたりしたら大変なので
私はここで見張りをしていたんですよ」
「お前1人で何とかなるわけ無いだろ・・・」
「トラップが沢山ありますから!」
あまりトラップなんてあるようには見えないが・・・まぁ、トラップが筒抜けじゃあ意味が無いからな。
それにしても、結構重要な情報とか沢山あるんだな。
「まぁ、いいや、グロウブさんは居るか?」
「居ませんね、今は隣国の王様と色々と話をしに言ってます」
「そうか・・・そうだ、クロナ、お前は統治機構とかに詳しい方か?」
「はい、それは勿論です! 毎日お勉強していますからね!」
「よし、じゃあ、一緒に来てくれ」
「え? あ、分かりました、それでは、鍵をしてきますね!」
「あぁ」
鍵があるのなら鍵を掛けて逃げておけば良いのに・・・
でも、もしかしたら、情報を送るために残っていたのかも知れないな。
「鍵を掛けてきました! それじゃあ、行きましょう!」
「あぁ、分かった」
俺はクロナを3人がいる場所まで案内した。
その道中にクロナには何故呼んだのかを説明しておいた。
俺の説明を聞いたクロナは、お任せください! ついに私が勉強した技術を見せれるんですね!
と、かなり嬉しそうに話していたな。
「おい、修介、こいつがグロウブか?」
「いや、こいつはクロナ、グロウブの部下だな、統治にも詳しいようだから、安心しろ」
「初めまして! 私はクロナと言います! 以後、お見知りおきを」
クロナは軽く3人に挨拶をして、統治機構の話を始めた、これで、こっちは大丈夫そうかな。




